2年間で社員のDXリテラシーレベルが向上。
社員1人ひとりのDXリテラシーレベルを可視化し、レベル毎の育成施策が成果に結びついた。
三菱HCキャピタル株式会社
業種 | リース |
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従業員数 | 連結 8,396名 単体 2,077名(2024年9月末時点) |
用途 | DX人材育成 |
Overview
課題
三菱HCキャピタルが掲げる「10年後のありたい姿」に近づくためには、DXの推進が極めて重要となっている。その強化や促進を図るため、全社員が「DX人材」となることを計画したが、社員一人ひとりのDXスキルのレベルを把握するには至っていない。そこで、DX人材の養成を進めるにあたり、社員のスキルの可視化・分析が必要と判断した。
exaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ決め手
エクサウィザーズのアセスメント「DIA(デジタルイノベーターアセスメント)」は、社員のスキルと素養をそれぞれにデジタル、イノベーティブの観点で可視化でき、他社・業界など社外との比較分析が可能。また、導入実績も豊富である。これらの点が三菱HCキャピタルのニーズにマッチしていると評価された。eラーニングは短時間のコンテンツとして章立てされており、空き時間に学習でき、継続性も高い。
2022年度にexaBase DXアセスメント&ラーニングを導入してから現在までの成果
DXリテラシーレベルを「DXビギナー」「DXスタンダード」「DXエキスパート」の3つに分類。「DXスタンダード」を標準レベルと定め、2025中計における目標値を「DXスタンダードレベル以上の人材比率80%以上」と設定した。2022年度の25%から、わずか2年で85%まで引き上げ、2025中計目標値を1年前倒して達成した。
成果を出すために行った取り組み
当社社員の75%を占めていた「DXビギナー」の底上げに注力し、exaBaseとUdemy Businessを活用し、DXリテラシーに必要なテーマをeラーニングで網羅的に学習。また、「DXスタンダード」や「DXエキスパート」にはスキル維持向上を目的に、Udemy Businessを中心としたeラーニングや公募型のワークショップを展開した。
DXを推進していく過程で見えてきた課題
この2年間で社員のDXリテラシー底上げを達成した。次のフェーズとして学習した知識・スキルを活用し、当社で活躍してもらうことが重要と考えている。当社の職務において必要なDX類型とスキルを特定し、社員1人ひとりが活躍できる機会を創出することが今後の課題。
2022年にexaBaseDXアセスメント&ラーニングを導入し、現在もDX人材育成に取り組む三菱HCキャピタル株式会社様に2回目のインタビューを行いました。
その後に得られた成果や、見つかった課題、そして今後強化していきたい点を伺いました。
社員のDXリテラシーレベルが向上
原田: 当社では、DIAの「スキル」と「ポテンシャル(素養)」のスコアを元に、DXリテラシーレベルを「DXビギナー」「DXスタンダード」「DXエキスパート」の3つに分類しています。
2022年度は、現状の社員のDXリテラシーレベルを可視化することを目的に、エクサウィザーズのDXアセスメントを導入し、全社員に受検してもらいました。
その結果をうけて、2025中計における目標値を「DXスタンダードレベル以上の人材比率80%以上」と設定し、様々な施策を打ち出してきました。
当社の現状として、DXビギナーが多くを占めていたことから、2022~2023年にかけては、DXリテラシーレベルの底上げに注力してきました。
その結果、2024年のアセスメント結果はDXスタンダード以上の比率が85%となり、2025中計目標値を1年前倒して達成することができました。
DXリテラシーの底上げに注力し、強化施策を絞ったことが成果に結びついた
櫻井:
2022年度~23年度はDXリテラシーの底上げをテーマに、取組みを打ち出しました。
2022年度は、「DXビギナー」「DXスタンダード」「DXエキスパート」毎に養成パターンを定め、素養・スキルの両面にアプローチできるeラーニングを展開しました。
eラーニングは、exaBaseとUdemy Businessを組み合わせ、半年間で約50時間の学習ができるプログラムです。
2023年度、2回目のDXアセスメントを実施した結果、2022年度より改善はしたものの、引き続き底上げが課題と分かりました。そこで、2023年度は、DXビギナーにより注力したDXビギナー向けプログラムを構築しました。約8ヶ月間の中で、導入セミナー・月次eラーニング・模擬試験で構成しました。模擬試験は実際のDXアセスメントを活用したもので、試験の傾向が分かるだけでなく自身の弱みを顕在化させ、過去の学習に立ち返ることを促しました。
原田: この2年間で、新しいことにチャレンジしたい、と考える社員が増えたように感じます。役員向けに年数回、テーマを変えながら「変革牽引研修」も実施しており、変革の必要性を経営メッセージとして発信されることも増えました。そのため、社内の意識変革が起きていることを実感しています。
村谷: 2022年度の段階では、DXに対して強い苦手意識を持っている社員もいましたが、現在は全社員が「DXに取り組まなければならない」という意識を持っていると思います。例えば、データ分析をテーマにしたワークショップ等、DXに関連する公募研修は、募集開始後直ぐに定員オーバーになるといった、社員の行動変容が起こっています。
村谷: Udemy Business導入当初は、DXリテラシー向上を目的としていましたが、2023年度からは自己啓発を目的としたツールとして拡充を行いました。ベネッセさんから毎月提供いただくニュースレターを当社内でも情報共有していますが、人気コンテンツのランキングを見てDXやビジネススキルなど、幅広く学習できるツールとして活用している社員が増えてきたと感じています。
DX推進人材の育成と活躍機会の創出に注力したい
原田: この2年間で全社員のDXリテラシーを底上げすることに注力してきて、2025中計目標値の達成を果たしました。次のフェーズとして、DXスキルや知識を活用し、活躍機会を創出していくことが課題と捉えています。
活躍機会の第一歩として、今年度は全部店参加型「生成AI活用コンテスト」の開催に向けて検討・準備を進めています。弊社は2024年3月にAzure OpenAI Serviceを導入しましたが、活用率が芳しくありません。そこで、全社員の生成AI活用促進を目的に、各部店より生成AI活用アイデアを募集し、審査を行うコンテストを開催することを企画しました。
浅見: 各部店からのアイデアエントリーにおいては、各部店の「DX推進リーダー(役職者)」がリード役となり、部店内での生成AI活用による生産性向上や付加価値創造を考えていただきます。今回のコンテストでのキーパーソンとなる「DX推進リーダー」向けに、ハンズオン形式の「生成AI講座」も実施しました。
原田: また、DXアセスメント結果で「DXエキスパート」の社員を中心とした、DXを牽引していく「DX推進人材」の活躍機会を提供していくことも重要と考えています。
そのためには、先ず、DX推進人材の認定基準の設定に着手しています。認定基準には、DIA3.0のスコアを取り入れることを検討しています。
村谷: 社員が自らのキャリアを自ら描き実現していくキャリアオーナーシップが重要であると考えています。DX推進人材に必要なスキルや経験を可視化することで、社員が「〇〇の部署で〇〇をしたい」と考えることができ、自ら手を挙げてチャレンジできる環境を作りたいと考えています。