お客様の声

マインドチェンジによって現場の停滞を打破
野村不動産投資顧問株式会社が実践したDX推進

野村不動産投資顧問株式会社

業種 不動産投資運用業・投資助言代理業
従業員数 166名(2023年4月時点)
用途 DX人材の育成
企画部 DX推進課長
富田 嘉文 氏
企画部 DX推進課 課長
池谷 暁裕 氏
企画部 DX推進課
岩﨑 友美 氏
※所属部署、役職などは取材当時

Overview

課題

  • デジタルで業務が効率化されることに現場も興味を持っていたものの、具体的な業務改革が迫ると、変革に対して拒否反応を示す人も多く、意識改革が大きな課題となっていた
  • その意識改革のために、「デジタルで現場の業務がどれだけ変わるか」を実感してもらうことが課題としてあった

exaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ決め手

  • デジタルスキルだけでなく、イノベーティブスキルの育成と評価が強調されていた点
  • eラーニングとDXアセスメントがセットとなっていた点
  • 具体的な点数評価が行え、外部(同業他社)比較も行える点

exaBase DXアセスメント&ラーニングを受検・受講した効果や感想

  • DXマインドの向上(デジタルBPRの社内応募の増加)
  • DXリテラシーの向上(DXアセスメント結果の大幅な向上)
  • 約450もの自社DXの実践提案(今後の当社DX戦略策定に向けたアイディア獲得)

野村不動産グループにおける資産運用部門として位置づけられる野村不動産投資顧問株式会社。

そのなかで設立されたのが、社内のDX推進・デジタル化を、基礎的なところから進めるDX推進課です。「デジタルで変革の架け橋になる」をパーパスとして掲げ、現場の社員がDXを進められるよう協働を行うDX推進課でしたが、立ち上げ当初は現場の理解が必ずしも得られたとはいえず、なかなか協働が進まなかったといいます。

DX推進には、デジタルによって業務の変革を進めるための「マインドチェンジ」こそが大事となります。今回はそうしたマインドチェンジを生み出した経緯や、導入前後の意識の変化について伺いました。

DX推進課の担当業務・ミッション

──まずは、皆様が所属されている企画部・DX推進課について、組織としての担当やミッションなどについてお聞かせください。

富田: DX推進課は、野村不動産グループの資産運用部門に属する野村不動産投資顧問の中でDXを所管する組織です。私たちは社内のDX推進・デジタル化を、基礎的なところから進めるという役割を担っています。

当社には、上場REIT、私募REIT、私募ファンドという大き3つのファンド形態があります。その中で、上場REITと私募REITのファンド運用システムという大きなERPシステムを導入することが、もともと当課の前身となるプロジェクトチームが組成されたきっかけでした。
そのため、最初はシステム管理がメイン業務だったのですが、システム管理が落ち着き、現在ではDX推進がメインとなっています。

私はもともと旧ファンドシステム管理を担当していたのですが、新たなファンド運用システム構築のタイミングでプロジェクトリーダーになりました。このプロジェクトチームの一部が現在のDX推進課となりました。

庶務・総務からメキメキとDXエンジニアの才能を発揮して、現在はDX系の専門人材として活躍しているメンバーや、不動産ファンドやデジタルコンサルにも強いメンバー、野村不動産グループ内のシステムに詳しく、システムエンジニアとしても技術力のあるメンバーで構成されています。

DX推進課のパーパスは、「社員みなさんがやりがいある仕事ができるように私たちがデジタルで変革の架け橋になる」。現場のみなさんがDXを進められるように協働することを役割として掲げています。

DX人材育成に取り組んでいる背景・経緯・方向性

──DX人材育成に取り組んでいる背景・経緯・方向性などについて教えてください。

富田: ファンド運用システム導入の時もそうでしたが、デジタルが苦手な人ほど「デジタルなんてツールでしょ」と言います。しかし、デジタルツールは興味のアンテナを広くしておかないとそもそも知ることができません。そして、知らないものは当然ながら使えません。どんなにいいデジタルツールを入れても、使いこなせなければ意味がありませんからね。
そういった意味からも、私たちは、業務をデジタルによって変革するDX推進には「マインドチェンジ」こそが大事であるという意識喚起を行っています。

──マインドチェンジのために、どのような取り組みをされているのでしょうか。

富田: 小さなものであれ変革を起こすためには、やはり現場と協働して、小さな成功体験を積み上げ、その成功を発信していくことが必要不可欠となります。そのうえで、現場の人たちに、自発的にデジタルで変革を行うことを考えてもらうためには、どうしたらいいか。そんな中で今回、エクサウィザーズさんに出会うことができました。

DX人材育成の課題

──DX人材育成を推進するにあたっての課題として、どんなものがありましたか?

富田: DX推進やデジタル化を進めるにあたっては、「総論賛成・各論沈黙」という状況が生まれることが多いですね。総論としては「デジタルいいね、やろうよ!やろうよ!」と言ってくれるのですが、「では、何を具体的に進めていきますか」とヒアリングすると、「そこはお任せします」といった感じで、各論は沈黙になりがちです。

現場の社員もデジタルで業務が効率化されることに興味を持っているものの、デジタル化に対してアレルギー反応を示す人も少なくありません。それを解消するには、「自分たちの業務がデジタルでこんなに変わるんだ!」と実感してもらうことが大事だと考えています。

エクサウィザーズのDX人材育成サービスを導入した目的と決め手

──弊社の育成サービスを導入していただいた決め手は何だったのでしょうか。

富田: デジタルスキルだけでなく、イノベーティブスキルの育成と評価をしっかり謳っていたところがやはり大きかったですね。eラーニングだけでなく、DXアセスメントとセットとなっていた点も決め手の一つです。

池谷: 当社のような事業会社(システム会社ではない会社)では、デジタルスキルに対しては、誰がどこまで習熟すべきか諸説ありますが、「イノベーションスキルが必要ですよね」って言われたら、誰もぐうの音も出ない(素直に肯定する)と思うんですよね。「自分はエンジニアじゃないから」という人も巻き込む考え方、仕組みに立脚していたところが、当社の取り組みの姿勢、結果にも繋がり、このサービスを選んでよかったと感じています。

取り組みの経緯

富田: 当課の中心的な取り組みの一つとして、デジタルBPR(Business Process Re-engineering・業務改革)があります。業務のAsIsとToBeを描いた上で、根本的な業務の見直しをかけ、RPA導入やExcelなど業務ファイルを改訂するという行程を、当課を中心に現場と協働することで、デジタル変革を促しています。

そんな中で、DX人材育成を重視したプログラムの必要性も感じ、今回のプログラムを企画立案しました。今回エクサウィザーズさんのeラーニングとDXアセスメントを組み込んだ当社のDX推進人材の育成プログラム(以下「DX人材育成プログラム」)には、必須設定をした37名に加え、やりたいと手を挙げてくれた53名の計90名が参加してくれました。気軽にeラーニングでDXが学べればと応募してくれた人もかなりいたと思います。

出典:野村不動産投資顧問株式会社「DX推進人材の育成プログラム実施概要」

DX人材育成プログラムは、「インプット・評価・アウトプット」という3つを柱に実施しました。インプットはエクサウィザーズさんのeラーニング、評価はエクサウィザーズさんのDXアセスメント、アウトプットはeラーニングで学んだことを自分の言葉でまとめてもらう作業です。

このアウトプットでは、eラーニングをまとめた要点整理に加えて、実践編として、学んだことをどう当社のDXとして活かすか、PowerPointで毎月提出してもらいましたが、これが受講者にとっては結構きつかったようです。計5回やったのですが、個別には「大変」という意見などもいろいろいただきました (笑)。

──PowerPointでまとめたことをアウトプットするのは、御社独自の施策だと思うのですが、どうして思いついたのか、何がきっかけだったのでしょうか。

富田: 事務局メンバーの中で、いろいろ議論をして生まれた施策です。インプットで学んだことをアウトプットで自分の言葉で話す。一般的に「人に教えることで、学びは大きくなる」と言われるので、今回は、アウトプットもセットにすることにしました。

さらにそのアウトプットを受講者間で共有することにしました。提出していない人には「まだ提出していませんよ」とみんなの前でお願いしましたし、良いアウトプットを受講者で投票しましょうという「共有」までやりました。みんなが見るとなれば半端なものを出せないので、頑張る人も多くなっていき、良いサイクルが回るようになりました。

施策に対する工夫について

──各部・各課の上長の方々にはどのようにご協力いただいたのですか。

富田: 今回はポスト課長と若手を必須参加にしました。ポスト課長を必須として巻き込んだ点は今回のこだわりの1つですね。

──ポスト課長の参加をマストにしたのはなぜでしょうか。また、他にこだわった点はありますか。

富田: 当社におけるポスト課長は現場業務にも通じ、組織運営も行うという意味で、デジタル変革の核となるポジションと考えました。業務多忙の中での対応依頼になりましたが、ポスト課長を必須参加とすることは、役員にも快諾頂けました。

さらに、アウトプットのテーマを「“当社における” DX実践提案」としたことも大きかったと思います。デジタル導入によって「自分の業務が」どう変わるか、という視点まで学びを身近にすることによって、受講者が一生懸命学ぶきっかけになってくれたのだと思います。

また、本育成プログラムにおける私たち事務局の裏命題として、本育成プログラムの後に、具体的な施策として「当社業務をどうデジタルで変革していくのか」の戦略を立てるための土台とすることを考えていました。
本育成プログラムが終了した10月からは、受講者の中から選抜した「DX推進ワークショップ」を組成し、当社のDX戦略策定に向けた議論を開始しています。

ちなみに、要点を整理したアウトプットでは、このような仕組みで計5回取りまとめを行いました。

出典:野村不動産投資顧問株式会社「DX推進人材の育成プログラム実施概要」
──上層部や社外コンサルだけの号令だけではなく、現場のことをよく理解している事務局メンバーが中心となって、この取り組みが推進されたことが成果につながっているのだなと感じました。

富田: 不動産業界は独特の文化があって、外からDX推進の波が入りづらい環境があると感じています。そういった意味でも、DX推進については、外部コンサルにお願いするだけではなく、やはり社内にデジタルスキルやイノベーションスキルを持った人材を集めて進めていかないと、なかなか難しいという印象を持っています。

こちらのスライドが、参加メンバーから提案されたDX実践提案(アウトプット)からいくつか抜粋したものになります。

出典:野村不動産投資顧問株式会社「DX推進人材の育成プログラム実施概要」

今回のプログラムでは、エクサウィザーズさんの人材設定を考慮した、当社独自の人材定義も行いました。本プログラムの実施前後では、その比率が大きく向上したことも成果と言えます。

出典:野村不動産投資顧問株式会社「DX推進人材の育成プログラム実施概要」

また、DXアセスメントは同業界・他業界との比較もできるので、それも活用しました。デジタルスキルが向上しましたが、それ以上に、主眼においていたイノベーティブスキルも大幅に向上し、「不動産業界以上、DX銘柄と同等」になったことが大きな成果と考えています。

出典:野村不動産投資顧問株式会社「DX推進人材の育成プログラム実施概要」
──弊社のeラーニングをお使いいただいた中で、他に工夫されたところはありますか。

岩﨑: 今回は、受講者とのコミュニケーションを行えるように、本プログラム専用のTeamsのチームを立ち上げました。その中では、さきほどお話したような、全員で資料や情報を共有し、アウトプットに投票をする機会や表彰する機会も作りました。

また、弊社ではRPAの導入を推進していますが、本プログラムも例外とせず、RPAを活用して事務局業務の効率化を行いました。90名となるとアウトプット等でも統制をとるのは大変です。例えば、アウトプットのファイル名を統一化したり、提出されたPowerPointをPDF化し、共用できるようにしたりするだけでも、手作業ではかなり手間がかかります。それらを全てRPA化し、自動で行えるようにしました。

アウトプットの投票では、作成者にとって非常に励みになるようなコメントを投票者よりたくさんもらいました。これも事務局が手作業で一人一人仕分けして個別にチャットで返すには非常に手間がかかります。それも全てRPA化することで、投票された方全員に個別にコメントを届けることができました。
コメントもただ「良かったです」だけではなく、かなり具体的なコメントが多かったため、こういったコメントが受講者にしっかり届くことにより「ちゃんと見てくれている」「認めてくれている」という実感に繋がり、受講者のモチベーションアップに寄与できたと思います。

池谷: その他、今回の受講者の中にはPowerPointをあまり使い慣れていない人もいたので、PowerPoint勉強会の実施等、デジタル活用の個別勉強会なども入れ込みました。

学習定着化で苦労したこと

──学習プログラムを進める上で、厳しかったことや苦労されたことはありましたか。

富田: 6ヶ月間という短期間ではあったのですが、それでもモチベーションを維持してもらうのは大変でしたね。
受講者の取組みに濃淡ありましたが、「濃」の人はしっかりとTeams中で出来たことを褒め、「淡」の人にはアウトプットが受講者間で共有されるということを糧に頑張ってもらいました。

アウトプット投票も最初は2名を投票することにしていたのですが、「選びたい人が多く、票数が足りない」との意見を頂き、途中から4名まで投票枠を増やし、受講者間で「褒めあえる」枠を増やしました。
また、全員の投票数で決める「全員投票賞」だけでなく、事務局がその出来・頑張りにスポットを当てたいものに対して、表彰をする「DX推進課賞」という枠も設定しました。

正直、受講者間でアウトプットを共有することに抵抗があった方もいたと思っています。実際に、受講者から「本当に共有するの?」という声も頂きました。ただ、共有することで、受講者間でお互いに励みになり、また共有するからこそお互いに学び褒めあえることにより、今回のプログラムの成果に繋がったのだと考えています。

DXアセスメントに対する反応

──DXアセスメントの結果に関しては、どんな反応があったのでしょうか。

富田: DXアセスメントの問題内容については、各自の意見があると思いますけど、結果には納得している人が多いのではないでしょうか。ただ、聞こえてくる限り全員が、時間的にも内容的にもきついと言っていました(笑)。きついからこそ、的確な結果が出ると思うので、そこが問題とは思っていませんが、一方で「どの分野のeラーニングを勉強したら、DXアセスメントの成績が伸びるのかが分かりづらい」という声は多くありましたので、そこのフォローは意識しました。

受講者全体の結果を見ると、DXアセスメントが上位の人はコツコツときちんと取り組んだ人が多く見受けられ、「ああ、なるほど」と納得したのが事務局の感想です。

裏話ですが、事務局のメンバーは当然受講者でもあるのですが、全員がDX推進課という看板を背負っていたので、他の受講者以上にプレッシャーを受け、DXアセスメントを受けていました。
結果、全員がDXアセスメントのかなり上位層になったので、課長としても、自分自身の結果も含め安心しました(笑)

導入後の効果

──今回、本プログラムで発掘した御社のDX実践提案を、その後のDX推進ワークショップで戦略化に向けてブラッシュアップしているとのことですが、本プログラム導入後、他に何かいい効果が生まれたといったことはありましたか。

富田: デジタルBPRという取組みをもともと進めていたことはお話しましたが、本プログラム終了後に当課と協働したい組織を全社募集した結果、10の組織から応募が来てくれたところですね。本プログラムによってDX推進のマインドチェンジがしっかり行われ、特に当社のDX実践提案も考えてもらっていたことが繋がってくれたものと考えています。
応募があった全ての組織と面談しましたが、前のめりに「こんなことをしたいんだ」「ここが問題だと思っているので協働したい」といった話をたくさん頂くことができました。
本プログラムでしっかりと、DX推進のマインドチェンジの火はつけられたと思うので、その火を消さないように、今後も各DX推進に取組んでいきたいと考えています。

受講した社内メンバーの声

──本プログラムの取り組みに対して、受講者からはどのような声をいただいていますか。

富田: アウトプットの詳細や共有することまでは、最初から言えていたわけではないので、「最初は騙されたと思ったけど、最終的に今回やって良かった」という声が多かったですね。何人かに聞いたのですが、「最終的には」すごく肯定的な声をいただきました。

今後のDX/AI人材育成や組織づくりと、実現したいこと

──今後、DX/AI人材育成の領域において、取り組まれようとされていることは何でしょうか。

富田: 先ほどよりお話しているDX推進ワークショップでの取り組みを中心として、当社のDX戦略・計画の策定に向けた取組みをしています。
「組織・人材」という観点では、eラーニングの中にもあった「全体を動かすためのトップ3割の引き上げ」をキーワードにワークショップ内でも色々な議論をしています。
今回のプログラムからも改めてわかりましたが、人材育成のプログラムが緩すぎると効果が低く忘れられてしまうし、厳しすぎると誰もついてきてくれない。「ちょうどいい塩梅」を攻めることが組織の学びを高める上では必要ですね(笑)。
一方、「業務」という観点では、アウトプットとして受講者からたくさんいただいた約450の実践提案をもとに協議をしています。

今後エクサウィザーズに期待すること

──今後エクサウィザーズに期待することとして、何がありますでしょうか?

富田: 今回活用したエクサウィザーズさんのサービスは標準が1年間だったと思いますが、ご相談し今回は6ヶ月にして頂きました。まだまだDXマインドが高くない組織では、1年という期間はあまりにも長いと感じる人が多いので、3ヶ月や6ヶ月で学べるものが標準としても多くあるといいと思っています。
あとはエクサウィザーズさんの強みであるAIについて、うまくコラボレーションできるような機会があるといいなと思いますので、継続してご相談させて頂ければと思います。