お客様の声

「デジタルシフトの加速と進化」を支える人材発掘に向けて、約7,000名でDXアセスメントを受検

イオン株式会社

業種 流通・小売業
従業員数 連結 約160,000名(2024年9月時点)
用途 DX人材の発掘
人材育成部 デジタル人材開発グループ リーダー
青野 真也 氏
※所属部署、役職などは取材当時

Overview

課題

  • 中期経営計画の成長戦略にて「デジタルシフトの加速と進化」を掲げ、デジタル人材の育成・発掘が急務に
  • 従業員の中からデジタル人材を発掘するために、スキルの可視化が必要だった

exaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ決め手

  • 経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が策定した「デジタルスキル標準」に完全準拠しており、準拠したスピードも早かった
  • DXリテラシー(知識)だけでなく、マインド・スタンスも可視化できる

exaBase DXアセスメント&ラーニングを受検・受講した効果や感想

  • DXに関する知識量が多くなくても、マインド・スタンスに適性がある人材の発掘ができるようになった。また、そういった人材が自社のDX推進に向いていることが判明した

イオン株式会社は、中期経営計画の成長戦略に「デジタルシフトの加速と進化」を掲げ、OMO(Online Merges with Offline)や共通デジタル基盤の整備に力を入れています。

同社では、エクサウィザーズが提供するDIA3.0を導入し、スキルやマインド・スタンスの可視化することで、デジタル人材の発掘を行っています。

今回は、同社の人材育成部 デジタル人材開発グループ リーダーの青野様にお話をうかがいました。

デジタル人材開発は「育成」「発掘」の2本柱

──デジタル人材育成を始めた背景をお聞かせください。

弊社は、2021〜2025年度中期経営計画の成長戦略にて「デジタルシフトの加速と進化」を掲げています。

これにより、「リアル店舗・物販中心」 から「店舗・デジタルが融合されたシームレスな体験」へ、お客さまを中心にテクノロジーを活用した新たなエコシステムを構築することを目指しています。

また、データ連携・基盤の構築により、 新たな収益モデルを創り上げると共に、データ・AIを活用して既存オペレーションを刷新する取り組みも加速させる必要があり、デジタル人材の育成が急務となっていました。

──デジタル人材開発は、どういった方針で行っているのでしょうか。

弊社ではデジタル人材を「IT・デジタルを活用して自社や顧客に価値提供できる人材」と定義しています。
そして、「育成」と「発掘」のテーマを掲げ、デジタル人材開発を行っています。

「育成」では、イオングループ内の企業内大学イオンビジネススクール(ABS)や学習管理システム(LMS)を活用した教育や、グループ公募制度をはじめとしたキャリア形成の選択肢を提供しています。
これは、商品や人事、経営管理など、デジタルを専門にしない職種も対象です。

また、育成だけでなく、デジタル人材の素養がある人材を発掘することも重要視しています。
デジタル人材の素養には、論理的思考力、数学的アプローチ、リーダーシップ、レジリエンスなど複数の項目が存在しているため、これらの素養を可視化するところから始めています。

「教育は最大の福祉」の考え方を踏まえた独自カリキュラム

──「育成」と「発掘」のワードが出てきましたが、まずは「育成」に関して、詳しく教えていただけますか?

「育成」に関して、弊社では3つの取り組みを行っています。

1つ目は、イオンビジネススクールです。

弊社には、「教育は最大の福祉」の考えがあります。
イオンの基本理念に明示されている「人間産業」とは、小売業が日々多くのお客さまに接し、人と人のつながりを基盤としていることを意味しています。そしてお客さまをはじめとするすべての人との関わりのなかで基本となるのは、人間を尊重し、つながりを大切にすること。一人ひとりの力がグループ成長の原動力となる思いを込めて、従業員の人材育成に注力しています。

この考えを体現したものとして、約60年前に誕生した、業界初の企業内大学であるオカダヤ・マネジメント・カレッジ(現在のイオンビジネススクール / Aeon Business School / ABS)があります。
ABSデジタルコースでは、職種・レベルごとにクラスを設置し、経産省とIPAが取りまとめたDX推進スキル標準をもとに、グループ人事方針に合わせて独自開発した、デジタル人材育成カリキュラムを行います。

デジタルコースの対象となるのは、プロダクトマネージャー、デジタルマーケティング、データサイエンティスト、社内SE、UI/UXデザイナー、エンジニア/プログラマの6職種です。Jr(ジュニア)、Mid(ミドル)、High(ハイ)の3レベルでクラスが設置されています。

2つ目はデジタルアカデミーです。
従業員のマインド変革とスキル習得を支援するべく、様々なイベントを開催しています。

特に、「DXラボ」と呼ばれるオンラインイベントは、社内外の有識者を招いた講座を配信しています。
昨年は、MicrosoftさまやGoogleさまにご登壇いただき、AIビジネスの最前線やビジネスインパクトについてお話しいただきました。
イオングループの従業員であれば、誰でも視聴が可能で、のべ1万5千人の従業員が視聴しています。

3つ目は、学習管理システム「Aeon Study Platform」通称「AStP」です。
「officeツール活用講座」や「イオンデジタルリテラシー講座」など、アップスキリング・リスキリングに向けた様々な学習コンテンツを提供しています。

DIA3.0でスキルやマインド・スタンスを可視化し、人材を発掘

──デジタル人材の「発掘」についてご教示いただけますか?

デジタル人材の発掘は、社内外で行っています。

社内での発掘では、エクサウィザーズのexaBase DXアセスメント&ラーニングの中にある「DIA3.0」を活用しています。実際に、小売、金融、サービス事業で約7,000名が受検しました。

「DIA3.0」では、DXに関する「思考特性」と「スキル」を分けて測定できます。
特に弊社で重要視しているのが、思考に適性はあるものの、まだスキルが足りない人材です。こういった人材を、「DIA3.0」で発掘し、積極的に教育の機会を提供しています。

他にも、職種タイプ別に能力要件などを定義した「Aeon DXtalent Check」という独自のチェックシートで、現状把握をしています。
これは「DIA3.0」と同様に、デジタルスキル標準に準拠しています。
セルフチェック後に、上司またはメンターによるダブルチェックを実施し、正確に人材の棚卸しができるよう努めています。

──exaBase DXアセスメント&ラーニングをご利用いただいているとのことですが、導入した決め手を教えてください。

経済産業省が発表したDX推進スキル標準に準拠して作られている点です。

exaBase DXアセスメント&ラーニングは、DXスキル標準が発表されるとすぐに、準拠した形でサービスに取り込んで展開されました。

サービスへの反映速度が、スピード感を持ってデジタル人材開発を進めたかった弊社とマッチしたと思います。

マインド・スタンスの可視化ができるのが強み

──exaBase DXアセスメント&ラーニングを受検・受講した効果や感想はいかがですか?

exaBase DXアセスメント&ラーニングの「DIA3.0」は、DXの知識だけでなく、マインドやスタンスも可視化できるのが強みだと感じました。

DXやデジタル・ITに関する知識は、ITパスポートや基本情報技術者試験などの資格で読み取れますが、マインドやスタンスを数値化するのは簡単ではありません。

弊社の責任者ICT推進担当とは、「直接的に資格の知識を現場で活かせるわけではないので、知識レベルが高いだけではデジタル人材の要件を満たしているとは言えないのでは」と議論を重ねてきました。

かといって、実務経験だけを見ると新たな人材発掘に苦戦するため、DIA3.0で見出せるマインドやスタンスも重要なファクターだと考えたのです。

弊社は育成の制度が充実していきつつあることもあり、知識量が多くなくても、デジタルに対するマインドやレジリエンス、価値創造に向けて必要であれば、臨機応変に意思決定できる人材は、イオンビジネススクールなどの研修を経て、優秀なデジタル人材へと育つ傾向にあります。

──順調にDX人材育成が進んでいるようにお見受けしますが、課題はあるのでしょうか?

マッキンゼー・アンド・カンパニーによると、2030年までに、日本は全労働者のうち3%がデジタル人材となる状況を目指すべき*だと言われています。

そのため、現在イオンビジネススクールに参加するような、モチベーションの高い人材だけでは、将来的にグループ内のデジタル人材は大幅に足りなくなってしまう懸念があります。

そこで、本人は気づいていなくても、デジタル人材に適した素養を持っている人材の発掘・育成に力を入れたいです。

また、デジタル人材育成に想いのある人材を増やすことや、教育投資を増やすことも必要だと思います。

出所:在日米国商工会議所、マッキンゼー・アンド・カンパニー(2021)「2030 日本デジタル改革」p117
──エクサウィザーズに期待することをお聞かせください。

タレントマネジメントの領域までできるようになるとありがたいですね。
例えば、アセスメントの結果を踏まえて、活躍人材に共通する特徴にタグをつけられると、より良いサービスになると思います。
活躍人材に共通する要素を見つけられたら、デジタル人材採用にも役立ちますね。

また、外国語対応も進めていただけると助かります。
英語版、中国語版を作れなくても、非日本語話者はポイント加算されるなど、多様な人材を平等にアセスメントできる仕組みができると嬉しいです。