1. トップ
  2. トレンド
  3. ChatGPT対Google検索 ニュースダイジェスト2022-12-17

ChatGPT対Google検索 ニュースダイジェスト2022-12-17

公開日
2022.12.16
更新日
2026.06.17
ChatGPT対Google検索 ニュースダイジェスト2022-12-17


◎ChatGPT対Google検索は、ChatGPTの勝利

投資家Jason Calicanis氏のポッドキャストで、ChatGPTとGoogle検索のどちらが優れているか検証していた。

同ポッドキャストのプロデューサーが「一番いいスキーリゾートはどこか」「今年卒業予定の高校生にとってオススメの大学の専攻は」などといった質問をChatGPT、Google検索のどちらか一方に投げかけ、その結果を読み上げて、番組ホストのCalicanis氏とMolly Wood氏にどちらのツールが出した結果かを当てさせるというもの。

Google検索は人間が書いた文章へのリンクを表示する。一方で、ChatGPTはAIが文章を書く。なのでChatGPTの文章は、Google検索の結果の文章よりもぎこちなくなるはず。そう考えたGalicanis氏、 Wood氏は、ぎこちない文章の方を、ChatGPTの文章だと答えた。

ところが結果は逆で、Google検索が見つけてきた文章の方がぎこちなかった。文章の元々のページにアクセスすると、広告収入を得る目的で素人が適当な文章を書いているサイトだった。ネット上には、フィリピンなどで低賃金で素人にもっともらしい文章を大量に書かせるコンテンツファーム(コンテンツ農場)と呼ばれるビジネスが存在する。コンテンツファームの文章は適当だが、SEO対策に力を入れているので、Google検索で上位に表示されることが多いようだ。Googleは検索アルゴリズムを頻繁に変更させることで、コンテンツファーム問題に対抗しようとしているようだが、コンテンツファームを検索上位から排除し切れていないようだ。

ChatGPTは、マイクロソフトから支援を受けているOpenAIが開発した言語モデル。「今後、ChatGPTがマイクロソフトの検索エンジンBINGに取り込まれる可能性があり、そうなればBINGがGoogle検索の対抗馬になるかもしれない」とCalicanis氏。GoogleはLAMDA2という巨大言語モデルを開発しており、Chat版のLAMDAの一般公開は可能なはず。同氏は「100日以内にGoogleがChat GPTに対抗するツールをリリースしない限り、検索の勢力図が変化する可能性がある」と指摘している。

BINGがGoogleに勝てるとは思わないが、Google一強時代が終わる可能性は確かにあるかも。

◎Sam Bankman Friedが殺害される可能性?!

大手仮想通貨取引所FTX崩壊スキャンダルは、落ち着くどころか、ますます大きな問題になりつつあるみたい。FTXの元CEOのSam BankmannFriedが逮捕されたが、連続起業家のJason Calicanis氏は、Fried氏が殺害される可能性がある、とポッドキャストで話している。

というのは今後、Fried氏からのお金の流れが解明される見通しだが、その中には同氏からお金を受け取ったことを公にされたくない人たちや、受け取った金額の返金を迫られる人たちが含まれる。犯罪で手にしたお金は、被害者に返金しないといけないからで、億単位の金額を受け取った人の中には、返金したくない人もいるはず。そういう人たちがFried氏を殺害する可能性があるという。

映画みたいな話だけど、政治経済の大物を巻き込んだジェフリー・エプスタインの少女売春組織のスキャンダルでも、エプスタインが独房の中で不審死を遂げている。それを思えば、今回のFTXスキャンダルでも同様のシナリオは十分に考えられる。

アメリカってこわいところだなあ。

◎プロンプトをマスターするコース誕生

これからのライターの仕事って、自分で一から文章を書くより、Chat GTPのような自動生成AIを使って、文章を書いてもらい、それを微調整するというようなものに変わっていくんだろうな。

デザイナーも、Stable Diffusionに幾つか絵を描いてもらい、その中で一番いいものを微調整するようになると思う。

そこで大事になってくるのが、自分の書きたいもののイメージをどうAIに伝えるかということ。テキストプロンプトが重要になってくるわけだ。

そう思ってたら、テキストプロンプトのコツを教えるコースが既に誕生していた。はやっ!

https://learnprompting.org/

◎2020年代はネットワーク国家の黎明期

Web3ってまだまだ金融関係の話が中心だけど、新たな非中央集権の社会制度を作ろうという動きも既に出てきている。僕自身、この動きに気づいたばかりで、その実態をまだつかめていないんだけど、これは結構大きな動きになろうとしているように思うなあ。

2010年代は、非中央集権の金融システムの黎明期だとすれば、2020年代は非中央集権の社会システムの黎明期になるんだと思う。

その社会システムが成熟していけば、やがてオンライン国家というものが登場する。米シリコンバレーは、そんな未来予想で盛り上がり始めている。

中心人物は「Network State(ネットワーク国家)」という本を書いたバラジ・スリニバサン氏。シリコンバレーの有力VCアンドリーセン・ホロウィッツのマーク・アンドリーセン氏が「今まで会った人物の中で、最も短時間にいろんなアイデアを生み出せる人物だ」と絶賛した人物だ。

スリニバサン氏によると、ネットワーク国家とは「1つのビジョンに非常に強く共感し合う人たちのオンラインコミュニティ。強く共感し合うので、一致団結して1つの行動を起こすことが可能。やがてクラウドファンディングで土地を購入することで領土を拡大し、最終的にはリアル国家も外交の対象と見なすようになる」と話している。

最初は同じビジョンに共感するオンラインコミュニティとして始まり、それがリアルな空間でも活動するようになり(DAO化)、そうしたコミュニティで同じビジョンを持つところが合体し始めて、ネットワーク国家に発展していくという。

1分で彼の主張を理解したいのなら、この動画。

会社や国家を変えたいのなら、声を上げるか辞めて別のところへ行くしかない。国家はなかなか変わらないので、インターネット上に国家のようなものを作ればいい、というのが彼の主張だ。

もう少し詳しく理解したいなら、10分ほどの動画がこれ。

「そんなことが可能なのか」。「ネットワーク国家を作ったほうがいいのか」。「儲かるのか」。この3つの問いに対して同氏は、「可能」、「いい」、「儲かる」、と答えている。

「可能なのか」の問いに対しては、「ビットコインをネットワーク国家の通貨と考えれば、世界で27番目に大きな経済圏を持つ国家ということになる」。

「ネットワーク国家を作った方がいい場合は」という問いに対しては、「所属しているリアル国家があまりにも酷い状態の人々と、先進国で新しいフロンティアを目指している人々」。

「儲かるのか」という問いに対しては、「中規模で密な関係性のコミュニティでの経済活動が最も活発になる」としている。

1時間以上のレクチャーの動画が何本かあるので、順番に見ていこうと思う。今のところこの動画が一番おすすめかな。

スリニバサン氏が最初にネットワーク国家の講演を行ったのは2013年らしいが、2、3ヶ月ほど前から、シリコンバレーはスリニバサン氏のネットワーク国家の話でかなり盛り上がっているもよう。

著者
湯川鶴章

AI新聞 編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『生成AIで心が折れた』(2025年)、『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。