お客様の声

約9,500万円相当の利益創出とコストセンター初の「社長賞」
中央コンピューターが「exaBase 生成AI」で成し遂げたバックオフィス改革
〜「真面目さゆえの非効率」を打ち破り、現場支援を加速させる組織への変革〜

中央コンピューター株式会社

業種
SIer(システム開発・インフラ構築・モダナイゼーション・デジタルソリューション等)
従業員数
約600名
山田 晋平 様
コーポレート本部 総務部長
山田 晋平 様

1968年の創業以来、半世紀以上にわたりSIerとして社会の発展をITの力で支え続けてきた中央コンピューター株式会社。同社は「未来志向の変革」を経営理念に掲げ、自社のDX推進にも積極的に取り組んでいます。

その中心を担うコーポレート本部(総務部)では、「業務量は増やすが、人は増やさない」という過酷なミッションの下、生成AIを活用した大規模なバックオフィス改革を断行。結果として、総務部全体で約15%の業務効率化を実現し、約9,500万円相当の利益創出に匹敵する成果を叩き出しました。この取り組みは高く評価され、これまで営業部門などの直接部門が選出されることが常だった中、バックオフィスとしては異例となる初の「社長表彰」を受賞しています。

本記事では、コーポレート本部 総務部長の山田様に、「真面目さゆえの非効率」という現場特有の課題を生成AIでいかに乗り越え、組織風土の変革にまで至ったのか、その舞台裏と独自の定着ノウハウを伺いました。

「業務量は増やすが、人は増やさない」――SIerのバックオフィスが直面した構造的課題

まずは、山田様のミッションと、生成AIの活用を検討し始めた当時の背景について教えてください。

私の最大のミッションは、コーポレート側から現場を支えることです。当社はITシステム開発を担うSIerであり、現場のメンバーが本来の価値創造や開発業務に集中できるよう、現場で発生する事務作業をバックオフィスで極力巻き取る必要がありました。

しかし、当時のバックオフィスは構造的な課題を抱えていました。東京、名古屋、大阪、高松と拠点が分散しているため業務がサイロ化しており、特定の担当者に業務が偏る「属人化」やメンバーの「高齢化」が進んでいました。

さらに、事業の成長に伴い現場の契約手続きなどの事務処理は急増していました。会社として現場の業務を巻き取る決断をしたものの、「業務量は増やすが、人は増やさない」という厳しい方針が下されました。限られた人員でいかに生産性を高めるか――この命題をクリアするために、2024年の初頭から全社的な業務見直しと生成AIの活用検討を本格化させました。

業務を見直す中で、具体的にどのような課題が見えてきたのでしょうか?

現場の業務データを分析してみると、「真面目さゆえの非効率」とも呼ぶべき事態が多発していることが分かりました。

例えば、複雑な業務をスピーディーにこなせる優秀な担当者が、社内外へのメールを1通送るのに1時間もかけていたのです。「失礼な言葉遣いになっていないか」「誤字脱字はないか」と過剰に気を遣い、何度も書き直していました。また、契約書のチェック業務でも、変更箇所だけを見ればいいはずが、「念のため」と文書全体をマーカーで塗りつぶして確認し、膨大な時間を消費していました。

真面目に仕事に向き合う姿勢はありがたいのですが、会社としてはもっとスマートさを追求しなければ、これ以上の業務の巻き取りは不可能でした。

ITのプロ集団が「exaBase 生成AI」を選んだ理由

数ある生成AIツールの中から、「exaBase 生成AI」を選定された決め手は何でしたか?

情報システム部門出身としての視点で、2024年5月に世の中にある様々なAIツールを徹底的に比較検討しました。その中で「exaBase 生成AI」を選んだ最大の理由は、ダントツで高いセキュリティと強固なガバナンス機能です。

企業利用が前提である以上、ログの記録やアクセス制御、予算管理が容易であることが必須でした。他社の事例を見ると、「あれは禁止、これは禁止」と分厚いガイドラインを作って運用しているケースがありますが、それでは社員は窮屈に感じて使わなくなってしまいます。exaBase 生成AIはシステム側で強固な制御(禁止ワードやアクセス制限など)ができるため、細かい社内ルールを作り込まずに済む点を高く評価しました。

また、以下の点も大きな決め手となりました。

  • 国内リージョンでのデータ処理:親会社の海外規制(EUの個人情報保護など)もクリアできる安心感。
  • マルチモデル対応:AI技術が日進月歩で進化する中、特定のAIモデルに依存せず、用途に合わせて最適なモデルを選べること。
  • RAGの精度の高さ:社内の複雑な規定類のPDFを読み込ませた際、最も的確な回答が返ってきたこと。
  • 伴走型サポート:一部の社員しか使われず、費用対効果が損なわれることを避けるための支援体制。

「言葉がおかしければAIのせい」。心理的ハードルを下げ、全社定着へ

導入後、社員の皆様にツールを定着させるためにどのような工夫をされましたか?

経営層向けには外部講師によるセミナーを実施し、トップダウンで意識統一を図りました。一方で、現場の社員に対しては「心理的ハードルを下げること」に注力しました。

先ほど申し上げた「メール1通に1時間かける」といった課題を解決するため、「文章作成は生成AIに任せる」というルールを敷きました。そして、送信するメールの末尾には「この文章は生成AIが作成しました。言葉遣いがおかしければ生成AIのせいです」という趣旨の断り書きを明記してよいことにしたのです。

これにより、過剰な気遣いや誤字脱字に対するストレスから解放され、年配の社員も含めて、日常的にAIを活用してくれるようになりました。「AIが代わりにメールを書いてくれるなら、私はもっと本来の業務に集中できます」という喜びの声も多く上がっています。

会議などの場でもユニークな使い方をされているそうですね。

はい。会議の際には資料を画面に映して説明するのではなく、「生成AIに議題を説明させるプロンプト」を実行して画面に表示させます。

そして、参加者同士で「AIに〇〇について聞いてみて」とプロンプトのリレーを行うのです。自分たちで直接質問しにくいことでも、AIを介すことで議論が活発になりますし、何より社員が実践的なAIの使い方を自然に学べる機会になっています。

約9,500万円の利益創出とバックオフィス初の「社長表彰」。組織にもたらした劇的な変化

導入後、どのような成果が現れましたか?

定量的な成果としては、総務部全体で約15%の業務効率化を実現しました。

事業成長により現場からの巻き取り業務が急増する中、人員を増やさずに対応できたことで、人件費抑制による約9,500万円相当の利益創出に匹敵する効果が確認できました。

この「業務手順の標準化」「手続きのデジタル化」「生成AIの利活用」を三位一体で推進した成果が高く評価され、なんとコストセンター(間接部門)としては初となる「社長表彰」を受賞したのです。報奨金で部門メンバー全員と美味しい食事に行き、喜びを分かち合いました。

【社長表彰 授賞理由(社長コメント)】
「大きく変化する業務環境を柔軟に受け入れ、バックオフィス業務の効率化推進と品質の高い業務遂行により、業務改革推進プロジェクトの各種施策における重要な役割を果たした。この挑戦と取り組みは全社の事業推進に貢献するものである。」

定性的な面や、社員の意識変化はいかがでしょうか?

当初は時間削減を主眼に置いていましたが、心理的負担の劇的な軽減という副次的な効果が非常に大きかったと感じています。

また、AIが業務を代替してくれたことで心と時間に余裕が生まれ、属人化していた業務を他のメンバーに教え合う文化が醸成されました。年配の社員にとっては、AIに的確な指示を出すことが「まるで後輩にOJTをしているような感覚」になり、楽しみながら使いこなしてくれています。当社が掲げる「人をたいせつに」する組織づくりに、生成AIが一役買っていると実感しています。

グローバル連携への応用から、開発プロセスの変革へ。生成AIが創る未来

今後の展望や、生成AIを活用して強化していきたい領域についてお聞かせください。

まずは、グローバル拠点とのコミュニケーション連携です。

当社は海外の協力会社に開発を発注することも多いのですが、送られてくる日本語のドキュメントの「てにおは」の修正や、日本企業特有の「お作法(フォーマット)」のチェックに日本側で多くの時間を割いています。今後は、この部分をexaBase 生成AIにチェック・修正させてから受け取る仕組みを構築し、グローバル連携の品質とスピードを向上させたいと考えています。

また、既にSIerとしての事業の根幹に関わる部分――システムの設計書作成や、テスト結果のエビデンスチェックなどにもAIが組み込まれつつあります。人間が目視で一つひとつ確認する時代は終わりを迎えつつあり、当社も危機感をもってこれに取組んでいるところです。

最後に、これから生成AIの導入を検討している企業や推進担当者へメッセージをお願いします。

導入して社員に日常的に使ってもらうためには、「ガチガチのルールで縛らないこと」が重要だと思います。分厚いガイドラインを作って「あれも禁止、これも禁止」としてしまうと、現場は窮屈に感じて誰も使ってくれません。だからこそ、システム側で強固なセキュリティとガバナンスを効かせられるツールを選び、現場の運用ルールは極力シンプルにすることが定着の鍵になります。また、生成AIは「魔法のツール」ではありません。思い通りの答えが返ってこない時は、AIに対して「私の意図と違うようだが、他に確認しておきたい質問はないか?」と逆質問させてみてください。対話を通じてお互いの認識をすり合わせていくのが上手な使い方です。

いきなり完璧な文章を作らせるのではなく、まずは「自分の頭の整理や壁打ち相手」として使い、方向性が見えたら最後にまとめさせる。AIを“新入社員”だと思ってOJTをするような感覚で指示を出すと、年配の社員も含めて楽しみながら活用が広がっていくはずです。ぜひ、現場の皆さんが「今日もAIをうまく“ツコたった(使ってやった)”」と実感できるような成功体験を、少しずつ増やしていってほしいと思います。