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機械学習ツールおすすめ10選!導入メリットや選定ポイントも紹介

「機械学習」とは、AI技術の一つであり、与えられたデータをコンピュータが解析し、ルールやパターンを学習することで特定のタスクを実行できる機械学習モデルを構築する技術です。

ビジネスで使われることも増えた機械学習ですが一から自分で活用するのはハードルが高いと思う方もいるでしょう。

そこで今回の記事では、比較的簡単に機械学習を扱えるツールを導入するメリット・選び方などをご紹介します。

とにかくツールの情報を知りたいという方は「多様な機械学習が可能な機械学習プラットフォーム」以降からお読みください。

機械学習について詳しく知りたい方は「機械学習とは?定義や種類、活用事例を紹介 」の記事をご覧ください。

機械学習ツールを導入するメリット

機械学習ツールを導入するメリットはいくつかあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、改めて理解した上でツールの導入を検討しましょう。

誰でも簡単に、機械学習をビジネスに活用できる

機械学習はビジネスに実装できるようになるまで非常に多くのハードルがあり、多くの時間を要します。

機械学習の習得が難しい理由として以下のような理由があります。

学習すべき範囲・量が多い

機械学習を実装する上で必要な知識として、AIや機械学習の概念、学習方法に関する知識の他にPythonなどの機械学習に使うプログラミング言語、回帰・分布・行列などの数学、統計学、データベースに関する知識など学習する範囲が広いため、途中で挫折する人も多いでしょう。

機械学習には多くの種類・実装方法がありどれをやればいいかわからない

機械学習と一口に言っても、実現したいことによって取るべきアプローチは様々です。また、機械学習で解決できる範囲も様々あり、向き・不向きも存在します。

実際に実装するフェーズではその実装方法も多様で、全てを綺麗にパターン分けして整理することは難しいでしょう。

以上の課題も機械学習ツールを使えば初学者でも機械学習を用いた分析やモデル構築、出力が可能になります。

人だけだと気づかないパターンや規則性を発見できる

機械学習ツールを利用すると、人だけで実装していた際に見落としていた新たな手法や、パターンなどに気づけるメリットもあります。これにより、機械学習モデルの精度が上がり、ビジネスに活用する時の効果も最大化されるでしょう。

社員のAIリテラシーの向上・マインドセットの変革が期待できる

機械学習ツールを導入し社員に使ってもらうことで、社員にとって機械学習やAIがより身近になります。機械学習を使ってできること・できないことがわかり、普段の業務の選択肢に「機械学習を使う」ことが追加され、どんどん機械学習を活用する事例が増えてくるでしょう。その流れは周りに伝播しAIを活用する文化・マインドが社内に醸成されるかもしれません。これは一朝一夕でできることではありませんが、企業がDXを成し遂げるためには非常に重要な変化になります。

 

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機械学習ツールを選ぶポイント

機械学習ツールの選定では、企業や業種に限らず、目的に合ったツール選択が重要です。どのようなポイントで選択するとよいか解説します。

操作が簡単か

ツールの操作性は、必ず確認したいポイントです。新たなツールは、操作方法の難しさを懸念する人も多いため、誰でも使えるくらい操作方法が容易でないと、使われないツールになってしまう場合もあります。操作方法が簡単かどうかは必ず確認してみましょう。

機械学習ツールの多くは無料トライアルができるものが多いので、実際に試してみることをおすすめします。特に機械学習に詳しくない人でもできるかどうかが社内利用を定着させるためには大事になります。

導入後のサポートは充実しているか

ツールの導入後は、使いこなすまでに時間を要します。特に機械学習のツールは扱うデータに事前処理が必要な場合もあるなど、少し活用にハードルがあるツールが存在するのも事実です。

活用セミナーの有無や問題発生時におけるマニュアルの充実度、ツールの導入をサポートしてくれるカスタマーサクセスの有無などの導入後のサポート体制をチェックすることで、社内でのツール活用率が大きく変わり、導入後慣れるまでにかかる時間やコストも削減できます。

セキュリティー面は安全か

機械学習ツール選びでは、情報漏えいを防ぐために、セキュリティー対策がしっかりと講じられているかを見極めることもポイントです。ツールの脆弱性を狙ったサイバー攻撃は、近年増加傾向にあります。

自社の機密情報や顧客情報が社外に漏れることがないよう、ネットワークの暗号化やユーザー認証の強化、ネットワーク上でのログ監視など、最新のセキュリティー技術が使われているのかを確認しましょう。

あらかじめ自社が求めるセキュリティー体制を洗い出したり、サービス提供事業者の導入実績を確認したりするなど、セキュリティー面も重視するのがポイントです。

他ツールとの連携が可能か

既に導入済みの他ツールとデータ連携ができれば、活用の幅が広がります。例えば、機械学習ツールをBIツールと連携させると、多様な種類のデータとあわせて可視化されるため、業務上の意思決定がしやすくなるでしょう。他ツールとのデータ連携が容易だとデータを活用しやすくなるため、業務効率化や生産性の向上に期待できます。

多様な機械学習が可能な機械学習プラットフォーム

機械学習のツールの中には、さまざまな機械学習を可能とするプラットフォームとして提供されているツールがいくつかあります。機械学習プラットフォームの中から4つご紹介します。

AWS Machine Learning

米アマゾン・ウェブ・サービスが提供する「AWS(Amazon Web Serivice)」の機械学習ツールには、「音声からテキスト」「テキストから音声」の相互変換のみならず、「翻訳」「自然言語処理」「機械学習モデルの構築・デプロイ」「チャットボット向けの会話形AI」など、さまざまな種類が用意されています。

幅広い業種に対応しており、データサイエンティスト向けや機械学習エンジニア向けなど、各業種に合った機械学習モデルを選択できるのが特長です。提供サービスには、チュートリアルや無料版が多いため、導入に迷う人は一度試してみてはいかがでしょうか。

参考:『AWS Machine Learning』Amazon

Vertex AI

米グーグル・クラウド・ジャパンが提供する「Vertex AI」は、Google Cloudの機械学習関連のサービスを統合したAIソリューションで、「データ収集」「データの前処理」「機械学習モデルの作成・学習・評価」「機会学習モデルのデプロイ」までを一気通貫で行えます。複数のGoogle Cloudサービスを一つにまとめ、統合されたUIやAPIのもとで機械学習を行える点が特長です。

高度な専門知識を持たずともコード不要でモデル構築できるタイプや、カスタムツールを駆使した高度なタイプ、モデルテストから管理や監視までのプロセスを一元管理できるタイプなど、種類も豊富なため自社に合ったツール選択が可能です。

参考:『Vertex AI」Google

Azure Machine Learning

米マイクロソフトの「Azure Machine Learning」は、モデル構築・運用・管理までが迅速かつ簡単に行えるのが特長のプラットフォームです。「モデルの構築」「トレーニング」「デプロイ」を一気通貫で実現する「スタジオ機能」により、生産性の向上を支えます。

マイクロソフトはサイバーセキュリティの研究と開発に年間 USD 10 億を超える投資を行っており、データセキュリティーとプライバシーを専門とするエキスパートが3500人以上もいることを強みとしているためセキュリティー面も安心できるでしょう。

また、他のマイクロソフト製品、Azure製品との互換性もあるため、Azureサービスを導入している企業様は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:『Azure Machine Learning』マイクロソフト

IBM Watson Machine Learning

日本IBMの「IBM Watson Machine Learning」は、機械学習モデルやニューラル・ネットワークのトレーニングおよびデプロイを行える機能を備えた、クラウドサービスです。「不正検知」「ローン承認」「IT運用分析」など、さまざまなビジネス領域における機械学習モデルの構築が可能です。

独自の機械学習アルゴリズムを採用しているため、継続的なフィードバックのスケジューリングにより、モデルの正確性を確認できます。さらに、パフォーマンス低下時にはアラートを立てるなど、常にモデルの精度を向上できるのも特長の一つです。

参考:『IBM Watson Machine Learning』日本アイ・ビー・エム株式会社

データ分析/活用におすすめの機械学習ツール

機械学習ツールの種類は豊富で、ツールにより得意な分野が異なります。その中でデータの分析や活用を得意とする機械学習ツールを、3つご紹介します。データを用意するだけで比較的簡単に分析ができるツールが多く、実業務でも活用しやすいので初学者が機械学習を始めるのにはおすすめです。ぜひ参考にしてみてください。

exaBase 予測・分析

「exaBase 予測・分析」は、エクサウィザーズが提供するAI予測・分析ツールです。AIモデルを使った予測機能と分析機能をご提供しています。

「予測」に関しては、データを読み込み、学習済みモデルを作成し、その後予測したいデータに学習済みモデルを適用し、予測結果を取得します。

「分析」に関しては、どんなデータ・情報が結果に影響を与えているのかといった影響度や、「データの特徴・傾向」の可視化・分析ができます。項目ごとに影響度を表示するため、「何がどのように作用したのか」を一目で理解しやすいです。

操作方法は簡単で、企業内にある様々なデータをドラッグ&ドロップして読み込ませ数クリックの操作だけで、読み込んだデータを基にAIが短時間で学習してくれます。

出典:exaBase 予測・分析の資料より

人事・製造・研究開発・営業・マーケティングなど、さまざまな業界・職種に活用が可能で、大手自動車メーカー、大手人材派遣会社、大手ロジスティクス会社などで導入事例があります。

参考:「exaBase 予測・分析」株式会社エクサウィザーズ

Prediction One

「Prediction One」は、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する機械学習やプログラミングなどの専門知識がなくても数クリックの簡単な操作で予測分析ができるツールです。基本機能として二値分類、多値分類、数値予測(回帰)、時系列予測(回帰)などができ、機械学習を用いた学習・評価・予測も行えます。

参考:『Prediction One』 ソニーネットワークコミュニケーションズ

 

SAS Viya

SAS Viyaはアナリティクスだけではなく、データ準備から配置・適用までのアナリティクス・ライフサイクル全体をカバーするAIプラットフォームです。統計解析ソフトウェアで有名なSASが機械学習を気軽にできるツールとして提供を始めました。クラウドでもオンプレミスでも利用可能です。画像解析や異常検知・故障予測、テキスト解析、最適化など様々な機能を提供しています。既にSASを導入している企業はSAS Viyaの導入を検討してみるのもいいでしょう。

参考:『SAS Viya – AI/アナリティクス/データ管理のためのクラウド・ネイティブのプラットフォーム』|SAS

DataRobot

「DataRobot」は、DataRobot Japan株式会社が提供する、エンタープライズAIプラットフォームです。モデル構築や手法選択といった「モデル生成」と、分析目標やビジネス目標などの「評価」を自動化でき、目的・分析の設計やデータ準備といった、ツール活用前のサポートも充実しています。1,000個以上のアルゴリズムから最適なモデルを自動選択し、専門知識がなくとも簡単に操作や予測モデルの読み取りが可能です。小売業やマーケティング、製品開発などといった事業に活用されています。

参考:「DataRobot」DataRobot Japan 株式会社

dotData

NECがアメリカに設立した米dotDataが提供する「dotData」は、特徴量自動設計を強みとしたデータ分析ツールです。従来、専門化やデータサイエンティストの経験や勘に依存していた特徴量設計を自動化し、優れた予測を可能にしているのが特長です。特徴量自動設計と自動化された機械学習が連携しているため、AIの専門知識を持たなくとも、予測モデルの構築や予測分析が可能になります。

同ツールは、ノーコードでAI開発全体を自動化するものやSaaSで利用できるものなど、4つのプロダクトがあります。プロダクトの併用により、生データから特徴量設計、機械学習、AI分析まで一連の流れを、短時間かつプログラミング不要で行える点も特長の一つです。

参考:「dotData」dotData Japan

データラベリング(アノテーション)に役立つツール・サイト

最後に、アノテーションとも呼ばれるデータラベリングに役立つツールやサイトをご紹介します。

アノテーションとは、機械学習の手法の一つである教師あり学習において、学習で用いるデータセット「教師データ(「例題」に対して「正解」が付与されたデータ)」の作成のために実施します。

アノテーションの作業は時間がかかるため、ツールを使った効率化が重要です。

FastLabel

FastLabel株式会社が提供する「FastLabel」は、機械学習に必要な素材データとアノテーションデータを合わせて提供しています。100万件以上の権利クリアランスされた素材データにより、迅速なAI開発をサポートします。

ディープラーニングを用いて自動化されたアノテーション作業により、コストや期間を大幅に削減できるのが特長です。

参考:『FastLabel』FastLabel株式会社

ProLabel

プロフィールドが提供する「ProLabel」は、自動アノテーションツールです。アノテーション作業とデータセット管理の効率化に効果的といえます。

自社で作成した訓練データをもとに、画像中にあるオブジェクトを自動検出して、ラベル付けを行っていきます。開発後は、プロジェクト単位でアノテーション管理ができるため、中断や保存、修正も簡単に行え、効率的な作業へとつながるでしょう。

参考:『自動アノーションツール ProLabe』 株式会社プロフィールド

harBest

「harBest」は、APTOが提供する、Webで簡単に発注でき、全国各地のクラウドワーカーがデータ収集を行うアノテーションツールです。特別な条件がある場合などは、一定の要件をクリアした認定ワーカーに絞って依頼することも可能です。また、データの品質を自動で評価する独自システムを採用しており、発注者側のチェックも削減できます。

参考:『harBest』 株式会社APTO

まとめ

機械学習ツールを導入することで初学者(非エンジニア)でも機械学習をビジネスに活用することができ、ひいては社員のAIリテラシーの向上・マインドセットの変革も期待できるでしょう。データラベリングやデータ分析など、ツールによって得意とする機能は異なります。現在、無料で提供もしくは試用できるツールや個人向けに提供してあるツールも豊富にあるため、自社に合った機械学習ツールを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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