お客様の声

DX推進の未来へ――エクサウィザーズと描く地域メディアの変革

株式会社静岡新聞社・静岡放送株式会社

業種 放送業・新聞業・出版業
従業員数 637名(2024年12月31日現在)
用途 新人研修, DX人材育成
経営戦略局 人事部 兼 経営企画部
竹内 大樹 氏

Overview

課題

  • DX推進に必要なスキルや知識を持つ人材を把握する術がなかった
  • オープンイノベーション企業へ投資を通じた新規事業創出を図ったが、「マインドセットの変化」は見られたものの、具体的な効果を十分に生み出せなかった
  • 部門間でDXへの意識やスキルにばらつきがあり、統一的な取り組みが困難だった

exaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ決め手

  • ユーザーインターフェースが秀逸で、DXスコアの可視化・細分化の粒度が自社とマッチした
  • 経産省、IPAに準拠したDXスキルのスコアリングが可能で、かつ他業種と比較が可能であったこと
  • 短期的な目標から、中長期での人事戦略に合わせたプランを提案してもらえた

exaBase DXアセスメント&ラーニングを受検・受講した効果や感想

  • 社員のDXスキルやマインドセットを可視化し課題を特定できた
  • 受講者から、自主的に学びたいというニーズが現れた
  • 「DIA」導入で状況が可視化されたことで、部長クラスの人材をはじめDX化に向けた意識変化が起きた

今回は、弊社の経営戦略局 人事部 兼 経営企画部 竹内様にお話をうかがいました。

DX推進の背景:新聞・放送業界の現状と変革の必要性

──DX推進の背景と実際に進める中でぶつかった課題についてお聞かせください。

弊社は、80年以上にわたり静岡県内の情報発信の中心として、地域社会に深く根差してきました。しかし、新聞購読者数の減少や広告収入の縮小、さらにはデジタル化の進展による視聴者のライフスタイルやメディア接触時間の変化などといった業界全体の構造的な課題が年々深刻化しており、弊社も例外ではありませんでした。現在の収益モデルが限界に近づく中、従来の業務の効率化に加え、新たな事業の柱を構築することが求められていました。
特に、地域密着型メディアとしての特性を活かしながら、デジタル技術を駆使して地域社会に貢献できるビジネスモデルを模索することが、弊社にとっての最重要課題となりました。新しい時代に即した事業モデルを描くためには、DX推進が不可欠だと認識しつつも、組織内には以下のような課題が存在していました。
まず、従業員のDXスキルの現状が把握できておらず、どの部門にどのような知識や能力が必要なのかが明確でありませんでした。さらに、部門間でのDXへの意識や取り組み姿勢に大きなばらつきがあり、全社的な推進力が不足していました。このような状態では、中期経営計画や事業計画の実行に必要な人材の確保や計画的な育成は困難であり、外部パートナーの専門的な支援を求めることが急務と考えました。

──外部サービスを利用しようと考えたきっかけについて教えていただけますか?

2018年、弊社はシリコンバレーのWiL社への投資を通じて、新規事業の創出や人材育成を目的とした取り組みを開始しました。当初は事業創出やグロースなマインドセットで学び会う組織風土の醸成を目指して取り組んでいましたが、目に見える成果は十分に得られておらず、変化は限定的だと感じていました。また、経営陣の間では「人材が不足しているのではないか」という漠然とした認識が共有されていましたが、その基準が明確ではなく、評価や育成計画の策定に課題を抱えていました。
こうした背景を受け、「まず自社のDX人材の現状を正確に把握することが必要だ」と判断し、経済産業省と情報処理推進機構の基準に基づいたスコアリングが可能なDIA(Digital Innovator Assessment)の活用を決定しました。
DX推進の第一歩として、現在の人材スキルをしっかり測定し、次のステップに繋げるための基準を明確にしたいと考えています。この取り組みを通じて、DX人材の定義を定め、人材育成計画の策定を具体的に進めていく方針です。

DX推進を支えるパートナー選定の決め手は「中長期視点」と「顧客目線」

──数あるサービスの中でexaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ理由を教えていただけますか?

DX推進の取り組みの一環として、エクサウィザーズをDX人材育成支援のパートナーとして選定しました。その決め手は、率直に言うと提案内容が非常に優れていたことです。初期の相談段階から、抽象的な課題を共に整理したり、中長期的な視点を持った提案を行ってくれたりした点を高く評価しました。特に、「短期的な成果を目指したスコアの可視化」と「中長期的な人材育成計画」を両立させた具体的な導入シナリオが、社内での導入承認を得る際に大きな後押しとなりました。
さらに、DIAのDXスコアを他業種と比較できる機能も魅力的でした。社員や組織のDXスキルの現在地を測ることが目的であったため、他業種との比較により、どの分野で優れているのか、逆にどの分野が不足しているのかを明確に把握することで、社内でのフィードバックや育成方針を考えやすくなり、育成計画の具体化がしやすくなると感じました。

──実際にDIAを活用してみての感想をお聞かせください。

DIAを実際に活用してみたところ、その優れたUIとスコアの可視化には特に驚きました。スコアリングの結果が非常に視覚的にわかりやすく、社員一人ひとりのスキルを即座に分析できるUIは、他のサービスにはない大きな特徴だと感じました。さらに、スコアが細分化されていることで、個々の課題に合わせた育成計画を立てる際に非常に役立ちました。
また、CSV形式でコンテンツの受講状況などをデータで細かく出力できる点も高く評価しています。これにより、社内でのデータ分析や施策のための加工が容易になり、データを活用したリマインドや改善策の検討が進めやすくなりました。例えば、コンテンツの最終受講日から1ヶ月以上間が空いている社員にメールでリマインドしたり、学習の進捗が早い社員には、スキルのスコアや経済産業省の人材要件ロールを見ながら、発展的な学習方法について個別に話をしたり、セグメントに合わせて適切なアクションを実行することができました。自身が育成にのみ専念できる環境ではなく、限られた時間で効果的な育成を実現したかったという背景もあり、「優先順位付け」と「具体的なアクションプランの設計」ができる環境を構築できたのは良かったと感じています。

──DIAを活用して得られた評価についてお聞かせください。

2024年8月にDIAを活用したアセスメントを実施し、DX推進の中心となる20~30代の社員52名のデジタルスキルを可視化しました。この取り組みを通じて、それまで不透明だった社員個々のデジタルスキルのレベルを明確に把握することができ、必要な教育内容が見えやすくなりました。その結果、短期的な育成目標として、スキルの底上げを目指す具体的な目標や育成計画を設定できました。弊社の事業や業務改善の領域で必要なスキルについて課題も見つかり、それを社内で認識・共有できたことも良い成果だと捉えています。
今後は、スコアの推移や学習成果を定期的に測定する仕組みを活用し、全社員のスキルアップをサポートしつつ、プロジェクトや事業などの成果向上に直結する人材育成の仕組みの構築を目指していこうと考えています。

──DIAの活用方法と実際の取り組みイメージについてお聞かせいただけますか?

DIAを活用したDX推進の取り組みでは、優先学習コンテンツの完了率や最新の受講状況といったデータを定期的に集計・分析し、事務局として注力すべきポイントを2週間ごとに見直しています。限られたリソースの中で最大限の効果を目指すため、2週間単位での分析と見直しの方法が、最も効果的かつ実践しやすいと感じています。

受講状況の管理と成果指標の可視化については、全社員が閲覧できる環境に本研修の成果目標はすべて公開し、本部長クラスや人事、経営企画の所属長には、個別の学習状況などを必要に応じて共有しています。後者については、受講率が低いことを問題視するのではなく、学習時間が確保できない理由を仮説立てて解決策を検討することが重要だと考えており、そのため上長と対象者の学習に対するモチベーションを高めるためのアプローチ方法を一緒に考え、方針を決めています。

図:受講者とのコミュニケーション

このような対応を通じて、学習進捗に関する数字を測定し、実際に取ったアクションがどれだけ成果に結びついたかを確認し、また次のアクションプランを検討して改善することが重要だと感じています。
このアプローチは、エクサウィザーズ主催のセミナーで他社の活用事例を学んだことがきっかけです。データに基づく段階的な施策を実行し、その効果を測定することで、研修活動の改善を着実に進めていくという姿勢を持ち続けています。

──エクサウィザーズやDIAの活用を検討されている企業様へコメントいただけないでしょうか?

DX戦略を掲げているものの、社員のDXスキルが把握できていなかったり、課題意識が漠然としている場合は、まずは「やってみる」という姿勢で、エクサウィザーズの「DIA」を使った現状把握に一歩を踏み出すことをお勧めします。DX推進が進まない大きな原因は、自社にどの程度のDX人材がいるのか、社員のデジタルスキルレベルを定量的に把握できていないことにあります。

「DIA」は、社員のデジタルスキルを可視化し、現状の定量的な把握や効率的な育成計画の作成、学習進捗や成果のデータ化を可能にするため、過去にe-learningやDX研修を導入しても効果が薄かった企業にとっても実効性の高いアプローチが期待できると思います。課題を明確にし、短期的な成果だけでなく、将来の成長を見据えた人材育成基盤を構築したい企業にとって、エクサウィザーズは非常に心強いパートナーだと感じます。今後の支援や取り組みにも大きな期待を寄せています。