日本語AIの実力は?ニュースダイジェスト 2023-7-4
◎日本語言語モデルの実力いかに
この記事の著者のシバタアキラさんによると、オープンソースの言語モデルの主なものは次の3つ。
- LLaMA Facebook改めMetaが公開した大規模言語モデル
- GPT-NeoX EleutherAIが開発した完全オープンソースなモデル
- Bloom フランス政府などが支援する研究者主導のモデル
よく耳にするのはLLaMAとBloomだけど、日本企業ではサイバーエージェントとrinnaがGPT-NeoXをベースに日本語モデルを開発したらしい。
◎小規模言語モデルに注目
大規模言語モデルは高性能なんだけど、利用コストが高いのが難点。そんな中、それなりの性能を出せる小規模モデルが登場し始めた。性能を上げるには大規模にするしかないと思われていたんだけど、ここにきてモデルの大きさと学習データのバランスをよくすれば、小規模でも性能を出せるということをGoogle傘下のDeepMindが発見した。それ以来、小規模モデルの研究開発が加速しているようだ。Googleも今年の開発者向け年次総会で小規模モデルBisonを発表してきた。Bisonは使用料金がGPT-4の1/15という。
また小規模言語モデルは、用途を絞れば家電機器などに搭載することも可能。いろいろと新しい製品が登場してきそうだ。https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/19/news163.html
◎Appleの注目ゴーグル、初期ロット縮小
大注目のARゴーグル、Apple Vision Pro。報道によると、部品の供給が難しいみたい。初期バージョンは約50万円とかなり高価で、その次のバージョンから安くなるという話だったけど、この感じなら庶民にとって手が出る価格になるまで、まだしばらくかかりそう。
メタバースの時代がいずれくるのは間違いないとは思うんだけど、ビジネスに大事なのはタイミング。出遅れるのはもってのほかだけど、多くのベンチャー、プロジェクトはタイミングが早すぎて失敗する。Facebookが社名をMetaに変えてメタバースの機運を高めたことに乗じて多くの企業が動いたが、ほとんどが失敗。次のチャンスはAppleのVision Proだとみんな考えているけど、リーズナブルな価格のバージョンが出るのはしばらく先。ということでメタバースのチャンスも少し先になりそう。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-03/RX7CS5T0G1KW01
◎ハーバード大にチャットボット教師
学生のChatGPT利用を認めるかどうかという議論がまだ続いているが、米ハーバード大ではチャットボット教師を導入するという報道があった。ほんとかなあ?単にチャットボットの利用を推奨するというだけじゃないのか。記事からは分からず。
記事によると、「9月から同大学のコンピューター科学の授業にチャットボットを教師として導入する」と書かれてはいる。ただそれが、人間の教師なしでチャットボットだけで授業するのか、教師は人間だけど、ChatGPTのようなチャットボットを使っていいよ、という話なのか。前者だとAIが人間の教師を代替するということで、結構大きな話。一方で、チャットAIを使っていいよという話なら、別に目新しい話でもない。多分、チャットボットの利用を推奨した、というだけの話なんじゃないかな。そんなこと言われなくても、学生は既にがんがん使ってると思うけどね。
ネット上の記事って、アクセスを高めるために盛った見出しをつけることがよくある。騙されないように気をつけないと。https://www.independent.co.uk/tech/harvard-chatbot-teacher-computer-science-b2363114.html
◎ChatGPTの利用率、日米で格差
日本の利用率が7%、米国の利用率51%らしい。ただアンケートに答えた人の数が日本人1万3412人、米国人402人という風に大きな開きがある。こんな調査結果ってある?統計的にどれだけ有効な結果なんだろう。まあでもその程度の格差があってもさほど不思議ではないかな。
https://www.m2ri.jp/release/detail.html
◎OpenAIが業務アシスタント開発?
正式発表ではないので、OpenAIの意図するところは分からないけど、ChatGPTってプラグインを使えば既に業務アシスタント的な動きをする。ので、OpenAIがそれを進化させたとしても、さほど不思議ではない。
OpenAIは、クライアント企業にAI機能を提供する黒子的存在で、クライアント企業とバッティングするような戦略は取らない。CEOのSam Altman氏がそう語っているインタビューを以前見かけたことがある。
ということは方針転換か、とも見えるんだけど、発表文じゃないので真意はつかめない。記者は、大袈裟なタイトルをつけたがるものだし。
まあこうした業務アシスタント、デジタル秘書のようなツールは、今回のAIブームの最終決戦地と見られているので、ここだけは参入しておきたいというところなのかもしれない。
業務アシスタントってどんなツールかというと、メールや文書執筆、スライド作成、会議の議事録作成などを支援してくれるツール。それってMicrosoftやGoogleが既に手がけている領域で、テック大手以外でも、無数のベンチャー企業が同様のツールで先行している。
そういう意味でOpenAIは後発だし、マーケティング力でテック大手に勝てるとは思えない。WindowsやGoogleのメール、ワープロ、表計算ツールにAIが乗ってくれば(既に米国では乗ってきているし、日本でもまもなく)OpenAIに勝ち目があるのだろうか。
ということでOpenAIが業務アシスタントの領域にさらに注力してきて、戦況は大きく変わらないように思う。なんでもできるという汎用AIのところはテック大手間の勝負になるし、それ以外の一般企業は、自分の領域に特化したAIツールを作るという競争で勝つしかない。特化型の領域はどれだけ独自のデータを持っているのかの勝負になるので、当然、その業界、領域で長年戦っている企業の方が強いに決まっている。戦い方は、先手必勝。それ以外ないと思う。