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世界を狙う中国のWeb3 ニュースダイジェスト 5-6-2022

公開日
2022.05.09
更新日
2026.06.17
世界を狙う中国のWeb3 ニュースダイジェスト 5-6-2022

ここ最近、個人的に気になった世界のテクノロジー関連ニュースを集めました。この記事は、会員向けの限定公開記事です。未確認の情報や個人的見解を含みますので、一般公開はご遠慮くだい。





◎中国のブロックチェーンのオープンパーミッション型って何?

Web3で世界を先行しようとしている中国のBlockchain-based Service Network(BSN)はオープンでパーミッション型のブロックチェーンだという。実際には一般的なパブリック・ブロックチェーンや、パーミッション型のブロックチェーンとどう違うのだろう。

パブリック・ブロックチェーンは、完全に非中央集権の仕組みで、運営者は存在しない。だれの許可も必要なく、だれでも「参加」できる。この「参加」には2つの意味があって、単なる利用者としても参加できるし、ネットワークのメンテナンス側としての参加も可能。

メンテナンス作業とは、マイニングと呼ばれ、オンラインの台帳(ブロックチェーン)を維持するために暗号問題を解いて新しいブロックを追加するためのコンピューティングパワーを提供する。マイニングのインセンティブとして暗号通貨が用意されている。

 

一方で、パーミッション型のブロックチェーンは管理者が存在する中央集権型で、参加するには管理者の許可が必要。参加者はあらかじめ管理者によって許可された活動のみ実行できる。

 

例えば運送会社には、送り主、受取人、配達日、商品の個数などの情報にはアクセスできても、商品代金などの情報にはアクセスできないように設定できる。

 

パブリック・ブロックチェーンとパーミッション型ブロックチェーンの違いは、前者は参加者の身元以外の情報はすべて見ることができるのに対し、パーミッション型は身元を確認できるが、そのほかの情報は設定次第で見えたり見えなかったりできる。

 

中国BSNのオープンパーミッション型は、このパブリック型とパーミッション型の両方の機能を持たせたもの。

 

具体的には、パブリック型には運営者がいないが、パーミッション型は運営者がいて、オープンパーミッション型は運営者よりも制限された権限を持つ管理人がいる。

 

パブリック型はだれでも自由に参加できるが、パーミッション型は運営者の許可を得ての参加になる。オープンパーミッション型は、身元の確認さえ取れれば誰でも参加できる。

 

中国は、暗号通貨を全面禁止したことでWeb3のムーブメントからは脱落した感じがあったんだけど、形を変えてなんとかWeb3で世界をリードしようと必死になってる感じ。

https://medium.com/bsn-products-and-services/what-is-the-open-permissioned-blockchain-f242c5a8c727



◎「twitterは言論の自由に関する法律に準拠する」マスク氏

 

今後イーロン・マスク氏によるTwitterの舵取りがどうなるのかについて注目が集まっている。Twitterが再上場を目指すとか、政府、企業からは利用料を取る、とかいう報道があるけど、僕自身は表現の自由がどうなるのかに興味がある。

 

マスク氏は「私が言う『言論の自由』は、法律が定めるところと同じ意味」と言っている。

 

問題はそれをどうシステム的に実装するのか。いちいちすべてのツイートを目視するわけにもいかないだろうし。法律と言っても国ごとに違う。国ごとにシステムを微調整するのだろうか。それともアメリカの言論の自由の概念に統一されるのだろうか。

 

https://arstechnica.com/tech-policy/2022/04/elon-musk-twitters-next-owner-provides-his-definition-of-free-speech/



◎衛星写真から違法な森林伐採を事前に察知

 

アマゾンの森林を違法に伐採しているのを衛星写真から事前に察知するAI、を米スタンフォード大学の研究者が開発した。

 

森林伐採の現場を航空写真から見つけても、当局が山奥のその場所に出向くころには、もぬけの殻、ということが多いらしい。

 

同大のAIは、炭焼きストーブの所在地を衛星写真から判別する仕組み。伐採した木は炭にされてから持ち出されるので、炭焼きストーブを見つけ出せれば、当局がその場所に出向くころはまだ伐採の最中ということになるらしい。

 

https://www.marktechpost.com/2022/04/27/using-ai-stanford-researchers-develop-an-algorithm-to-detect-illegal-deforestation-with-the-help-of-satellite-images/

 

◎陸空両用の空飛ぶクルマ

空飛ぶクルマと言っても、実際はヘリコプターみないな形状のものが多いけど、スイスPalーV社のLibertyは、公道も走れるという。現在、ヨーロッパの当局との最終調整に入っており、2023年から生産できそうだという。

なんかちょんまげみたいで、ちょっとカッコ悪いけど。

 

https://www.assemblymag.com/articles/97012-pal-v-prepares-for-serial-production-of-worlds-first-flying-car






◎テック大手の無限成長の神話に陰り

 

世界経済の中で成長しているのはテック大手だけ。AIの正のスパイラル効果で、テック大手の成長は無限、とまで思われたけど、ここに来てその成長神話に懐疑的な意見が出始めた。

 

長引くコロナ禍でEC市場が活性化したり、リモートワークに合わせたDXを急ぐ企業が多かったので、テック大手の業績がよかったが、人々が町に出て買い物するようになったり、企業のDXが一巡したことから、テック大手のこれまでのような急速な成長は期待できないという意見が投資家の間で広がってきているという。

 

実際にApple、Microsoft、Google、Amazon、Facebook、Netflixの時価総額は今年になってから総額で2.2兆ドルも低下したという。

 

またFacebookやNetflixもユーザーが減少しており、人気株式アプリのRobinhoodは、人員削減したばかり。

 

https://180gadgets.com/an-unsteady-moment-for-tech/

 

◎米Snapが空飛ぶカメラ

アメリカで若者に人気SNS「SNAP」がポケットサイズのドローン型カメラを、アメリカとフランスで約230ドルで発売した。

 

自撮り棒の代わりにドローンで自分を撮影するというもの。おもしろいかも。でもドローンって都市部ではいろいろ飛行規制があるみたいだから、ヒット商品になるのかどうかは分からないけど。

https://www.cnbc.com/2022/04/28/snap-launches-a-230-flying-camera-called-pixy.html



◎2025年に宇宙ホテル開業計画

米アラバマ州の宇宙ベンチャーOrbital Assembly社は、人工重力のついた商用宇宙ステーションを2025年までに開業する計画を発表した。

 

28人のゲストが5つの部屋に宿泊できるといいう。

 

民間の宇宙ステーションの打ち上げを計画している企業は他にも、Blue Origin社、Nanoracks社、Northrop Grumman社などがある。

 

https://gizmodo.com/orbital-assembly-space-hotel-artificial-gravity-1848855049



◎ブエノスアイレス市が暗号通貨の納税を受付開始へ

 

アルゼンチンの首都ブエノスアイレス市のHoracio Rodriguez Lauretta市長が同市の行政サービスのブロックチェーン化を発表した。

 

ワクチン接種記録や、出生記録、医療情報、学歴などの個人情報を市のブロックチェーン上に乗せていくという。市民が自分のデータを自分でコントロールできる未来に向けたパイオニアを目指すという。

 

また納税も暗号通貨で受け付けるようにするという。

 

https://cointelegraph.com/news/buenos-aires-to-accept-crypto-for-tax-payments-launch-dlt-backed-citizen-profiles



◎超音波でキスの感覚を再現

 

VRゴーグルは、五感のうち視覚と聴覚で仮想空間を体験させるものだが、VRゴーグルに超音波を発生させる部品を取り付けることで、口の周辺への触覚を再現させることが可能になる。

 

米カーネギーメロン大学の研究者らのチームは、これまでの研究成果を動画にまとめて発表している。

 

VRゴーグルの下の部分に、超音波を発生させる隆起のついた板を装着。ゴーグル内の映像に合わせて唇に刺激を与えることで、ウォータークーラーで水を飲んだり、コーヒーカップからコーヒーをすすったりという感覚を再現できるという。口を開けて歯に超音波を当てることで、歯磨きをしている感覚にもなるという。

 

唇に刺激を与えれば、キスをしている感覚にもなるという。

 

https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10766345/You-KISS-metaverse-modified-VR-headset.html




◎Beepleが見るNFTアートの未来

 

1枚のアート作品が約90億円で落札されたNFTアーチストBeepleことMike Winlelmann氏が、NFTアートの未来について語っている。

 

「デジタルとフィジカルの融合がますます増えてくる」

「ダイナミックなNFTは、今後のアートの領域で巨大な存在になる」

「アートを不変のものと見るのではなく、生きていて、息づいていて、時間とともに変化するものとして鑑賞するようになる」

「鑑賞者が何か言ったり、何かしたりすると、その影響が作品に現れる。それがデジタルアートの真の可能性であり、これからそうした作品が次々と登場してくることだろう」

「NFTアートという1つのジャンルではなく、NFTアートの領域の中に幾つものコミュニティが誕生するだろう」

「作品が何を意味しているのかを想像するのではなく、作品と鑑賞者の間に感情的なつながりが生まれたり、作品の機能部分に焦点が当たるようになる」

スマートコントラクトなどの機能を使ってタイムカプセルを作る。「50年後にならないと見れない、100年後にならないと見れない、というような動画を仕込んでおく」

「地球の温度がここまで上昇すれば、再生が始まるビデオとか」そうした機能に焦点を当てたNFTなどを作っていきたい。

https://decrypt.co/98910/beeple-next-era-of-nfts-will-focus-on-emotional-connection-and-utility








◎暗号通貨ベンチャーが法務部増強中

 

米国の暗号通貨のベンチャーが弁護士の採用を強化している。暗号通貨取引所のKrakenは次の3ヶ月の間に30人の弁護士を採用する計画。「本当は60人雇いたい」と言う。

 

暗号通貨ベンチャーといえば以前は「法定通貨の仕組みをディスラプトする」って物騒なことを言ってたのに。社会の仕組みを転覆させるのではなく、社会の仕組みの中に入って行こうというフェーズに入ったもよう。

 

現行の社会システムに牙をむいている限り、暗号通貨に未来はないって思っていたので、暗号通貨への投資に関して意見を求められるとこれまでは「やめたほうがいい」って言ってたんだけど、これからは「社会の重要なインフラになる可能性があると思うよ」という意見に変えようと思う。

https://www.wsj.com/articles/crypto-industry-cant-hire-enough-lawyers-11650879002?mc_cid=39ac057487&mc_eid=4580156106




著者
湯川鶴章

AI新聞 編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。