エクサウィザーズ × 中国電力

中国電力株式会社

中国地方における発電、小売電気事業を手掛けるエネルギー企業である。ダムを用いた水力発電所は37箇所保有している。広島市に本社を置いており、従業員数は4564人。2022年度の売上高は1兆6946億円。

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石炭火力発電所の燃料運用を高度化するAIシステム(炭質評価システム・石炭サイロ運用支援システム)を開発。複雑な運用制約と熟練者のノウハウを取り込んだ独自の最適化アルゴリズムにより、最適な石炭・バイオマス燃料のブレンド比率の提案を行い、CO2削減にも貢献します。また、発電所の安定運転と燃料コストの最小化を高い水準で両立します。

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背景

  • 燃料価格の変動に対応するための経済性向上が求められている
  • 複雑な計画業務の属人化と計画品質の平準化が課題
  • 脱炭素化の流れを受けて求められるバイオマス燃料の混焼拡大

日本のエネルギー供給を支える石炭火力発電所では、電力の安定供給を大前提としながら、燃料価格の変動に対応するための経済性向上が常に求められています。中国電力の三隅発電所では、18基ある貯炭サイロの日々の受払・貯蔵状況を考慮した複雑な燃料運用計画を、限られた熟練社員が担っていました。この運用は発電所の安定運転やコスト管理に直結する重要な業務ですが、属人化と計画品質の平準化が課題となっていました。

また、脱炭素化の流れを受けて求められるバイオマス燃料の混焼拡大は、運用の複雑性を一層高めていました。

そこで両社は、これら一連の計画業務をAIでシステム化し、相互に連携させることで、計画立案のスピードと精度を向上させることを目指しました。これにより、発電所の安定運転を維持しつつ、燃料コストの最小化、業務の標準化、そして多様な燃料への柔軟な対応を実現します。

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お取組み

  • 2つのAIが連携し、複雑な計画業務を自動化・最適化
  • システムの中核は独自のアルゴリズム

今回開発したAIシステムは、「炭質評価システム」と「石炭サイロ運用支援システム」の2つで構成され、相互に連携して発電所の燃料運用最適化を図ります。熟練社員の知見や現場の複雑な制約条件を数理モデルとして組み込んだ、独自の最適化アルゴリズムが中核となっています。

1. 炭質評価システム

石炭の銘柄ごとの発熱量や調達価格などを踏まえ、ボイラの安定燃焼を維持しつつ経済性も考慮した最適な石炭・バイオマス燃料のブレンド比率を、従来比数百倍のスピードでAIが提案します。また、バイオマス燃料の混焼といった燃料多様化にも対応しています。

従来、保管されている石炭に合わせて40通りのブレンド案を作成するには、熟練社員でも約2〜3日を要していましたが、AIを用いることで、約4,000通りもの混焼パターンをわずか90分で評価できます。これにより、新規の石炭銘柄を導入検討する際に、その利用可否と最適ブレンドを迅速に評価できるようになり、燃料調達のリードタイム短縮が可能となりました。

2. 石炭サイロ運用支援システム

炭質評価システムが算出した約4,000通りのブレンド比率から、AIが最適なものを選択し、石炭受払計画を自動で策定します。この計画は、18基あるサイロの受入・払出からボイラへの投入順序までを網羅しており、さらに補修作業に伴う石炭設備の使用可否、石炭船のサイロ空き待ち滞船の低減、低品位炭の優先消費といった、現場の複雑な条件も反映できます。これにより、従来は約1日を要していた3カ月分の計画策定が、わずか30分程度で完了するようになり、計画策定の工数を削減することができます。

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期待される効果

  • 約4,000通りの混焼パターン評価を、約2〜3日から約90分に短縮
  • 3カ月分の受払計画策定を、約1日から約30分に短縮
  • 燃料調達リードタイムの短縮と業務の標準化を実現
  • バイオマス混焼など多様な燃料への柔軟な対応

炭質評価システムでは、従来は熟練社員でも約2〜3日を要していた約4,000通りの混焼パターン評価が約90分で行えるようになり、新規銘柄の導入検討も迅速化しました。石炭サイロ運用支援システムでは、従来約1日かかっていた3カ月分の計画策定が約30分に短縮され、計画策定の工数を大幅に削減できます。あわせて、燃料調達リードタイムの短縮、業務の標準化、そして多様な燃料への柔軟な対応が見込まれます。