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【2024年10月版】Google検索に挑む検索エンジンPerplexityとは?その特徴と魅力に迫る

AIを活用した画期的な検索エンジンとして登場したPerplexity。開発元はユニコーン企業として注目を集めるPerplexity AIです。この記事ではさまざまなニュースメディアから、Perplexityについて取り上げた記事を紹介していきます。

この記事を読むことで、Perplexityとは何か、どのような特徴があるのか、今後の戦略についてまとめて押さえることができます。ぜひ確認してみてください。

Perplexityとは

Perplexity(パープレキシティ)は、OpenAIやGoogle出身のメンバーによって開発された、大規模言語モデルを活用した革新的なAI検索エンジンです。従来のキーワード検索と違って自然な言葉で質問でき、AIが文脈を理解して回答を深掘りしてくれる点が大きな特徴ですが、同時に情報源も明示されるため、信頼性の高い情報を効率的に得ることができます。

このPerplexityを開発したのは、2022年に設立された米サンフランシスコのスタートアップ企業Perplexity AIです。Perplexity AIは、検索エンジンと生成AIの融合という新たな領域で、Googleなどの巨大テック企業に対抗する存在として注目を集めています。

今回はPerplexityにまつわる話題を、おさらいしていきます。

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創業1年で評価額750億円、Google一人勝ちの検索市場で戦うAI企業Perplexity

Googleの元AI研究者らによって設立されたPerplexity AI。創業から1年ほどのスタートアップ企業ですが、対話形式の検索エンジンPerplexity(Perplexity Copilot)や、独自の大規模言語モデル「pplx-7b-online」「pplx-70b-online」を次々と発表して注目を集めています。ビジネスインスピレーションメディアによると、設立からわずか1年で評価額は750億円に達したことがわかっています。

さらに、BRIDGEの記事によるとジェフ・ベゾス氏をはじめとする著名な出資者が参加しており、その資金でGoogleやMicrosoftに対抗するAIネイティブの検索エンジン製品を開発することを目指しているとのことです。同社の成長は著しく、検索エンジンの公開から1年で、Perplexityの月間アクティブ ユーザー数は1,000万人、モバイル ユーザー数100万人以上に達しています。

ここまで大きな注目を浴びる理由として、Googleのみが独占する検索市場にAIを活用し、インターネットの最新情報をユーザーが望む形に整え、質問に対する直接的な回答を実現しようとしている点であると考えられるでしょう。検索結果には必ず出典が明記されており、ChatGPTやGoogleなどと比較しても最新の状況を反映した答えが返ってきます。

同社の検索エンジンは多言語に対応しているため、日本語でも利用可能です。基本は無料で利用でき、iOS、Androidアプリでも気軽に使えることから、今後もますます使用するユーザーが増加すると考えられるでしょう。

参考:創業1年で評価額750億円、Google一人勝ちの検索市場で戦うAI企業Perplexity (AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア)
参考:Perplexityとは?使い方は?試して分かった「グーグル対抗」の検索エンジンの実力(ビジネスIT)
参考:Amazonのベゾス氏ら出資「AI ネイティブ検索」Perplexity AIーーAI検索戦争でGoogleとMicrosoftに対抗 – (BRIDGE)

Perplexity.aiの強みとなる最新情報の反映とソースの明示

Perplexity.aiの大きな特徴として、回答結果の情報ソースを必ず明示してくれるという点があります。利用率の高いChatGPTの場合、デフォルトの状態では、回答結果がどのソースから情報を持ってきているかがわからない、といった課題があります。しかし、Perplexity.aiは最新情報をリアルタイムで検索し、情報ソースがどのサイトであるのかを明示しているため、どこからデータを持ってきているか確認する作業が大幅に軽減されるでしょう。

ただし、何度も指示しないと日本語で答えてくれないなど、挙動の一部にはまだ改善の余地があります。そのため、ChatGPTのように日常的に使うためには、GoogleにPerplexity.aiを検索エンジンとして追加すれば、日本語検索にも十分に対応できるとYahoo!ニュースの記事からわかっています。

GPT 4oのリリースによって以前よりも改善傾向にはあるものの、間違った情報を生成してしまう「ハルシネーション問題」はまだすべて解決されていないことがわかっています。ビジネスシーンなどで活用するためには、情報の信憑性は大きな壁となっているため、Perplexity.aiの普及や機能改善からは今後も目が離せないトピックであるといえます。

参考:ある意味ChatGPT のAI超え、Perplexity.ai(パープレキシティ) 6つのポイント(神田敏晶) – エキスパート(Yahoo!ニュース)

SoundHoundとの提携によって動的で高度な応答可能なAIアシスタントを目指す

Perplexityは「業界との提携」にも積極的です。BRIDGEによると、2024年には「大手通信事業者とのグローバル展開計画」に加え、音声AIで業界をリードするSoundHoundとの提携が発表されたことがわかっています。SoundHoundは音声認識や音声AIソリューションをいち早く提供しており、SIriなどのような音声アシスタント開発にも関わっています。

同社はPerplexityのオンラインLLMを活用して、提供するChat AIが扱える質問の種類や複雑さを大幅に拡大し、その他の音声アシスタントに引けを取らないほどの性能向上を目指しています。SoundHoundの性能が向上し、ユーザー体験が向上するだけでなく、LLMを提供するPerplexityもより広い市場にアクセスできるようになると考えられるでしょう。

参考:AI検索エンジンのPerplexity、音声アシスタント「SoundHound」と提携——最新LLM対応で動的で高度な応答可能に(BRIDGE)

日本ではソフトバンクと企業向けプランを提携し拡大を図る

2024年4月に6,270万米ドルの追加資金を調達したPerplexity。わずか1年あまりでユニコーン企業となったことで、さらに注目を集めました。BRIDGEの記事によると、同社は日本やドイツでのグローバル展開にも積極的に取り組んでおり、日本では企業向けプランでソフトバンクとの提携が発表されたことがわかっています。

これによって企業向けプランを皮切りに、提携するソフトバンクの消費者や企業に販売していくことが予想されるでしょう。日本でいち早くiPhoneを取り入れ、国内での普及に寄与したソフトバンクの実績を考えると、日本におけるAIアシスタントの普及に関わる可能性も十分に考えられます。Perplexityは、iOSやAndoroidアプリでも利用できることからも、この提携はPerplexityの市場を大きく拡大することにつながるでしょう。

参考:AI検索エンジンのPerplexity、6,300万米ドルを調達しユニコーンに——日本ではソフトバンクと企業向けプラン営業展開(BRIDGE)

Googleに挑む男から見たAI市場の現在地と未来

「Googleに対抗する」というPerplexityの水平戦略について、同社のCEO、Aravind Srinivas氏は当初「正直、悩んだ」といいます。BRIDGEに掲載されたインタビュー内容によると、シリコンバレーの有力者たちが「業界専門の情報検索ツールを目指すべき」と垂直戦略をアドバイスするなか、著名ベンチャーキャピタリストのMarc Andreessen氏だけが「失敗が確定するわけじゃない」と、Srinivas氏を後押ししてくれたそうです。

これまで検索市場では、Googleの成功を受けて業界や領域に特化した検索エンジンが無数に出てきましたが、いずれも失敗に終わってきたという背景があります。現在も残り続ける検索エンジンはあるものの、検索対象領域を狭めると対象となるユーザーが少なく、市場規模も狭まるというジレンマもあります。

Googleの独占する検索市場を狙うAIサービスとして、課題となるのが今後のビジネスモデルとなるでしょう。AIサービス各社は高い出資額を集めているものの、その開発費は莫大であり、会社全体で見た利益の回収はまだ先だとされています。現在、多くのAIサービスは月額を支払うサブスクリプションに加えて、従量課金型のモデルが一般的です。Srinivas氏はOpen AIも一部部門を除けば、現在のサブスクリプション型で十分に利益を回収できていると予想はしているものの、必ずしもこれに限ったビジネスモデルだけではないと考えています。

過去のGAFAのように、利用ユーザーや件数などパフォーマンスベースに儲かる仕組みを見つけられると、競合の中でも違った勝ち筋を見出せる可能性があるでしょう。

参考:Googleに挑む男から見たAIの今と未来 PerplexityのAravind Srinivas氏(exaBase コミュニティ)

まとめ

Googleという検索業界の巨人に立ち向かうPerplexity AI。同社と、同社が開発する検索エンジンPerplexityは世界中の注目を集めています。日々急速な成長を続ける生成AIの分野で、同社やその製品がどのように発展・普及していくか目が離せません。挑戦を受けて立つGoogleや、Microsoftの動きにも要注目です。

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