
アイデア出しや議会答弁書の作成を効率化。
充実したサポートと研修で利用者数が半年間で1.5倍に
淡路市
- 業種
- 自治体
- 職員数
- 行政職 約400名
- 用途
- アイデア出し、文書作成・要約、議会答弁書作成時の下書き作成・情報収集・内容精査、技術的な困りごとの解決など
事例概要
課題・背景
・生成AIの活用によって職員の業務効率化を図り、市民サービスを向上させることを目指していた
・アイデア出しや文書作成、議会答弁書の作成に多くの時間がかかっていた
・複雑な技術的疑問を解決するために外部業者に頼ることがあり、手間と時間がかかっていた
『exaBase 生成AI for 自治体』を評価したポイント
・導入コストがリーズナブルであること
・専任の担当者が付いて伴走型の支援を受けられること
・充実した研修プログラムが用意され、職員がスムーズに活用できること
効果
・部署や職種を問わず、多くの職員がアイデア出しや文書作成に活用し、業務の効率化を実現した
・議会答弁書の作成において、情報収集や下書きの作成、過去の内容との整合性確認を効率化できた
・複雑な技術的疑問も迅速に解決できるようになった
・利用者数は、研修などを実施したことで半年間で1.5倍に増加した
兵庫県淡路島の北部から中部に位置する淡路市。世界最長の吊り橋である明石海峡大橋を通じて神戸市と繋がっており、自然豊かな土地でありながら京阪神の通勤圏内という立地条件も魅力の一つです。そんな淡路市が「exaBase 生成AI for 自治体」を導入したのは2023年8月。早い時期から生成AIへの取り組みを開始し、職員の業務効率化を実現しています。具体的に生成AIをどのように活用し、どのような成果が出ているのか、詳しいお話を淡路市 情報課の大迎 恵一氏に伺いました。
導入コストやサポートの手厚さ、セキュリティの面で「exaBase 生成AI for 自治体」を評価
Q:淡路市様では、他の自治体と比較して早い段階(2023年8月)で生成AIの試行利用を開始されました。いち早く生成AIの導入を考えた背景やきっかけをお教えください。
大迎氏:兵庫県庁が先行して生成AIの活用検証を進めており、良い評判も聞こえてきていたこともあり、我々も前向きに検討を始めました。調査を開始してから2ヶ月ほどで、導入まで至ったと記憶しています。生成AIのような革新的な技術を活用することが、職員の業務効率化につながり、結果として市民サービスの向上につながるという考えから、こうしたスピードでの検討を進めていきました。
Q:様々なサービスを検討する中で、「exaBase 生成AI for 自治体」のどのような点を評価いただいたのでしょうか。
大迎氏: 兵庫県庁が先行して導入していたことも安心材料になりましたが、他サービスと比べて、圧倒的にリーズナブルな価格だった点も評価が高かったポイントです。さらに、専任の担当者が付いてくれて伴走型の支援を受けられることもポイントとなりました。
また、行政専用ネットワークであるLGWANの環境に対応いただけたことも、セキュリティ面で非常に安心感がありました。
アイデア出しや文書作成、議会答弁書の作成等に活用し、大幅に業務時間を削減
Q:現在、主にどのような業務で生成AIを使われていて、どのような効果が出ているのでしょうか。
大迎氏: 部署や職種を問わず、多くの職員がアイデア出しや文書作成などに活用しています。これらの業務は多くの職員が関連する業務ですが、これまでは時間削減が難しかったのが課題でした。
「exaBase 生成AI for 自治体」の管理画面では、「業務生産性の向上量」として、カテゴリー別に削減時間が表示されるため、目安として確認しています。例えば、2024年11月の月間の実績で見てみると、文書作成では「5日分」の時間を削減できています。文書の要約ですと「645分」、アイデア出しでは「588分」の削減効果が出ていますね。
業務ごとの削減時間を自動で集計、可視化(ご利用イメージ)
実際に、職員からも「アイデア出しや文書作成などにかかっていた時間が短縮されて、生産性が上がった」という声を聞いています。
Q:議会答弁を作成する際にも生成AIを活用していらっしゃるとのこと。どのように使われているのでしょうか。
大迎氏: 議員からの質問に対しての回答を用意するのですが、情報収集、下書き作成、内容の精査、最終確認といった作成フローの中で、特に情報収集の前準備の段階と下書き作成で、生成AIを活用しています。また、過去の回答と整合性が取れているかの精査をする部分でも使っています。もちろん最終確認では、人間の力が必ず求められます。
準備段階で生成AIを使うことで、これまでよりも深い情報が得られたり、精度の高い下書きが作れたりします。そのため次のステップとして、それをさらに人間がブラッシュアップできる。以前よりも完成度を高められる状況になってきたと感じています。
Q:大迎様ご自身も生成AIを積極的に活用されているようですが、どのような用途で活用されていますか。
大迎氏: 私自身は、庁内のサーバーの管理も行なっているのですが、サーバーの設定手順などを考える際や技術的な問題を解決する際などに生成AIを活用しています。
これまでは、特に複雑な問題に関しては外部の業者に聞かなければならなかったこともありましたが、生成AIに質問をしながら手順を考えることで、結果的に手間や時間が省けるようになりました。
生成AIは、質問の意図を汲み取って、必要な情報を整理して分かりやすく教えてくれるので、ネット検索よりも素早く解決策に辿り着くことができ、自分自身の業務の効率化にも繋がっていると感じています。
研修による活用促進と個人アカウントが無制限に作れることで、利用者が大幅増
Q:より多くの職員の皆様に使ってもらうために、どのような工夫をされているのでしょうか。
大迎氏: 庁内のグループウェアに生成AIに関する情報を発信するページを設けており、ユーザーが自立して使えるようにするためのマニュアルや、エクサウィザーズから提供いただいた活用事例、プロンプト集などを公開しています。プロンプトの書き方など、こうした情報から学んでもらえればと思っています。
また、各部署から1名以上の利用者が、エクサウィザーズの研修を受けてもらっています。研修は基本的なことから実践的なことまで短時間で教えてもらえるので、職員からも好評です。
研修の最後には、受講者が普段担当する業務について生成AIを使ってアイデア等を考えてもらう時間を設けています。例えば、市民人権課では、消費生活センターにて法律相談をするのはどうかなど、アイデアの幅が広がりました。また、都市計画課においては、効率的な市営住宅の管理方法などの先進的な事例を教えてもらい、大きなヒントになったとのことでした。
また、「exaBase 生成AI for 自治体」は、個人アカウントを無制限に発行することができるので、新規採用による職員の増員があった際にも柔軟にアカウント発行をすることができています。
こうした研修を複数回開催したことや、柔軟なアカウント発行ができることで、利用者数は半年間で1.5倍に増えました。
最後に、「exaBase 生成AI for 自治体」の導入を検討している自治体に向けて、メッセージをお願いいたします。
大迎氏: 生成AIの導入は、様々な業務を効率化でき、その結果として市民サービスの向上につながると考えています。本市でも「exaBase 生成AI for 自治体」によって、職員の負担が一部軽減されたと感じています。また、エクサウィザーズによる充実したサポート体制と研修プログラムが用意されており、職員がスムーズに生成AIを活用できる環境が整っています。
セキュリティ対策でも、現場の課題に即した機能が実装されており、安心して運用することができるでしょう。自治体のDX推進に役立つツールとして、「exaBase 生成AI for 自治体」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。