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Appleの新型ゴーグルってどうなの ニュースダイジェスト2023-6-8

公開日
2023.06.08
更新日
2026.06.17
Appleの新型ゴーグルってどうなの ニュースダイジェスト2023-6-8

source:https://www.apple.com/newsroom/2023/06/introducing-apple-vision-pro/

以前からうわさになっていたゴーグル型の新デバイスApple Vision Proの発表があった。発売は2024年で、価格は3499ドル(約50万円)だ。(関連記事

当初からARグラス、VRグラスとうわさされていたが、Appleはこの新しいデバイスを「空間コンピューター」と定義。Meta(Facebook)が目指していたメタバース(仮想空間)とは異なるコンセプトとして打ち出している。

このためAppleの新デバイスで、下火になっているメタバースブームが再燃することはなさそう。製品発表のデモを見ても、iPhoneでできることを目の前の空間を全て使ってできるようになる、という感じで、あくまでもiPhoneの進化系の一つという感じだ。

◎Appleファンの多くは絶賛

私自身もデモ動画を見て欲しくなったが、50万円という価格にとまどっている。これまでのVRゴーグル同様に有効活用できずに放置してほこりを被らせるには、あまりに高額過ぎるからだ。

ただ僕の周りの人たちの中には絶賛している人が多い。

確かにすごくよさげなんだけど、あまりに多くの人が絶賛するので、あまのじゃくな自分としては少し懐疑的に思えてきた。
Appleのすごさは、トータルな使い勝手の完璧さを妥協しないことだと思う。僕はずっとiPhoneを使ってきたんだけど、一時期android端末を2度ほど持ったことがある。一台は廉価版、もう一台はそれなりの価格だった。廉価版は、一見ふつうのスマホなんだけど、使っているといろいろ不都合なことに気がついた。たとえばスクロールのぎこちなさ。iPhoneでは当たり前にサクサクスクロールできるので、廉価版Android端末はスクロールがカクカクして気持ちが悪かった。一方、それなりの価格のAndroid端末は最初こそよかったけど、発売して2年後ぐらいからOSバージョンアップへのメーカーの対応が遅れるようになった。メーカーとしては次々と買い換えてもらわないと儲けにつながらないので、既存ユーザーのことは2の次になるのだろう。


こんな感じでiPhoneでは当たり前のことが、Android端末では当たり前でないことに驚いた。iPhoneは確かに割高なんだけど、やはりいろいろな面で安心感がある。そのときそう思った。


なのでVision Proも同様に「当たり前に問題がない」のだろうと思う。でもやはり実際に触って、ある一定期間保有しないと「当たり前に問題がない」のかどうか分からないと思う。動画を見ただけでは分からないし、実際に発表会に参加して実機をその場で触ったという人でも、やはり分からないと思う。


ということで個人的には、現時点では「評価を保留」するしかない。


ただ多分「当たり前に問題ない」んだと思う。だから高額になっているんだろう。またVRと同一線上で考えずに、空間コンピューティングというコンセプトで新しい領域に進み出したのは大いに評価できる。しかし、本当にこの価格で市場を形成できるのだろうか。「iPhoneの次のデバイス」になるのだろうか。


Vision Proに関しては絶賛する意見が多いが、個人的には著名エンジニア、起業家、投資家、作家のTony Fedell氏のtweetが一番しっくりきた。


「Vision Proは技術的には最高傑作。でも3500ドルという価格、消費者向けアプリ、2時間しかもたないバッテリー。Jumped the Sharkだ」


Jumped the sharkとは、その昔、アメリカの人気長寿ドラマが落ち目になったとき、視聴率を回復させるために主人公にモーターボートでサメを飛び越えるという、話のすじに必要のないスタントをしたことからきた、スラング。世の中がWeb3だ、メタバースだ、生成AIだと騒いでいるのに、新しい話題を提供できなくて焦ったAppleが、十分な市場が期待できない段階にもかかわらず、焦って新製品を出してきた、というようなことを言ってるわけだ。


ちなみに同氏はAppleでiPodeやiPhoneの開発に携わった経歴もあるし、Metaがメタバースに夢中になっていたときも、冷静な視点で批判的なコメントを出していた人物だ。
https://twitter.com/tfadell/status/1666043995280097281?s=20

◎OpenAI対Googleは、半導体が理由でGoogle有利に!?


AIに不可欠の半導体GPUが不足していることからOpenAIの基盤モデルの進化に遅れが出そうな雲行きらしい。


一方でGoogleでtransformerを開発したチームの一人、Aidan Gomez氏の動画インタビューを見ていたら、Googleはtransformerに特化した半導体TPUの開発を早くから手がけていたらしく、transformerの進化に合わせてTPUも進化してきていて、効率よく計算できるようになっているらしい。


テック大手はどこもGPU不足に悩んで、transformerに特化した半導体の開発に乗り出している。ここにきてOpen AIにとって不利な戦いになってきたのかも

著者
湯川鶴章

AI新聞 編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。