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AI営業ロープレ(ロールプレイング)とは|実施手順や効果を上げるポイントを解説

自社の営業力の底上げには、営業担当者への研修やトレーニングが欠かせません。実践的な強化の手法として効果を発揮するトレーニングの一つが、営業ロープレ(ロールプレイング)です。そして、昨今ではAIを用いた営業ロープレツールも登場しています。

この記事では、営業ロープレのメリットや実施手順、効果を上げるためのポイントを解説します。

営業ロープレとは

営業ロープレ(営業ロールプレイング)とは、営業に携わる人材を育成するトレーニング手法の一つです。通常、複数の営業担当者が集まり、それぞれ役割(ロール)を決め、営業の場面を実演(プレイング)することにより商談の練習をします。

想定される営業現場に応じた実践的なトレーニングとなるため、営業トーク力の向上や個々の営業パーソンが抱える課題の克服など、さまざまな効果が見込めるでしょう。

営業ロープレの目的

営業ロープレの目的は、第一に営業担当者のスキル向上にあります。トレーニングの機会を設けることにより個々のスキルを磨き、全社的な営業力の強化につながることが理想です。

通常、商談は単独でおこなうことが多く、同僚が営業をしている場面を見る機会はありません。ロープレにより、個々の営業パーソンのテクニックやスキルを共有することも目的の一つです。

上司や同僚からのフィードバックを受ける機会となるため、スキルのブラッシュアップにつながり、全社的な業績の向上につなげていけるでしょう。

営業ロープレが効果を発揮する場面

営業ロープレでトレーニングできる営業の場面(シーン)は多岐にわたります。一般的には以下の場面を想定して実施することが多いようです。

テレアポ 顧客との最初の接点である電話アポイント。対面もしくはリモートでの商談につなげるためのトークスクリプトの習得など
初回アポイント 初回のアポイントでは、自社の紹介をおこなうことが多い。パンフレットやスライド資料を使用した説明を練習する
ヒアリング 顧客の抱える課題をヒアリングする。顧客自身も言語化できていない潜在的な課題を掘り起こすためのトークを練習する
具体的な提案 顕在化された課題に対し、自社が解決に向けどのように役立てるのか、具体的な提案の練習をおこなう
クロージング 営業活動の最終段階で、価格交渉や納期を確定させる場面を想定した練習をおこなう
フォローアップ 契約後のアフターフォローを想定した練習をおこなう。顧客との関係強化を図り、アップセル・クロスセルにつなげる重要な要素となる

このように、さまざまな営業のシーンを想定してロープレを実施することで、総合的な営業力強化につなげていきます。

営業ロープレのメリット

営業ロープレを実施するメリットは、個々の営業パーソンをトレーニングすることにより、全社的な営業力と業績の向上が見込める点にあります。

以下、営業ロープレを実施するメリットについて確認していきましょう。

  • 営業スキルの向上につながる
  • 新人営業のトレーニングができる
  • 営業担当者の課題が発見できる
  • 自社商品やサービスの理解が進む
  • 営業ノウハウの共有が進む

営業スキルの向上につながる

ロープレの実施により反復練習の機会があることで、営業スキルの底上げが図れます。さまざまな顧客とのやり取りを想定したロープレにより、より実践的な対応力が身につくでしょう。

こうした訓練を重ねることで、個々の営業パーソンは自信を深め、説得力のある営業トークが展開できるようになります。

新人営業のトレーニングができる

営業ロープレは、新人のトレーニングにも効果を発揮します。新入社員や他部署から異動してきた営業経験のない人材を、いきなり商談の場に投入するのは無理があるものです。

先輩社員と顧客先に同行し実際の営業活動を見ることと並行して、ロープレによる練習をおこなえば、自身が単独で商談をするイメージがつかめます。事前に練習することで、スムーズな実践が可能になるでしょう。

営業担当者の課題が発見できる

普段は単独で活動することが多い営業パーソンにとって、ロープレは同僚や上司に自身の商談を見てもらう機会になります。いつもの商談を実演し、フィードバックをもらうことにより、自身の商談のよい点や改善すべき点が明確になります。

第三者の視点で指摘をもらうことによる、気づきや課題の発見は、商談の質の向上に大きく役立つでしょう。

自社商品やサービスの理解が進む

営業ロープレにより、顧客へ訴求する練習を繰り返せば、自社の商品やサービスに対する理解が深まる利点もあります。ロープレに臨むにあたって、想定される顧客役からの質問にスムーズに回答するためには、事前の学習が必要です。商品の機能やサービスのメリットを復習する機会になるでしょう。

これまで、商品やサービスに対する知識で曖昧だった部分を整理する機会になり、知識の定着が進むことで、自信を持って商談に臨めるようになります。

営業ノウハウの共有が進む

各営業担当者の営業ノウハウやスキルの共有を図る機会になる点も、営業ロープレのメリットです。同僚や上司の商談シーンを見ることで、自身に足りない点に気が付いたり、見習うべき点を知ることができます。

またロープレは、高い成果を上げ続ける営業パーソンのスキルやテクニックを学ぶ機会にもなります。成果につながるポイントを大勢で学ぶことで、全社的な営業力の底上げにつなげていけるでしょう。

営業ロープレの種類

営業ロープレはテーマや目的に応じて、さまざまな種類が存在します。一般的には複数名が集まって役割を決め実施することが多いですが、昨今ではAIツールを用いた営業ロープレを提供するサービスも出てきています。

ここでは以下、ロープレの手法・種類について確認していきましょう。

  • ケース型ロープレ
  • グループロープレ
  • ローテーション型ロープレ
  • 問題解決型ロープレ
  • モデリング型ロープレ
  • AIツールを用いたロープレ

ケース型ロープレ

ケース型ロープレは、特定のシチュエーションやケースを想定しおこなうロープレです。実際の営業現場で想定される状況を設定し、その状況に対応する力を養うトレーニングとしておこなわれます。

具体的なシーンとしては、新商品のプレゼンや条件交渉、クレームへの対応などが挙げられます。シビアでプレッシャーのかかる場面を想定して練習すれば、実際の場面でも物おじせず対応できるでしょう。

グループロープレ

グループロープレは複数の参加者でグループを作り、役割を決めておこないます。たとえば、新人が営業担当者役、先輩社員が顧客役、上司が評価役といった役割分担でロープレを進めていきます。

経験の浅い営業パーソンのトレーニングに向いており、先輩や上司とのコミュニケーションも活性化します。わからないことを気軽に質問しやすくなるなど、チーム内の風通しをよくする副次的な効果も期待できるでしょう。       

ローテーション型ロープレ

グループロープレ同様、営業役・顧客役・評価役の役割分担をおこないますが、ローテーション型では、その役割を順番に回していきます。複数の営業部門を持つような会社で、年次の近い担当者を集めて実施するようなケースに適しています。

交代で異なる役を演じることにより、顧客の視点を経験できたり、評価者として同僚の優れたスキルを発見したりと、さまざまな気づきが得られる点がメリットです。

問題解決型ロープレ

問題解決型ロープレは特定の問題を設定し、解決に向けた行動を実演する手法です。具体的なシナリオで顧客の抱える課題や要望を設定し、それを汲み取り解決策を提案するトレーニングとして効果を発揮します。

また、クレーム対応やシビアな交渉を想定したケースでは、その場の対応力を磨くことができます。営業パーソンの問題解決力が向上し、厳しい場面でも動じずに問題解決を図るタフさを養えるでしょう。

モデリング型ロープレ

常に高い成果を上げているハイパフォーマーを、モデルとしておこなうロープレです。成果につながるテクニックやスキル、営業パーソンとしての行動を学ぶことを目的としています。

具体的にはハイパフォーマーが普段心がけている顧客対応のポイントや、成功事例を再現してもらいます。成果につながる手法を、多くの人材が自身の営業活動に取り入れることにより、組織全体の営業力強化につなげていける手法です。

AIツールを用いたロープレ

ここまで解説してきたロープレは相手が必要なため、いつでも実施できるものではありません。しかし、昨今では技術の進歩により、AIを用いた営業ロープレツールも登場しています。

AI上で性別や年齢層を想定した顧客や、営業のシーンの設定が可能で、さまざまなロープレを体験可能です。練習相手がいなくても単独で実施できる点がメリットであり、フィードバック機能や管理機能を備えているサービスもあります。

営業ロープレの実施手順

営業ロープレはメンバーを集める必要があるため、事前に計画を練り準備しなければ、望むような成果が得られません。そうなると、多くの人が時間をムダにすることになります。有意義な時間にするためにも、以下に挙げる正しい実施手順を理解しておきましょう。

  • 形式とテーマを決める
  • 資料などの事前準備をおこなう
  • メンバーと役割分担を決める
  • ロープレの実施
  • フィードバックをおこない記録に残す

形式とテーマを決める

まずは課題を明確にして対象者の設定から、実施するロープレの種類、テーマなどロープレの詳細を設定しましょう。たとえば「顧客の潜在ニーズの引き出し」といったテーマを決め、具体的なシチュエーション、顧客の所属する部署や役職といったペルソナを綿密に設定します。

自社の営業事例のなかから類似するケースを洗い出し、アレンジすることでよりリアリティを持たせることができます。ロープレの時間設定も、実際の商談に費やせる現実的な所要時間で設定しましょう。

資料などの事前準備をおこなう

テーマや設定が確定したら、必要な資料の準備に取り掛かります。具体的なシーンの説明資料や、テーマに応じたトークスクリプトなど、ロープレで使用するツールを準備します。

ロープレの質を向上させるには、テーマから逸れることなく、可能な限りリアリティのある設定が必要です。その設定に沿ったシーンを、誰もが一目見ただけでイメージできるような資料を作りこみましょう。

また、実施規模にあわせた会場の確保や音響・撮影機材の手配なども、並行しておこないます。

メンバーと役割分担を決める

参加メンバーの選定やグループ分けも成果を左右する要素です。より効果を発揮できるよう、組み合わせは慎重に検討しなくてはなりません。参加メンバーとグループを決めたら、顧客役、営業役、評価役などの役割分担をあわせて決めましょう。

メンバーの人選が終わったら、関係各所に実施日時、実施目的、参加者等の情報を共有し、参加を促していきます。出席率を高めるには経営幹部を巻きこむなどして、会社全体の取り組みであることを意識させることが大切です。

ロープレの実施

当日は事前に決めたグループ分けや、役割分担に応じてロープレを実施します。欠席者が出た場合は、臨機応変にグループ編成を変更するなどの対処が必要です。

運営側も進行役・記録役・タイムキーパーなど役割分担をしておくと、スムーズに進めることができるでしょう。

フィードバックをおこない記録に残す

ロープレのセッションが終了したら、必ずフィードバックの機会を設けてください。評価役を中心に各メンバーから、よかった点や改善すべき点を丁寧にフィードバックします。時間的に余裕があればグループ内だけでなく、全体で共有する時間を設けましょう。

フィードバックはその場限りにするのではなく、必ず記録に残し、後日共有できるようにすればベストです。記録が蓄積していくことで貴重な資料となり、将来にわたる営業人材の育成に役立てることができます。

営業ロープレの効果を上げるポイント

営業ロープレを実施し効果を上げるには、さまざまな点に留意する必要があります。ここでは、そのポイントを以下7つ確認していきます。

  • 目的とゴールを明確にする
  • オブザーバーを入れ評価を受ける
  • トークスクリプトを活用する
  • 動画を撮影し振り返りをおこなう
  • 複数のパターンで実施する
  • 単発ではなく定期的に実施する
  • 高頻度で繰り返し実施する

目的とゴールを明確にする

営業ロープレを実施する際は、目的とゴールを明確にすることが欠かせません。まずは運営側が目的・ゴールを設定したうえで、参加者に共有し共通認識とします。

営業力の底上げが最終的な目的ですが、テーマ設定はもっと細分化されます。課題のヒアリング、商品・サービスの提案、クレーム対応など、営業活動で想定されるシーンを切り取ったものになるでしょう。それぞれのテーマごとに強化ポイント(目的)を設定し、どのレベルまで仕上げるかゴール(目標)を決めます。

オブザーバーを入れ評価を受ける

第三者の視点を入れることで、客観的なフィードバックが可能になります。各ロープレごとのフィードバックは、評価者を中心に参加メンバー間でおこないますが、可能であればオブザーバー的な立場で、ベテラン営業や幹部社員に参加してもらいフィードバックを受けましょう。

開催したロープレに対する総合的なフィードバックを依頼しておけば、参加者・運営スタッフ双方に対する貴重な意見をもらえます。ただ、オブザーバーにはロープレの意図や、目指すゴールは事前に共有しておきましょう。そうしなければ持論を展開するなど、テーマに沿わないフィードバックになってしまう恐れがあります。

トークスクリプトを活用する

営業ロープレには、トークスクリプトを積極的に活用することが重要です。トークスクリプトを活用すれば、型としての営業トークが身につきます。経験の少ない営業パーソンにとっては、まず型を覚えることでスムーズな習得が可能になるでしょう。

また成果を上げ続けるハイパフォーマーのスキルを盛り込んだ、トークスクリプトを活用するのもよい方法です。成果を出しやすいスキルとノウハウが共有でき、全体的なレベルアップにつながっていきます。

動画を撮影し振り返りをおこなう

営業ロープレを実施する際には、動画を撮影し振り返りに活用します。その場で視聴し確認できることが望ましいでしょう。参加者のなかには、フィードバックを素直に受け入れられない人もいます。

そうした人には、自身の商談を映像で見て、客観的な視点を持ってもらうとよいでしょう。映像を見ることにより、なぜそのようなフィードバックを受けるのか、理解しやすく納得度も高まります。改善点をより意識しやすくなるので、成長スピードもアップするでしょう。

複数のパターンで実施する

営業ロープレでは、1回の開催で複数のケースを用意しておく方が、高い効果を得られます。同じ設定で複数回おこなうよりも、違う設定をランダムに実施したほうが応用力が身につくからです。

営業の仕事は相手がいるものなので、同じシチュエーションを繰り返すことはまずありません。そのため応用力を高めておけば、あらゆる場面でも適切な対応ができるようになります。運営側はさまざまなシーンを想定し、受講者の引き出しを増やしていけるカリキュラムの設定をおこないましょう。

単発ではなく定期的に実施する

営業ロープレは単発でも実施する意義はありますが、やはり効果は薄いといわざるを得ません。トレーニング・訓練としての要素が強いため、効果を発揮するには定期的な実施が必要です。

「月に1回、第三水曜日に実施」など、定例的な運営が望ましいでしょう。1週間に1回など間を空けずに実施できれば理想的です。

高頻度で繰り返し実施する

先にも述べたとおり営業ロープレはトレーニング・訓練の要素があるため、定期的に実施すること、できれば高頻度で実施できることが理想です。しかし、対面のロープレでは練習相手が必要であり、その点がネックになり高頻度の実施が難しくなります。

短期間で成果を上げたいのであれば、AIによるロープレツールを導入することも検討してみてください。AIが相手なのでその都度メンバーを集めることなく、空いた時間にロープレを実施できます。営業ロープレを手軽にかつ高頻度でおこなう環境が整うため、効率的な営業力強化に寄与するでしょう。

まとめ

営業力強化は、業績向上に欠かせない要素であることは間違いありません。しかし昨今の人材不足により、十分な営業担当者を確保できる企業は限られるのではないでしょうか。

とはいえ、営業力強化は必須の課題であり、何らかの施策を講じない限りは改善は見込めません。企業の取り組みとして求められるのは、DXによる営業回りの付随業務の効率化とあわせ、既存の営業人材の営業力強化と、若手営業パーソンの早期戦力化に尽きるでしょう。

営業ロープレは、個々の営業パーソンのスキル向上に直結する施策です。しかし、実際は人的・時間的リソースが圧倒的に不足しており、思うように実施できないジレンマを抱えている企業がほとんどではないでしょうか。

その解決策となるのが、AIを用いた営業ロープレツールです。導入すれば、練習相手を確保することなく、AIを相手にさまざまなシチュエーション・顧客を想定したトレーニングが可能になります。こうした環境を整備することで、自社の営業人材のスキルを飛躍的に向上させられるでしょう。

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