アセスメントで隠れたDX人材を発掘。基幹業務の効率化プロジェクトにアサインし軌道に乗る
SocioFuture株式会社
業種 | 金融機関向けサービス |
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従業員数 | 2,303名(2023年1月時点) |
用途 | DX人材の発掘・育成 |
Overview
課題
- 開発部門・ユーザー部門間の業務要件に対する認識レベルのギャップにより、開発プロジェクトで手戻りが発生し、結果としてコストがかさむということが時々起こっていた。
- DX人材育成を始めるにあたり、現在位置を把握したかったが、社員がどの程度のDXスキルを持っているのか分からなかった。
- 最終的には各事業部でDXを自立的に推進できる組織を目指しており、システム開発部門からコールセンターのオペレーション部門まで組織全体のDXスキルを底上げしたい。
exaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ決め手
- アセスメントとeラーニングの両方を揃えており、現状の見える化と育成の両方ができることに魅力を感じた。
- イノベーションスキルの見える化もできるため、今は目に見えるデジタルスキルを持っていなくても、素養を持つ社員を見える化できる点も決め手となった。
exaBase DXアセスメント&ラーニングを受検・受講した効果や感想
- 総合職の500人にアセスメントを受検してもらい、現在位置の把握やDX人材の発掘ができた。
- 発掘したDX人材を基幹のATMのフルアウトソーシング事業に関わるプロジェクトにアサインし、順調に立ち上がっている。
- アセスメントの結果は、育成の効果検証や進捗確認、人材配置、育成対象の選抜にも活用予定。
- eラーニングコンテンツは、DXに関する最新トピックスの解説など、DXを面白いと感じるような学習コンテンツを通してリテラシーの醸成ができるため、受講した社員からも好評。
全国のATMの約6割の監視・保守業務を担うATMトータルソリューション企業であるSocioFuture株式会社。同社では、2022年初頭にDX推進本部を立ち上げました。
手探りでDXに取り組む中、社員のDXスキルの現在位置を把握した上で、いかにDX人材を育成していくかが喫緊の課題となっていました。そこで導入したのが、経済産業省が公開したデジタルスキル標準(DSS)を網羅・完全準拠したDX人材発掘・育成サービス「exaBase DXアセスメント&ラーニング」です。
2022年10月に総合職の500人が、DXの実践に必要な素養やスキルを計測・スコア化できる「アセスメント」を受検。DXスキルの高い人材を発掘し、同社の基幹であるATMのフルアウトソーシング事業に関わるプロジェクトにアサインし順調に立ち上がっています。今回は、同社でDX人材育成を主導されているDX推進本部 本部長の田中 聡氏とDX推進本部 DX企画部 部長の中村 邦幸氏に、サービス導入前の課題や導入の決め手、効果などについて伺いました。
現在位置を把握した上で、DX人材育成プログラムを整備したかった
田中: SocioFutureでは、2025年度までに現場のあらゆる事業部が自主的にDXに取り組むことができる状態を目指しています。
全社を挙げてDXを推進するためには、外部からの採用が難しい中、社員全員に変革の意識を高めてもらうことやDXプロジェクトを主導できる人材を育成することが必要だと考えたのですが、当時はITリテラシーに特化した育成プログラムを整備していませんでした。育成を始めるにあたっては、まずは社員がどの程度のスキルを持っているのか、現在位置の把握をしたかったのですが、それができていないことも課題でした。
また、開発部門とユーザー部門間でリテラシーギャップが起こっており、社内の開発プロジェクトで手戻りが発生し、コストがかさむということが時々起こっており、現場のデジタルスキルを高めることが喫緊の課題となっていました。
デジタルとイノベーティブスキルの見える化が導入の決め手
「exaBase DXアセスメント&ラーニング」導入の決め手は何でしたか?
中村: 他社のサービスはは、研修のみというパッケージが多い中で、exaBase DXアセスメント&ラーニングは、アセスメントとeラーニングの両方を揃えている点が魅力だと感じました。
田中: 我々が見据えているのは、システム開発部門からコールセンターのオペレーション部門まで、会社全体のスキルアップなので、デジタルスキルとイノベーティブスキルを分けて評価できるところも決め手となりました。今は目に見えるデジタルスキルを持っていなくても、素養を持つ社員を見える化できるというのは非常に魅力的だと感じました。
アセスメントで発掘したDX人材をプロジェクトにアサイン
中村: 総合職の500人に対してアセスメントを受検してもらったのですが、良い方の驚きが多かったです。「この人にこんなスキルがあったのか」という隠れたDX人材を発掘できたり、「やはりこの人はスキルが高かったな」という今まで曖昧だったものが確信に変わった例もありました。
田中: アセスメントの結果から、DXスキルが高いことが分かった社員2名を当社の事業の根幹のATMのフルアウトソーシングサービスに関わるプロジェクトのリーダーと補佐にアサインしました。ベースの理解があるので、無駄な打ち合わせが減り、かなり効率的になりました。スピード感がこれまでとは全く違います。
育成の効果検証や進捗確認、人材配置、育成対象の選抜にもアセスメントを活用
田中: 育成効果の検証や育成計画に対する進捗状況の把握に活用しています。当社では、各事業部のDXチームが自走できる状態に向けて、DX人材を4つのレベルに分け、徐々に高いレベルの人材を増やしていく計画をしています。eラーニングコンテンツや実践型の育成プログラムを受講してもらい、レベル別の人数がどう変化したかや学習効果はどうかということを、毎年実施予定のアセスメントで測定したいと考えています。
加えて、アセスメント結果を継続的な育成や人材配置にも活用していきたいと考えています。アセスメントを活用することで、前回からどのくらいスキルが伸びているのか、全社員一律の指標で、客観的な指標事実に基づいた判断ができるようになると考えています。
中村: 育成対象の選抜にもアセスメントを活用予定です。高いレベルのDX人材を増やしていくため、エクサウィザーズさんが提供する課題解決型の研修の導入を検討しています。その際にも、アセスメントでDXのポテンシャルがあることが分かった社員や、ラーニングコンテンツを受講してDXスキルを高めた社員の中から育成対象者を決めたいと考えています。
最新トピックスの解説などで「DXを楽しく、分かりやすく学べる」
中村: eラーニングコンテンツの中には、ChatGPTなどのDXに関連する最新トピックスをわかりやすく解説する動画もあります。単に知識を得るだけではなく、DXを面白いと感じるような学習コンテンツを通してリテラシーを身につけられることが魅力の1つだと思います。社員からも「DXを楽しく、分かりやすく学べる」と好意的な声をもらっています。
マネージャー陣からの要望も受け、より多くの社員にアセスメントやラーニングを展開していく
中村: 今は総合職の500人から、アセスメントの受検やeラーニングの受講を始めていますが、当社には派遣社員も含め3000人ほどの社員がいます。マネージャー陣からも受講していない社員に展開したいという声もあるので、まだ受けていないメンバーにも展開し、より多くのDX人材の発掘や全社員のスキルの底上げをしていきたいです。
田中: ATMからコールセンターに電話してくる方はご年配の方が多いです。コールセンターにはそうした意見がデータとして集まってきていますが、まだまだ活用しきれているとは言えない状態です。例えば、その声をAIで分析して、認知症の兆候を早期に発見できるようになるかもしれません。また、今はオペレーターの経験値で、振り込め詐欺を阻止しているケースもあるのですが、それもデータから検知できるようになる可能性もあります。
このようなソリューションを発想し実装していくには、現場の深い知識とDXスキルの両方を持ち合わせている必要があります。exaBase DXアセスメント&ラーニングのコンテンツや育成プログラムをフル活用して、DXスキルを習得し、生活基盤を支えるベンダーとしてさらに進化をしていきたいです。