お客様の声

「議事録作成業務の効率化 × 投資家の声の可視化」で、取締役会での議論をより一層濃密なものへと高度化

株式会社熊谷組

業種建設業
従業員数2,709名(2025年3月末時点)
用途IR業務の効率化・投資家の関心や質問動向の分析
  • 中道 竜輔
    経営戦略本部 経営企画部 IRグループ 副長
    中道 竜輔
  • 竹下 万琳
    経営戦略本部 経営企画部 IRグループ
    竹下 万琳

事例概要

課題

  • 議事録作成の過大な工数。投資家との面談が多い日には1日3~4件あり、議事録作成に1件あたり2時間程度要していた。
  • 海外ロードショー等の重要会議の議事録作成の負担。出席していないトップIR等の議事録作成は流れの把握が難しく、時間的・心理的な負荷が高かった。
  • 東京証券取引所からの要請を踏まえ取締役会へ投資家の関心事項や傾向分析の必要性を認識していたが、定性・定量両面から十分に伝達できていないと感じていた。

導入の決め手

  • 他社の書き起こしツールと比較し、圧倒的に書き起こしの精度が高い。
  • IR業務に特化した機能があり、分析やレポーティングなど、質の高いアウトプットが可能。
  • IT部門の厳しい情報セキュリティ基準をクリアし、トライアル中の迅速な対応が導入後の運用サポートの安心感に繋がった。
  • 他社のツールと大差ないコストで業務効率化が進み、経営層へのフィードバックの質も高められると判断できた。

効果

  • 1時間面談の議事録作成が約2時間から15〜30分へ短縮。
  • 投資家からの質問の分類・集計等、定性・定量データを分析・提示できるようになり、取締役会へのフィードバック資料の説得力が大きく向上した。
  • 取締役会から投資家の生の声を可視化し取締役会で共有することは有意義で非常に分かりやすいと高く評価された。
  • 議事録作成の時間削減により、開示資料のブラッシュアップにリソースを割くことで投資家から決算説明資料の充実を高く評価された。また、ファクトセットを用いた実質株主分析やターゲティング、IR戦略の検討など経営資産に還元する時間を新たに確保できた。

1898年の創業以来、土木・建築を核に再エネ・不動産・技術商品などの周辺事業を展開する建設サービス業の熊谷組。土木ではダム・トンネル等の大型工事、無人化施工技術による災害対応や独自技術をもって注力している床版取替などインフラ更新、建築では超高層ビルや中大規模木造建築を得意とし、再エネ等の循環型社会、生産性・安全性向上に対応した技術開発にも注力しています。社会から求められる建設サービス業の担い手として、いつの時代も社会課題と真摯に向き合い、目指す社会の実現に貢献しています。

多様な事業ポートフォリオをもつ同社のIRには、事業内容をわかりやすく伝えることはもちろん、投資家との対話を通じて得られた意見や要望を定量・定性の両面から経営陣に還元する役割が期待されています。一方で、限られた人員で多く投資家とのIRに対応するなか、議事録作成や情報整理に時間と負荷がかかり、投資家の関心や質問傾向を十分に経営に活かしきれないという課題がありました。

こうした状況を変えるべく導入されたのが、IR業務の支援ツール「exaBase IRアシスタント」です。同社がこのツールを通じて、どのようにIRのあり方を進化させているのか――導入の背景や活用方法、成果、今後の展望を、経営戦略本部 経営企画部 IRグループ 副長の中道 竜輔氏、同グループの竹下 万琳氏に伺いました。

年間130件超の議事録作成に少人数で対応する日々。印象論に留まっていた経営フィードバックの限界

導入前には、どのような課題があったのでしょうか。

中道氏:大きく2つで、1つ目は「議事録の作成に多くの時間を割いていたこと」、2つ目は「経営層へマーケットから求められている質の高いフィードバックができていないこと」が大きな課題でした。

IRグループでは、投資家との個別面談やトップIRなど多様な議事録の作成業務が多くあり、限られた人員で年間130件超に対応しています。投資家との個別面談が多い日には1日3〜4件で年間100件以上。これらの数の文字起こしを手作業で対応しており、1時間の面談議事録を起こすのに約2時間かかっていました。また、私が出席していない海外ロードショーなどトップIRの録音データから手起こしする際には、要所や流れの把握が難しいこともあって、実務的にも心理的にも負担感がありました。

加えて投資家との対話について、詳細な内容や質問の傾向などを、経営に十分にレポートできていないことも課題に感じていました。もともと投資家との対話内容を経営へフィードバックすることの重要性は認識しており、重要な示唆やよくいただく質問をピックアップして箇条書きレベルで共有していました。ただ、それだけでは情報共有に留まるため、傾向やインサイトを捉えたもっと踏み込んだ中身のある報告が必要と感じていましたが、手作業での集計や分析は現実的に難しく、そこまで手が回らないという状況でした。

他ツールを圧倒する文字起こし精度とIRの実務に特化した機能

導入の決め手を教えてください。

中道氏:マンパワーも限られ、面談件数も増加傾向であることから、最も重視したのは「議事録作成の精度」です。そのうえで「IR業務にフィットする機能」が揃っていること、運用サポートの安心感が決め手になりました。

まず、議事録作成については、文字起こしの精度が他ツールと比べて明らかに高いと感じました。 社内でも他部門でいくつか文字起こしツールは利用しているのですが、exaBase IRアシスタントの文字起こしの精度が卓越していて、間違いなく一番いい選択だったと思います。

また、他のツールにないIR業務に特化した機能が揃っていることも、大きな決め手になりました。書き起こしをもとにしたQ&A形式への自動整理、質問カテゴリ分け、傾向分析、グラフ化といった機能を活用し、取締役会に付議するフィードバック資料を作ることができ、「投資家の関心や質問傾向をどう経営に返すか」という、IRならではのニーズに応えられる期待がありました。

exaBase IRアシスタントの機能とプロセス図
(議事録、タグ付け、集計など、投資家傾向の分析まで行える機能を搭載)

さらに、サポート面では、トライアル期間中の疑問や質問への対応がスピーディかつ具体的で、導入後の運用面も安心できると感じました。価格面でも他社と大きな差はなく、精度や機能、サポートを含めた総合的な費用対効果が高いと判断しました。

情報セキュリティに関するIT部門の懸念を払拭し、既存ツールに対する優位性を示して導入へ

本サービスの導入はどのように進められたのでしょうか?何か障壁はありましたか?

中道氏:導入時のハードルは「情報セキュリティ面」と「既存ツールに加えての導入」の2点で、それぞれをクリアする形で進めました。

情報セキュリティ面では、スタンドアローンを重視する社内IT部門から、安全性や信頼性への懸念がありました。ただ、エクサウィザーズから当社のセキュリティチェックリストに対して明確な回答が得られたことで、比較的スムーズに承認を得ることができました。

一方で、社内にはすでに標準の音声認識ツールが入っていたため、「なぜ新しいツールが必要なのか」を示す必要がありました。

精度の高さを定量的に証明するのは難しかったのですが、同じ音源を既存ツールとIRアシスタントや同時にトライアルしていたツールで書き起こし、その結果を並べて比較しました。その際の誤変換の少なさや、IRのニーズに即した集計・分析といった付加価値を判断材料として提出しました。

あとは、既存ツールはIR用語を中心として精度が十分ではなく「自分で書き起こしたほうが早い」と感じ使用していませんでした。所管役員である本部長からも「精度を重視し業務効率化を図るべき」という後押しがあり、導入に至りました。

議事録作成時間を約4分の1に圧縮。投資家動向を可視化し、感覚的な報告から客観的で説得力のあるレポートへ昇華

導入後、どのように活用し、どのような成果が出ていますか。

中道氏:主な活用方法は「議事録作成」と「取締役会に付議するフィードバック資料の作成」の2つです。活用の成果として、議事録作成時間が大幅に削減されただけでなく、面談内容が量・質の両面で整理され、IRとしての質が一段上がったと感じています。

議事録作成については、面談後に音源をアップロードし、自動生成された議事録をベースに、必要な箇所だけを修正する運用に変わりました。IRが扱う特殊な専門用語や業界用語はAIが誤認識することがあるため、修正や辞書登録の作業で多少手間がかかりますが、それでも以前の方法に比べて4分の1近くまで時間短縮ができていると感じています。

竹下氏:実務では全文の書き起こしよりもQ&Aを活用することが多いのですが、要約の精度が高いため、私が直接参加していない会議でもどのように話が展開されていくのかというのがものすごく分かりやすく、面談や会議の全体像を短時間で把握できるようになりました。ゼロから手起こししていた頃と比べて、議事録作成に取りかかる際の心理的ハードルも大きく下がりました。

「取締役会向けのフィードバック資料作成」についてはいかがでしょうか?

中道氏:取締役会向けのフィードバック資料についても、exaBase IRアシスタント導入の効果を強く実感しています。

まとめにくい情報でも即時にグラフ化されるので、取締役会から「投資家の生の声を可視化し、取締役会で共有することは有意義で非常に分かりやすい」といったIRアシスタントを用いた傾向分析やビジュアル化について高い評価を受けています。

exaBase IRアシスタントで表示されるグラフのサンプルイメージ

具体的な活用については、自動生成されるQ&Aやカテゴリ分け、集計結果をベースに、投資家との対話状況を客観的なデータとして整理できるようになりました。面談で出た投資家からの質問が自動でQ&A化・カテゴリ分け・集計されることで、「どのテーマにどれくらい関心が集まっているのか」を定量的に示せるようになり、その数字に代表的なコメントや質問内容を組み合わせて説明する形に変わってきています。

これまでは「最近はこのテーマの質問が多い」といった、感覚的な表現が多かったのですが、今はテーマごとの質問件数や、その背景にある投資家の問題意識を具体的なQ&Aの抜粋とともに示すことができています。その結果、傾向や分析の説明が、主観的な見立てではなく、データやグラフ、コメントを組み合わせた説得力のある内容になりました。

さらに、議事録作成にかかっていた時間が削減された分、クォーターごとの実質株主の動きをファクトセットで分析したり、投資に前向きな発言があった投資家の保有推移を追うなど、いわゆるターゲティング的な業務に加え、東証要請や投資家が求める決算説明資料の充実にも時間を割けるようになり、それら開示資料について投資家から評価する旨の声をいただきました。

実務的な作業に追われるのではなく、次の一手を考え、情報を経営の資産に還元する充実したIR活動の時間を確保できるようになったことも、大きな成果だと感じています。

SR部門への横展開で株主・投資家との対話を一体化し更なる企業価値向上と人材育成に活用

今後、exaBase IRアシスタントを活用してどのような展開を考えていらっしゃいますか?

中道氏:これまでテキストベースであった議事録などがIRアシスタント上で、質問と回答が整理されたQ&Aとして蓄積され、テーマ別・時期別の傾向も追えるため、投資家の関心や当社の説明スタンスなど全体のイメージがしやすくなったと思います。これにより、例えば他部門や新任IR担当者の人材育成にも活用できるのではないかと考えています。

また、今後の展開としては、取締役会から「SRも含めて、同様のジャンル分けやカテゴリ分析をするように」と指示があり、SR部門にもアカウントを発行して傾向分析を実施するなど、他部門との横連携により、株主・投資家との対話を一体で把握できる仕組みづくりに取り組んでいます。

投資家面談や様々な会議体での声を収集分析して、IRの一層の充実を図るとともに、投資家の視点をより的確に経営判断へ反映していけるようにしていきたいと考えています。