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生成AIによる業務効率化とは?国内外の最新事例と導入のポイントを解説【2026年版】

公開日
2026.07.27
生成AIによる業務効率化とは?国内外の最新事例と導入のポイントを解説【2026年版】

生成AIは、これまで人が時間をかけて行ってきた文書作成や情報整理、調査といった業務を支援し、企業の生産性を高める技術として定着しつつあります。一方で、「どの業務から手をつければよいのか」「他社はどの程度の効果を出しているのか」が分かりにくく、本格導入に踏み切れない企業も少なくありません。

本記事では、金融、小売、ヘルスケアなど業界別の海外事例を中心に、国内事例も交えながら、生成AIによる業務効率化の実態を整理します。あわせて、導入を成功させるための実務的なポイントや、効果を可視化する仕組みについても解説します。

なお、社内での生成AIの導入・活用を安全に進める手段の一つとして、法人向け生成AIサービス「エクサベース AI」があります。GPT、Gemini、Claudeなど複数の言語モデルを用途に応じて使い分けられ、国内リージョンでのデータ処理など、企業利用に必要なセキュリティ要件に対応しています。

サービスの詳細は以下をご覧ください。

サービス資料|国内シェア1位※の法人向け生成AI「exaBase 生成AI」|
※デロイト トーマツ ミック経済研究所「LLM(大規模言語モデル)を自律的に連携させ非定型業務を自動化するAIエージェント ソリューションサービスの市場動向 2025年度版
※富士キメラ総研「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査」<2024年度実績・サードパーティ対話型生成AIアプリケーション・ベンダーシェア>

生成AIによる業務効率化の現在地

生成AIによる業務効率化は、実験段階から実務への組み込み段階へと移行しています。まずは国内外の利用状況と、効率化が進みやすい業務領域を確認していきましょう。

海外では業務効率化が進む一方、日本の利用は遅れている

まず押さえておきたいのは、海外では生成AIによる業務効率化がすでに具体的な成果として表れている、という点です。OpenAIが2025年に公表した調査では、ChatGPT Enterpriseの利用者は1営業日あたり平均40〜60分の時間を削減していると報告されています。データサイエンスやエンジニアリングなどの職種では、1日あたり最大80分の削減を報告するケースもありました。

出典:OpenAI「The state of enterprise AI(2025 Report)」(2025年)

一方で、日本の利用は海外に比べて遅れています。総務省の調査によると、生成AIの個人利用経験率は、米国の68.8%、中国の81.2%に対し、日本は26.7%にとどまります。

  • 日本:26.7%
  • 米国:68.8%
  • 中国:81.2%

出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」

企業単位でも、生成AIを業務で「活用している」と答えた日本企業は34.5%でした(帝国データバンク、2026年3月調査)。導入は着実に広がりつつあるものの、一人ひとりが日常的に使いこなす段階には、まだ距離があるのが実情です。

出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年5月公表)

裏を返せば、日本企業には大きな伸びしろがあります。海外の先行事例に学びながら、自社で効果の出やすい業務から着手することで、効率化の余地を取り込んでいける段階にあるといえます。そこで次に、どのような業務が生成AIによる効率化に向いているのかを整理します。

効率化が進みやすい業務領域

生成AIは、すべての業務に等しく効果を発揮するわけではありません。効果が出やすいのは、テキストを中心とした、ある程度定型的な知的業務です。具体的には次のような領域が挙げられます。

業務領域 主な活用例 期待できる効果
文書作成 報告書・提案書・メールのドラフト作成 着手までの時間短縮、品質の標準化
要約・整理 議事録作成、長文資料の要点抽出 確認作業の負荷軽減
情報収集・調査 社内ナレッジ検索、競合・市場調査 検索時間の短縮
データ分析 数値データの集計・可視化の補助 分析の着手ハードル低下
問い合わせ対応 社内外からの定型的な質問への回答 対応件数の削減、対応時間の短縮
ソフトウェア開発 コード生成、テストコード作成 開発サイクルの短縮

これらの領域に共通するのは、「ゼロから作る」「大量の情報から必要なものを探す」といった、時間がかかる割に付加価値が見えにくい作業である点です。生成AIにこうした作業のたたき台を任せることで、人はより判断や創造が求められる業務に時間を振り向けやすくなります。

一方で、効率化が進みにくい領域もあります。たとえば、誤りが許されない最終判断を伴う業務(医療上の診断確定、契約の最終承認、財務諸表の確定など)は、生成AIが出力した内容を人が必ず検証する必要があるため、作業の一部は支援できても工程全体を任せることは困難です。

また、暗黙知や対面での信頼関係に依存する業務(込み入った交渉、機微な人事対応など)や、社内にデータが整理されていない業務も、現時点では効果が出にくい傾向があります。

生成AIは「たたき台の作成」や「情報の整理」には強い一方、「最終的な責任を伴う判断」そのものを代替するものではない、という前提を踏まえて適用範囲を見極めることが重要です。

次の章からは、こうした効率化が実際の企業でどのように実現されているのかを、業界別に見ていきます。

【業界別】生成AIによる業務効率化の海外事例

生成AIの活用は、業界ごとに重点となる業務が異なります。ここでは、効果が定量的に報告されている海外企業の事例を業界別に整理します。いずれも2025年以降に報告された事例を中心に確認していきましょう。

金融:ナレッジ検索とアドバイザー支援

金融業界は、扱う文書量が多く、規制対応や情報照合に時間がかかるため、生成AIの効果が出やすい領域です。

米金融大手のモルガン・スタンレーは、ウェルスマネジメント部門にOpenAIの技術を用いたアシスタント「AI @ Morgan Stanley Assistant」を導入しました。このツールは、社内に蓄積された膨大なリサーチ資料に対して、平易な言葉で質問するだけで関連情報を引き出せるものです。導入により、アドバイザーが必要な文書にアクセスできる割合は20%から80%へと向上し、検索にかかる時間が大幅に短縮されました。同社の発表によると、ファイナンシャルアドバイザーチームの98%がこのアシスタントを利用しています。

出典:OpenAI「Morgan Stanley uses AI evals to shape the future of financial services」

ゴールドマン・サックスでも、自社開発のアシスタントを使い、文書の要約やレポートのドラフト作成、データ分析といった日常業務を支援する取り組みが進んでいます。いずれも、社内に蓄積された情報資産へのアクセスや、定型的な文書作業を効率化する使い方が中心です。

出典:ODSC「Goldman Sachs Rolls Out AI Assistant Firmwide to Boost Employee Productivity」(2025年6月)

金融業界の事例から見えるのは、「社内に蓄積された情報資産へのアクセスを高速化する」ことが、生産性向上の中心にあるという点です。自社で取り組む際も、まずは社内に散在する規程・マニュアル・過去資料を生成AIで検索・要約できるようにするところから始めると、効果を実感しやすいでしょう。

カスタマーサービス:応答時間の短縮と自己解決率の向上

カスタマーサービスは、問い合わせの多くが定型的であり、生成AIによる効率化の効果が数値で表れやすい領域です。

アパレル大手のH&Mは、生成AIを活用したチャットボットの導入により、問い合わせへの応答時間をおよそ70%短縮したと報告されています。サイズや在庫、注文状況といった定型的な質問への一次対応をAIが担うことで、人の担当者は判断を要する複雑な案件に集中できるようになりました。

出典:Aloa「12 Proven Examples of AI in Customer Service in 2025」(2025年10月)

ここで注意したいのは、すべての問い合わせをAIに任せようとしないことです。定型的でボリュームの大きい質問から段階的にAIに振り分け、判断やクレーム対応など難易度の高い案件は人が担う、という役割分担を最初に決めておくと、現場の混乱を避けやすくなります。

ヘルスケア:文書作成業務の負荷軽減

医療・ヘルスケア分野では、専門職が文書作成に多くの時間を割いている点が課題となっており、生成AIによる効率化が進んでいます。

米国の医療機関アトランティケアでは、診療記録や報告書の作成を生成AIで支援することにより、医療従事者1人あたり1日66分の時間を捻出できたと報告されています。専門性の高い職種であっても、付随する文書作成を生成AIが担うことで、本来の業務である患者対応に充てられる時間が増える効果が期待されています。

出典:Upskillist「Top AI Agents Use Cases for Healthcare in 2025」(2026年2月)

専門職を多く抱える企業では、この「本業に付随する文書作業をAIに任せる」という発想が応用できます。たとえば営業職の報告書作成、技術職の仕様書作成など、専門知識は不要だが時間を取られる周辺業務を見つけることが、効率化の糸口になります。

小売・消費財:商品開発とコンテンツ制作の高速化

小売・消費財業界では、商品開発のサイクル短縮やコンテンツ制作の効率化に生成AIが活用されています。

米小売大手のウォルマートは、「Trend-to-Product」と呼ばれる生成AIツールを開発し、従来約6か月を要していたアパレルの設計プロセスを6〜8週間で完了できる体制に短縮しました。約18週間の短縮により、流行が続いているうちに商品を投入できるようになっています。

出典:Sourcing Journal「Walmart’s New Gen AI Tool Cuts Lead Times on Fashion Items By 18 Weeks」(2025年4月)

消費財大手のユニリーバは、生成AIを用いて商品画像の制作を進めています。全製品バリエーションの3Dビジュアルを生成することで、撮影や制作にかかる工程をおよそ50%加速させたと報告されています。広告やパッケージ用のビジュアルを多数必要とする企業にとって、コンテンツ制作は生成AIの効果が表れやすい領域の一つです。

出典:ITONICS「18 Company AI Cases Transforming Product Development in Consumer Goods」(2026年1月)

小売・消費財の事例で参考になるのは、「企画・制作の初期段階(たたき台づくり)」を生成AIに任せる発想です。商品デザインの初期案、販促コピーの案出し、ビジュアルのバリエーション作成など、人が一からつくると時間のかかる工程を起点にすると、効率化の効果が見えやすくなります。

専門サービス:法務の文書レビュー

法務分野は、契約書や訴訟関連文書のレビューに多大な工数を要するため、生成AIによる効率化が注目されています。

米国の大手法律事務所では、政府調査に関連する約126,000件の文書レビューに生成AIを活用し、レビュー時間を50〜67%削減しました。3名の弁護士チームが、初期検証を経たうえで12.6万件超の文書への分類作業を24時間以内に完了させ、精度も第一次レビューを行う弁護士の基準と同等以上を達成したと報告されています。

出典:Everlaw「Am Law 100 Firm Slashed Doc Review Time by Two-Thirds with GenAI」(2025年4月)

この事例で見落とせないのは、AIに任せきりにせず、人が初期検証を行ったうえで精度を担保している点です。契約書や法務文書のように正確性が求められる領域では、AIが一次処理を行い、人が最終確認する、という前提で設計することが、効率化と品質の両立につながります。

ソフトウェア開発:コーディングの高速化

ソフトウェア開発は、生成AIの効果が早くから実証されてきた領域です。

GitHub Copilotを用いた実験では、プログラミング課題を与えられた開発者のうち、Copilotを利用したグループは利用しなかったグループと比べて、タスクを55.8%速く完了したという結果が報告されています。コード生成やテストコードの作成といった反復的な作業をAIが補助することで、開発のスピードが上がることを示した結果です。

出典:GitHub / arXiv「The Impact of AI on Developer Productivity: Evidence from GitHub Copilot」

ただし、ツールを配っただけで効果が出るわけではありません。開発者がAIの提案を取捨選択できるようになるまでには一定の習熟期間が必要で、生成されたコードを人がレビューする運用も欠かせません。導入初期は「すぐに成果が出なくても定着には時間がかかる」と見込んでおくことが、現場の納得感につながります。

ここまでの海外事例を、業界・主な用途・報告されている効果の観点で整理すると、次のようになります。

業界 企業例 主な用途 報告されている効果
金融 モルガン・スタンレー 社内リサーチ資料の検索 文書アクセス率20%→80%、アドバイザーチームの98%が利用
カスタマーサービス H&M 問い合わせ対応 応答時間を約70%短縮
ヘルスケア アトランティケア 診療記録・報告書の作成 医療従事者1人あたり1日66分を捻出
小売・消費財 ウォルマート アパレルの設計 設計プロセスを約18週間短縮
小売・消費財 ユニリーバ 商品画像の制作 制作を約50%加速
専門サービス 大手法律事務所 文書レビュー レビュー時間を50〜67%削減
ソフトウェア開発 コーディング支援 コード生成 タスク完了が55.8%高速化

海外事例の要点をまとめると、業界ごとに重点となる業務は異なるものの、いずれも「定型的で時間のかかる知的業務を生成AIが肩代わりし、人が判断や顧客対応といった高付加価値業務に集中する」という共通の構図を持っています。

次の章では、こうした効率化を国内企業がどのように進めているかを見ていきます。

国内企業における生成AI活用の事例

国内でも、業務効率化を目的とした生成AIの導入が大企業を中心に広がっています。ここでは、効果が公表されている代表的な事例を紹介します。

パナソニック コネクト:年間約45万時間を削減

パナソニック コネクトは、2023年2月から社内向けAIアシスタント「ConnectAI」の業務利用を開始し、国内社員約11,600人に活用を広げてきました。工場における作業手順書の作成、消費者アンケートのコメント分析、プログラミングのコード作成など、用途は多岐にわたります。

同社の発表によると、2024年度の業務時間削減効果は約45万時間(44.8万時間)に達し、前年比2.4倍となりました。社員の月間利用率は49.1%で、ほぼ半数が業務でAIを活用しています。

社員のスキル向上により、活用方法が「聞く」から「頼む」へと変化したことが、削減効果の拡大につながったとされています。

出典:日本経済新聞「パナソニックコネクト、生成AIツールを自社導入 年間45万時間の業務削減」(2025年7月)

イオンリテール:約390店舗で従業員を支援

イオンリテールは、生成AIを活用した従業員向けチャットボット「AIアシスタント」を、「イオン」や「イオンスタイル」など約390店舗に実装すると発表しました。数千〜数万ページにおよぶ業務マニュアルや法律を学習したAIが、従業員の音声や文字による質問に自動で回答する仕組みです。

イオンラウンジの案内や免税対応、拾得物対応といった問い合わせの多い事項から対応を始め、新人や若手でも顧客対応の困りごとをその場で解決しやすくすることで、業務習熟の早期化と生産性向上を図るとしています。

出典:イオン株式会社「【イオンリテール】生成AIを活用した『AIアシスタント』を実装」(2025年5月)

エクサベース AI:報告書作成を数時間から5分に短縮

法人向け生成AIサービスの活用も広がっています。エクサウィザーズグループが提供する「エクサベース AI」は、2023年6月の提供開始から約2年で導入企業約1700社、利用ユーザー15万人を超えました(※2026年7月時点) 。

同社の試算では、導入企業全体でひと月あたり2,500人分に相当する業務時間が削減されており、特定の1週間にログインする利用者の割合(WAU)も1年前の約40%から50%へと向上しています。業務ノウハウを定型化したプロンプトテンプレートの整備が、活用の定着を後押ししているとされています。

出典:エクサウィザーズ「エクサベース AI、提供開始2年で利用ユーザー数10万人突破」(2025年7月)

個別企業の活用例としては、大正製薬の事例があります。同社では、これまで数時間を要していた報告書の草案作成を約5分に短縮し、個別のプロセス単位で体感60%以上の時間削減を実現したと報告されています。報告書のように形式が定まった文書の作成は、生成AIによる効率化の効果が表れやすい業務の一例といえます。

出典:イグアス「エクサベース AI【2026年春号】」(2026年)

ここまでの国内事例を、企業・主な用途・報告されている効果の観点で整理すると、次のようになります。

企業・サービス 主な用途 報告されている効果
パナソニック コネクト 作業手順書作成、アンケート分析、コード作成など 2024年度に年間約45万時間を削減(前年比2.4倍)、月間利用率49.1%
イオンリテール 店舗従業員の業務問い合わせ対応 約390店舗に実装、業務習熟の早期化を支援
エクサベース AI(全体) 文書作成・要約、社内ナレッジ活用ほか 約900社・10万ユーザーが利用、月2,500人分の業務時間を削減
大正製薬 報告書の草案作成 数時間を要していた作業を約5分に短縮

国内事例は、海外と比較すると社内業務の効率化に重点が置かれる傾向があります。安全に効果を検証できる領域から着手し、段階的に活用範囲を広げていく進め方が中心となっています。

社内で推進する際も、いきなり全社展開を狙うのではなく、効果を測定しやすい部署や業務で小さく始め、成果を示しながら範囲を広げる方が、社内の理解を得やすいといえます。

生成AI導入を効率化につなげるためのポイント

ここまで国内外の事例を見てきましたが、生成AIを導入すれば自動的に効率化が実現するわけではありません。前述のとおり、日本では導入そのものは広がりつつある一方、一人ひとりが使いこなす段階にはまだ距離があります。同じツールを入れても、成果を出せる企業とそうでない企業に分かれるのが実情です。

ここでは、成果を出している企業に共通するポイントを整理していきましょう。

効果が出やすい業務から始める

最初から全社・全業務への適用を目指すと、リソースが分散し、効果が見えにくくなります。費用対効果を測定しやすい業務からスモールスタートすることが、成功の起点となります。

具体的には、議事録作成、文書のドラフト作成、社内問い合わせ対応など、時間削減効果を算出しやすい業務が適しています。これらの領域で成功事例を作り、定量的な効果を示してから、他部門へ横展開していく流れが現実的です。

利用を定着させる仕組みをつくる

ツールを導入しても、現場で使われなければ効果は生まれません。多くの企業が「何に使えるか分からない」「使ってよいのか不安」という心理的なハードルに直面します。

このハードルを下げるには、誰でもすぐに使えるプロンプト(指示文)のテンプレートを用意すること、基礎的な研修を行うこと、各部署に活用を推進する担当者を置くことが有効です。利用状況を可視化し、活用が進んでいる社員のノウハウを共有する取り組みも、利用率の向上につながります。

効果を可視化する

導入の意思決定を行う立場からは、投じたコストに対してどれだけの効果が得られているかが重要な関心事になります。削減できた業務時間を業務別に集計し、利用料と比較できる形で可視化することで、追加投資の判断や全社展開の根拠を示しやすくなります。

ここで参考になるのが、サッポロホールディングスの事例です。同社は2023年7月に約160名で「エクサベース AI」の試験導入を開始し、有用性を確認した後、2024年2月に対象を約700名へ拡大しました。文書要約や企画立案、アイデア出し、ソースコード生成など多様な用途で活用を進めた結果、対象者拡大後の5か月間で約5,000時間の業務削減を達成し、年間では10,000時間を超える削減を見込んでいます。

注目すべきは、削減できた時間分のコストと利用料を比較したところ、5か月連続で削減効果が利用料を上回った点です。同社は独自のダッシュボードで活用状況や効果を可視化し、基礎講習会や推進者研修、独自プロンプトの開発といった施策を組み合わせることで、月間利用者割合を約56%まで高めています。

出典:エクサウィザーズ「5か月連続で『工数削減効果>利用料』を達成。独自プロンプト開発や推進人材育成により、年10,000時間の削減を見込む(サッポロホールディングス株式会社)」(2024年)

このように、効果を測定する仕組みと、利用を定着させる施策を併せて進めることが、生成AIを実際の効率化につなげる鍵となります。なお「エクサベース AI」では、AIが利用シーンを自動で判別し、業務ごとの削減時間を集計・可視化する機能を備えています。導入から定着までを専門家が支援する体制も含めて、サービスの詳細はこちらからご確認いただけます。

セキュリティとガバナンスを整える

生成AIの本格導入をためらう理由として、機密情報の漏洩リスクが多く挙げられます。入力したデータがAIの学習に利用されないこと、データ処理が国内で完結すること、管理者が利用状況を把握できることなど、企業利用に必要な要件を満たす環境を選ぶことが前提となります。

加えて、どのような情報を入力してよいか、生成された内容をどう扱うかといった社内ガイドラインを定め、従業員に周知することも欠かせません。安全に使える環境とルールが整って初めて、現場は安心して活用を広げられます。

生成AI導入・活用でよくある課題と対応

導入を進める中で直面しやすい課題と、その対応の方向性を整理します。前掲の帝国データバンクの調査でも、企業が挙げる懸念として「情報の正確性」が最も多く、社員間で活用スキルに差が生じる「使いこなし格差の拡大」を挙げる企業も少なくありませんでした。実際に推進する立場では、次のような壁に突き当たりやすいといえます。

出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(2026年5月公表)

よくある課題 背景 対応の方向性
何に使えるか分からない 活用イメージが社内で共有されていない プロンプトのテンプレート提供、社内事例の共有
導入したが使われない 心理的ハードル、操作の不安 基礎研修、推進担当者の配置
効果が見えない 削減効果を測定していない 業務別の削減時間を可視化する仕組みの導入
情報漏洩が心配 セキュリティ要件への不安 国内処理・学習利用なしの環境選定、ガイドライン策定
出力内容が正確でない 生成AIの特性への理解不足 人による確認を前提とした業務設計

これらの課題は、いずれも「ツールの性能」よりも「導入の進め方」に起因するものが多いという点が特徴です。前章で述べたポイントを押さえることで、多くは事前に回避できます。

特に、出力内容の正確性については、生成AIが必ずしも正しい情報を出力するとは限らないという特性を理解したうえで、人が最終確認を行う業務設計が重要です。法務の契約レビューや医療の文書作成といった事例でも、最終的な判断は人が担う前提で運用されています。生成AIはあくまで作業を支援するものであり、判断を代替するものではないという位置づけを社内で共有しておくことが、トラブルの予防につながります。

まとめ

生成AIによる業務効率化は、文書作成や情報整理、調査といった定型的な知的業務を中心に、国内外の幅広い業界で具体的な成果が報告される段階に入っています。本記事で紹介した事例が示すように、金融ではナレッジ検索、カスタマーサービスでは応答時間の短縮、ヘルスケアでは文書作成、小売では商品開発のサイクル短縮というように、業界ごとに効果の出やすい領域があります。

一方で、導入すれば自動的に効果が出るわけではなく、効果を実感できる企業とそうでない企業の二極化も進んでいます。成果につなげるためには、効果が出やすい業務から始めること、利用を定着させる仕組みを整えること、削減効果を可視化すること、そしてセキュリティとガバナンスを確保することが重要です。

こうした取り組みを支える手段の一つが、法人向け生成AIサービス「エクサベース AI」です。GPT、Gemini、Claudeなど複数の言語モデルを用途に応じて使い分けられるほか、入力データをAIの学習に利用せず、データ処理を国内リージョンで完結させるなど、企業利用に必要なセキュリティ要件に対応しています。さらに、業務ごとの削減時間を自動で集計・可視化する機能や、導入から定着までを専門家が伴走する支援体制を備えており、本記事で挙げた成功のポイントを実践しやすい設計となっています。

自社のどの業務から生成AIを活用すべきか、どのように効果を測定すればよいかを具体的に検討したい場合は、エクサベース AIのサービスページもあわせてご確認ください。

サービス資料|国内シェア1位※の法人向け生成AI「exaBase AI」|
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※富士キメラ総研「2026 生成AI/AIエージェントで飛躍するAI市場総調査」<2024年度実績・サードパーティ対話型生成AIアプリケーション・ベンダーシェア>