お客様の声

レポート要約を1分へ短縮し、問い合わせ工数を約80%軽減。エクサベース AIが支える現場改善

三菱製鋼株式会社

業種
鉄鋼業
従業員数
3,864人(連結)695人(単独)2026年3月末現在
用途
文書作成・要約、文書チェック、情報収集・調査・分析、多言語翻訳、業界レポートの要約、社内規程・技術標準に関する問い合わせ対応、社規の新旧対照表の作成、会議資料の確認、コード生成、等

事例概要

課題

・国内外の拠点間で発生する多言語での資料読み込みや翻訳作業の負担が大きかった
・社規の新旧対照表の作成など、手作業によるコピー&ペーストの業務負荷がかかっていた
・社員による生成AIの個人利用が広がっており、セキュリティが確保された環境が必要だった

導入の決め手

・入力データが外部学習に利用されないなど、機密情報を保護できる高いセキュリティ水準だった
・社員ごとの利用状況や利用目的を可視化できる管理機能が充実していた
・試験運用を通じて、議事録作成や翻訳、レポート作成、データ分析などで有用性を確認できた

効果

・1時間程度かかっていた業界レポートの読み込みと要約が、約1分で出力できるようになった
・RAG機能の活用により、社内規程などに関する問い合わせ対応の工数が体感で約80%軽減された
・手作業だった社規の新旧対照表の作成や取締役会資料のミスチェックをエクサベース AIに任せられるようになった

特殊鋼鋼材やばね、素形材、機器装置を中心に、素材から製品まで一貫したモノづくりで付加価値を提供する三菱製鋼株式会社。同社は、無形資産とデジタル技術を掛け合わせたDX推進を掲げる中で、国内4拠点・海外8拠点を結ぶ多言語資料の読解や翻訳、手作業による確認業務の負担軽減が課題となっていました。
そこで同社は、セキュリティ水準の高さや管理機能を評価し、「exaBase AI(以下エクサベース AI)」を導入。導入後は、業界レポートの要約にかかる時間が1時間から約1分へ短縮された他、社内規程に関する問い合わせ対応工数が体感で約80%軽減されるなど、各部門で業務効率化が進んでいます。

本インタビューでは、経営企画部 DX推進室 マネージャーの山村氏、営業企画部 マネージャーの松永氏、総務部 ガバナンスチームの濱松氏に、具体的な活用方法や使い続けている理由を伺いました。

2030年を見据えたDX推進。国内4拠点・海外8拠点の業務効率化に生成AIを活用

三菱製鋼様におけるDX戦略の基本方針と、目指す姿について教えてください。

山村氏:当社のDX戦略の基本方針は、データとデジタル技術を生かした事業改革に全社で取り組むことです。
当社はこれまで、特殊鋼鋼材やばね、素形材、機器装置など、モノづくりを中心とした事業を展開してきました。その中で培ってきたデータやノウハウ、人材といった無形資産に、最新のデジタル技術を掛け合わせることで、社会や顧客に対する新しい付加価値を生み出すことを目指しています。
具体的な取り組みとして、2021年にDX推進室を発足し、「2030年の目指す姿」を掲げて活動しています。2030年に向けたテーマは、「データ分析基盤整備」「DXビジネス人材の育成」「生成AIの活用」「情報セキュリティ対策の強化」の4つです。顧客対応や現場プロセスを変革し、顧客満足度の向上と企業価値の拡大につなげたいと考えています。

導入を検討した背景や、生成AIに期待していたことを教えてください。

山村氏:業務効率化や生産性向上を実現する新たな手段として、生成AIに可能性を感じたことが背景にあります。
当社は国内に4拠点、海外に8拠点を構えており、日常的に多言語でのやり取りが発生します。そのため、資料の読み込みや翻訳作業にかかる負担の軽減は、以前から重要な課題となっていました。

(写真左:営業企画部 マネージャー 松永氏、中:DX推進室 マネージャー 山村氏、右:総務部 濱松氏)

SFAやCRMといったツールの導入を行いましたが、GPT-4に関する報道や他社における大規模言語モデル(LLM)の活用事例を耳にする中で、DX推進室内でも生成AIの有用性について議論するようになりました。
専任担当者だけでなく、現場部門でも生成AIを活用すれば業務を効率化できるのではないか。議論の中でそうした期待が高まり、導入検討が進んでいきました。

検討開始から本格導入に至るまでの経緯をお聞かせください。

山村氏:試験運用を通じて実務での有用性を確認したうえで、安全な利用環境の整備に向けて全社への本格導入を決定しました。
まずDX推進室内の5名で、検索エンジンの延長として生成AIの試験運用を始めました。議事録作成や翻訳、レポート作成、データ分析などに活用したところ、業務効率化への確かな手応えがありました。
その後、2023年9月に社内のDX推進リーダー約70名を対象にアンケートを実施したところ、すでに20名が個人的に生成AIを利用していることがわかったのです。多くの社員が有用性を実感している一方で、個人利用が広がっている。そこで、会社としてセキュリティが確保された環境を提供する必要があると判断しました。
この結果を受け、全社的に生成AIを活用する方針を固め、経営会議での承認を経て、2023年10月にエクサベース AIの本格導入に至りました。

機密情報を扱える安全性と管理機能が導入を後押し。RAG機能の追加で社内浸透が加速

複数の生成AIサービスを比較検討されたと伺っています。最終的にエクサベース AIを選定された決め手をお聞かせください。

山村氏:Webで情報収集を行い、汎用的な生成AIサービスも含めて5社程度を比較検討しました。その中でエクサベース AIを選定した最大の決め手は、セキュリティ水準の高さと管理機能の充実度です。
法人利用では、入力したデータが外部に漏えいしない安全な環境であることが不可欠でした。その点、エクサベース AIは機密情報を保護する仕組みが確保されており、安心して導入できると判断しました。
また、具体的な運用を見据えたときに、管理者向けの機能が充実していたことも選定理由の1つです。ダッシュボードを通じて社員ごとの利用状況や利用目的を可視化し、効率的にモニタリングできるため、導入後も管理しやすいと考えました。現在も、管理機能を通じて削減時間などを把握しながら、安全かつ効果的な運用を続けられています。この管理のしやすさも、継続的な利活用を支える要素となっています。

導入後は、どのように社内で利用者を広げていったのでしょうか?

山村氏:まずは、利用を希望する社員に自ら手を挙げてもらう形式でアカウントを付与していきました。
利用者拡大の転機となったのは、RAG機能の追加です。自社の独自データや社内規程を参照した回答生成が可能になったことで、一般的な対話にとどまらず、自社業務に直結する情報検索にも活用できるようになりました。その結果、現場でも具体的な利用場面をイメージしやすくなったのだと思います。
加えて、事業部長クラスの上位層が使い勝手のよさを実感したことも、社内浸透を後押ししました。Teamsなどで実際の動作画面を共有し、「このように入力すると、このような回答が返ってくる」と具体的に紹介することで、利用場面をイメージしやすくしたのです。分析データを入れた場合の出力や、質問に対する回答の精度をその場で確認できたことも、有用性への理解につながりました。
上位層が「これは使える」と感じたことが各部門にも伝わり、現場での利用が自然に広がっていったと考えています。

レポート要約は約1分、問い合わせ対応は体感80%軽減。安全な環境が継続活用を牽引

導入後、各部門ではエクサベース AIをどのような業務に活用していますか?

松永氏:営業企画部では、新しい事業や市場を調査する際に、Deep Research等のエージェントを活用したマーケット調査や、業界レポートの読み込み・要約に活用しています。また、世界中の従業員約4,000名を対象としたアンケートや、100名規模のワークショップを実施する際の多言語翻訳にも役立てています。

濱松氏:総務部では、会社法に基づく社規の新旧対照表の作成や、登記関連の確認業務に利用しています。加えて、経営会議などで使用する資料のフォントを統一するためのコード生成や、翻訳会社から納品された英文のスペルミス確認にも活用しています。

山村氏:製造業ならではの使い方としては、図面寸法値の読み取りや、海外取引先の技術仕様の確認、品質データの分析などがあります。また、RAG機能を活用した「社内の技術標準」に関する問い合わせ確認や、特許関連の調査に生成AIを利用する取り組みも進んでいます。

活用を通じて、現場の業務にはどのような成果や変化が生まれていますか?

松永氏:業界レポートの読み込みと要約にかかる時間は、大幅に削減されました。以前は内容を把握するために1時間程度を要していましたが、生成AIを用いることで約1分で要約を出力できるようになりました。複数のレポートを同時に読み込ませ、共通する市場動向を抽出する作業でも、時間短縮につながっています。また、出力結果については、プロンプトで情報源を必ず提示させ、正確性を確認しています。

私は営業企画部へ異動してきたばかりですが、これまで経験のなかった業務も生成AIを活用しながら進められるため、非常に心強い存在です。

濱松氏:手作業の負担が大きかった業務の工数を、大幅に縮小できました。例えば社規の新旧対照表の作成では、これまで100件近いデータを1つずつコピー&ペーストしていましたが、生成AIを活用することで、転記や整形の工程を減らせるようになりました。現在は、出力内容を確認し、必要な箇所を調整する進め方に変わっています。また、以前は複数人で会議室に集まって確認していた取締役会などの資料チェックも、生成AIで誤りを確認できる範囲が広がり、工数の削減につながっています。
社内規程などに関する問い合わせ対応も、体感として約80%軽減されました。RAG機能を活用すると、関連する参照条文を含めた回答がすぐに出力されます。以前は問い合わせ内容に応じて人事部や経理部へ確認を依頼していましたが、現在は私1人で迅速に一次対応を完結できる場面が増えました。
業務効率化によって生まれた時間は、ガバナンスに関する専門性向上のための学習やエクサベース AIを使ったコード作成やプロンプトの学習に充てています。試行錯誤を重ねながら、より高度な使い方を習得し、今後の業務改善にも還元していきたいと考えています。

本格導入から現在まで、利活用が継続している理由やエクサベース AIならではの価値をどのように考えていますか?

松永氏:社内データが知識として蓄積され、自社の実情に沿った回答を引き出せる点に大きな価値を感じています。一般的な生成AIは幅広い情報を扱えますが、エクサベース AIは社内の情報資産に基づいた回答を生成できるのが大きな強みです。新しい市場を調査する際にも、自社に関連した情報源として活用できるため、業務の効率化に直結しています。

濱松氏:機密情報を安全に入力できる環境が確保されていることが、継続利用の大きな理由です。会社が推奨するセキュアな環境であるため、取締役会の資料などの重要な情報も業務の中で扱いやすくなりました。業務効率化が進んだことで、空いた時間を会社法の学習など、ガバナンスに関する自己研鑽にも充てられるようになっています。

データ分析・コード生成へ活用を拡大。エクサベース AIで業務改革を次の段階へ

今後の展望についてお聞かせください。

山村氏:生成AIの活用をさらに一段引き上げ、より高度な業務改革に結び付けたいと考えています。現在は文章作成や要約、翻訳での活用が中心ですが、今後はデータ分析やコード生成、コード解析といった領域でも実務への活用を広げていく方針です。
製造業ならではの取り組みとしては、現場の安全評価やナレッジ共有に生成AIを活用する企画を進めています。こうした取り組みを実際の業務改革や新しい価値創出につなげるには、単なるツール導入にとどまらず、社員一人ひとりがデジタルを使いこなせる環境づくりや人材育成が不可欠です。これらの取り組みを通じて、顧客対応や現場プロセスの変革、さらには持続的な企業価値の向上につなげていきたいと考えています。

最後に、これから生成AIの導入を検討している企業に向けて、エクサベース AIをおすすめできる理由をお聞かせください。

山村氏:エクサベース AIの最大の魅力は、スモールスタートが可能であり、安全な環境で早期に利用を開始できる点です。
加えて、エージェント機能が充実しており、用途に応じて適切な大規模言語モデルを選択できます。高機能なAIを手軽に活用できるため、生成AIを初めて導入してみたい企業にも最適です。

濱松氏:これから生成AIを導入しようとしている企業にとって、最適な入り口だと感じています。
エクサベース AIは、プロンプト作成やアンケート作成、翻訳など、用途ごとにエージェント機能が分かれているため、生成AIに詳しくない方でも目的に合う機能を直感的に探せます。コード生成のような少し踏み込んだ使い方をする際にも、エージェント機能のサポートを受けながら進められるため、非常に使いやすいサービスです。

松永氏:海外市場への展開や、海外に関する調査を検討している企業にもおすすめです。
エクサベース AIは、多言語翻訳に対応しており、目的に応じたアウトプットの作成や対象国の情報収集を円滑に進められます。これまで課題となっていた言葉の壁を越え、新しい市場へのアプローチを支援してくれるツールだと感じています。