10年後に向けた「DX人材の養成」。
アセスメントの評価軸が会社の考えとマッチ。
空き時間にサクサク進むeラーニングが決め手。
三菱HCキャピタル株式会社
業種 | リース |
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従業員数 | 8,972名(連結 2022年9月末現在) |
用途 | DX人材育成 |
Overview
課題
三菱HCキャピタルが掲げる「10年後のありたい姿」に近づくためには、DXの推進が極めて重要となっている。その強化や促進を図るため、全社員が「DX人材」となることを計画したが、社員一人ひとりのDXスキルのレベルを把握するには至っていない。そこで、DX人材の養成を進めるにあたり、社員のスキルの可視化・分析が必要と判断した。
exaBase DXアセスメント&ラーニングを選んだ決め手
エクサウィザーズのアセスメント「DIA(デジタルイノベーターアセスメント)」は、社員のスキルと素養をそれぞれにデジタル、イノベーティブの観点で可視化でき、他社・業界など社外との比較分析が可能。また、導入実績も豊富である。これらの点が三菱HCキャピタルのニーズにマッチしていると評価された。eラーニングは短時間のコンテンツとして章立てされており、空き時間に学習でき、継続性も高い。
exaBase DXアセスメント&ラーニングを受検・受講した感想
アセスメントの項目とラーニングコンテンツの内容がリンクしており、効果的かつ効率的にスキルアップが図れる点がよい。また、アセスメントの受検により自身の弱みを把握でき、eラーニングで重点的に学習できる。
2021年4月、三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社が合併し、三菱HCキャピタル株式会社として始動しました。「10年後のありたい姿」を「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」に定め、社会や事業環境における変化を先取りし、お客様、パートナーとともに三菱HCキャピタルにしかできない社会的課題の解決に挑戦しています。
今回は、エクサウィザーズが提供するexaBase DXアセスメント&ラーニングの全社導入を推進いただいた同社の人事部採用研修グループと企画部SX・DX企画室の皆様に、DX人材の育成を進めていくなかで、弊社のサービスをどのように活用いただいているのか、お話をうかがいました。
DX人材の養成を進めるうえで、現状における社員のDXレベルの可視化は大前提
押木: 当社は「10年後のありたい姿」として「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」を掲げています。その実現には、CX(全社的変革による顧客価値の創造)が必要であり、これらは「SX(Sustainability Transformation)」と「DX(Digital Transformation)」に「事業ポートフォリオ変革」を掛け合わせることで実現できると考えています。
これらのうち、DXについては、データ・デジタル技術を活用して当社のビジネスモデルを深化・多様化させることで、お客様に新たな価値を提供する、あるいは、ビジネスの質を向上させる土台になるものと考えています。したがって、当社が掲げる「10年後のありたい姿」に近づくためには、DXの推進が大変に重要な取り組みの一つと捉えています。
また、当社は2021年に誕生したばかりの会社です。旧両社ともに、DXの取り組みを手探りで行い、次のステップに踏み出そうとしていたところであり、DX推進やDX人材養成を進めやすかったと考えています。
竹島: 当社はDX推進に向けて2022年にDX全体戦略を整理しました。それは、土台づくりとしての人材の養成・獲得、DX体制の基盤構築、成果の創出に向けた攻めのDX体制構築、そして、新事業開発です。まずは土台づくりに着手し、順次、新たな営業スタイルを実現する「攻めのDX体制構築」や、データ・デジタル技術を活用した「新事業開発」に繋げていきたいと考えています。
これらをスピーディーに実施するため、社内の関係各部を4つのタスクフォースに組織し、部署横断的にDXへの取り組みを推進しています。
竹島: 喫緊の課題としては、いわゆるアナログ業務のデジタイゼーションや、複数事業があることによって生じるデータのサイロ化の改善です。将来的には、データやデジタル技術を活用した新たな営業スタイルにより、お客様に提案する内容ならびにその提供スピードを改善することで、CXを実現していきたいと考えています。
新事業開発という観点では、デザイン思考のようなイノベーティブな思考や発想ができる人材の養成が必要と考えています。新しいアイデアやお客様からいただいた声を新たなサービスとして形にできる人材の育成は重要です。チャレンジしやすい文化の醸成も不可欠と考えています。社内に新事業開発に意欲のある社員は多数いるため、そうした人たちがより活躍できるような環境を整えていきたいと考えています。
押木: 全社のDX戦略を進めるなかで、「DX人材の養成」が重要ということは、社内における共通認識となり、4つのタスクフォースの1つとなりました。
当社の「DX人材」とは「ステークホルダーのニーズを的確に捉え、データ・デジタルの力を活用しながらビジネスモデルを構築し、価値創造ができる人材」としています。
DX人材の養成を進めるうえで、現状の社員のDXスキルレベルの可視化は大前提と考えていたため、アセスメント実施の検討を行っていました。数社のアセスメントツールを比較検討するなかで、exaBase DXアセスメント&ラーニングを導入するに至りました。
2022年8月、エクサウィザーズさんのアセスメント「DIA」を全社員が受検し、結果を本人にフィードバックしました。現在は、エクサウィザーズさんのeラーニング、Udemy Businessさんのeラーニング、社内研修の3本立てで人材の養成に取り組んでいます。
当社は全社員がDX人材となることをめざしています。今回のアセスメント、eラーニングにおいても、全役職員が受検・受講しています。
押木: DIAの項目を参考に、カテゴリ分けを行いました。DIAでは「スキル」と「素養」がそれぞれに0~3の4段階でレベル分けされています。その結果をもとに、スキルと素養を掛け合わせたレベルで、「DXビギナー」「DXスタンダード」「DXエキスパート」の3つのカテゴリに分類、さらに、「DXスタンダード」を2つに分け、4つの養成パターンとしています。
三菱HCキャピタル様がDIAを基に定義した人材のレベル
①DXビギナー
アセスメントの結果、素養とスキルの両方がレベル0~1の人。
②DXスタンダード
アセスメントの結果、素養が2~3でスキルが0~1の人。もしくは、素養が0~1でスキルが2~3の人。もしくは、素養とスキルの両方が2の人。
③DXエキスパート
アセスメントの結果、素養が3で、スキルが2~3の人。もしくは、素養が2でスキルが3の人。
押木: アセスメントの結果からわかったことは大きく2つあります。一つは、ほとんどの社員が「DXビギナー」か「DXスタンダード」に該当し、「DXエキスパート」は思った以上に少ないということ。
もう一つは、素養とスキルの両方が低い社員も一定数いるということです。そういった社員がDX人材をめざすにあたり、どのような工夫が必要か。また、どうしたら自発的に素養やスキルの向上に取り組んでもらえるかは今後の課題と考えます。
デジタルだけではなくイノベーティブかどうかという観点もDXを推進する人材を測るうえでは非常に重要
押木: アセスメントについては、スキルと素養、デジタルとイノベーティブという4象限で可視化できることが魅力的に感じました。やはりDXはスキルだけでは十分ではなく、マインドの部分も大変に重要と考えています。
村谷: デジタルだけではなく、ビジネスの創出を図るためには、DXを推進する人材を測るうえで、イノベーティブか否かという観点が重要と考えており、当社のニーズにマッチしていました。
eラーニングについては、1つのコンテンツにおいて細かく章立てされていることで、短時間に分割して学習ができる、つまりは、いつでもどこでも自分のペースで学習できるという点がよかったと考えています。
また、アセスメントの項目と各eラーニングコンテンツが紐づいており、効率的かつ効果的にスキルアップが図れる点も魅力でした。
押木: デジタルに関する専門的で難しい設問がいくつもあったことから、あらためてそういったスキル・知識が足りていないと気づくことができました。
村谷: DIAのよかった点としては、4象限とその下に定義されている全18項目にまで落とし込んで自分のスキルレベルが詳細に可視化されたことです。社員からも「自分の強みや弱みが詳細項目として把握できたのでよかった」という声がありました。
DIAの結果をもとに、4つの養成パターン(養成パターン①~④)に応じた研修設計を行っています。特に弱みとして顕在化した項目に対する研修を提供することで、全体の底上げに繋がるため、最適な研修設計に向けた判断要素として活用できるようになっています。
村谷様: 4つの養成パターンに合わせて使い分けています。
「DXビギナー」の社員にはexaBase DXアセスメント&ラーニングとUdemy Businessの基礎的なコンテンツを網羅的に受講いただき、スキルおよび素養の底上げを図っています。
「DXスタンダード」、「DXエキスパート」とレベルが上がるにつれて、exaBase DXアセスメント&ラーニングの割合は減らし、Udemy Businessの応用的なコンテンツを増やしていく設計にしています。
※三菱HCキャピタル株式会社様は、DIAとUdemy Businessのレコメンド連携(2022年10月リリース)は未導入となります。DIAとUdemy Businessのレコメンド連携について、詳しくはこちらから。
アセスメントの項目とラーニングコンテンツの内容がリンク。弱みを重点的に改善。
村谷: アセスメントの項目とラーニングコンテンツの内容がリンクしている点が最もよかった部分です。アセスメントを受検して自身の強み、弱みが把握できることから、弱い部分のeラーニングを重点的に学習することで、効果的かつ効率的にそのスキルアップを図ることが可能です。
DXアセスメントを実施後、この半年間でeラーニングや研修を展開してきました。その効果測定として、2023年春ごろに2回目のアセスメントを実施予定です。その後も、年に1回の頻度などで定期的にアセスメントを実施することで、効果測定を継続的に行い、常に最新・最適な養成施策を展開していくことが、効果的な人材養成のためには重要と考えています。
押木: 嬉しいことに一部の部支店長が「毎朝の30分を使って習慣化していこう」と通常の業務に取り入れる工夫を始めてくれています。こうした取り組みが広がってほしいと考えており、われわれもこのような事例の紹介などをもってその働きかけを行っていく予定です。
押木: はい。学習というとハードルが高く感じる社員もいるかもしれませんが、習慣化することが大切と考えています。
例えば、朝に出社して、パソコンを立ち上げて、メールチェックをするというのは習慣化しているので、言われなくてもできると思います。それと同じで、出社後、30分でも15分でもeラーニングを受講することが習慣になると、苦にならずに継続できると考えています。
社員のDXと実務の距離を近づけたい。そのためにできる工夫と仕掛けを。
村谷: アセスメントにより現状が可視化され、「DXビギナー」が全体の7割~8割を占めていることがわかりました。そこで、2022年下期より、まずはDXビギナーをメインターゲットに、全社のスキルの底上げに注力して施策展開を進めています。
2023年度より、新会社としての中期経営計画(2025中計)が始まりますので、2025年度までの目標として、DXビギナーの割合を減らし、DXスタンダード、DXエキスパートを増やしていく計画です。そのためにも、2023年度は全社の底上げだけでなく、実務やDX類型により直結したプログラムを展開することで、活躍できる人材の養成、環境づくりを進めていく予定です。
押木: それにより、社員自身がDXプロジェクトを推進し、最終的には新規ビジネスの創出や変革が生まれていく。そして、長期的には、10年後のありたい姿や経営理念の実現に近づいていくと考えています。
個人的には“研修”はきっかけでしかないと思っており、その後、実務にどのように活用し、アウトプットに繋げるかは、私たちにはコントロールが難しい部分です。私たちにできることは、きっかけや気づきをいかに提供できるか、そのためにどのような工夫・仕掛けができるかです。いまは社員の実務とDXが少し離れたところにある状況と考えており、その距離を近づけていき、研修時に「あっ、これは実務に生かせそうだな」とイメージを持ってもらえるような工夫・仕掛けに取り組んでいきたいと考えています。
押木: DXは非常に変化の激しい領域ですので、エクサウィザーズさんには常に最先端を走っていただき、われわれにも最新の情報を共有いただきたいと思います。exaBase DXアセスメント&ラーニングもバージョンアップを続けていただきたいと思います。
村谷: いまでもセミナーなどを多く実施いただいておりますが、他社の最新事例などを引き続き教えてほしいです。また、DXスタンダード、DXエキスパートを増やすためのプログラムの検討・実施も進めていきたいので、アドバイスやご提案、伴走支援も継続的にお願いしたいと考えています。
竹島: DX人材の養成は長期的な取り組みになります。われわれもまだスタートしたばかりで、今後、ステージが変わるなかでやるべきことも変わると思いますので、その都度、全社の状況に応じた施策について、引き続きご相談させてください。
安藤: 私自身もアセスメントの結果に基づいてeラーニングを始めていますが、自分のレベルに合った内容を提供いただいていると感じています。世の中では日々新しいトレンドや先端技術が出てきていると思いますので、今後とも学習者目線での内容のアップデート、学習を進めやすい機能の拡充を期待しています。