導入事例
オリックス生命保険株式会社「exaBase ロープレ」
導入事例インタビューデジタルサービスチームが語る、AIロープレ導入の経緯と手応え
導入事例インタビュー

オリックス生命保険株式会社
- 業種
- 生命保険業
- 従業員数
- 2,139名(2024年3月時点)
- 用途
- 新人の育成
インタビューにご協力いただいた皆様
本文
0. はじめに AI導入を進めた背景
──デジタルサービスチームでの業務内容についてお伺いします
2020年9月に、カスタマーサービス部の中にデジタルサービスチームができました。主にお客様や代理店向けにデジタルサービスの企画推進をしています。特徴として、お客様の声をコールセンター業務で直接ヒアリングし、それを即時にサービスへ反映できる体制にしています。
──デジタルサービスチームとして、AIロープレの導入に至った背景についてお伺いします
これまで、お客様向けや代理店向けのDXは進められていましたが、従業員向けの効率化やIT活用にはまだ課題がありました。現場の運営負荷や質を落とさず効率を向上するために、AIロープレという手段に着目しました。
AIロープレを活用し、お客様対応に時間を割いていただきたいと考えています。デジタルで代替できる部分はデジタル化を進め、捻出できた時間をお客様対応に充てることで、より質の高いサービス提供が可能になると考えております。
1. 導入前に感じていた悩み・課題
──導入前に感じていた課題についてお聞かせいただけますか?
もともと業務効率化については、課題がありました。 そのなかでも特に新人の育成面で中堅社員への負担が大きく、“本来業務”との両立が難しかったので、AIの力でそのバランスを改善できないかと検討しはじめました。
──新人研修での負担について、もう少し詳しく教えていただけますか?
はい。長崎コールセンターの新人研修は3ヶ月ほど。その中のロープレ研修は3週間で、8名ほどの中堅オペレーターがアサインされて指導をしています。
毎年繰り返される業務ですが、実はこの部分がかなり人的リソースを使っていました。 研修内容も、入社後すぐの保全手続きから、2年目以降の給付金研修など、段階的に複雑化していくため、継続的な研修負担が発生していました。
──人的リソース以外で課題に感じていた点はありますか?
オペレーターは受電対応も大事な役割なので、どうしても研修に時間を取られるとそちらに影響が出てしまいます。業務全体のパフォーマンスを保つのが難しい状況でした。
どうしても新人研修の時期に業務が集中します。本来は受電数などもKPIとして重視していますが、研修を優先することでそこが圧迫されてしまうことがありました。そのため、AI導入でそのバランスを適切に保ちたいと考えました。
2. exaBase ロープレに決めた理由
──候補となるAIロープレサービスの中で、最終的にexaBase ロープレに決められた理由は何だったのでしょう?
自分たちでプロンプト(台本)を柔軟に調整できる点が一番の決め手です。テキストベースで簡単に操作できるため、現場ですぐに修正やシナリオ追加ができ、スピード感のある運用ができました。他社だと追加や修正依頼が必要でタイムラグが発生することも多かったです。
──コストの観点も重要だったのではないでしょうか?
そうですね。他社の従量課金や月額固定だと、まず“試しづらい”と感じました。
その点exaBase ロープレはチケット制で、ちょうど使った分だけ費用が発生するので柔軟です。研修が集中する時期や、繁忙期前に沢山使うなど、年間を通して利用頻度がコントロールしやすい仕組みでした。
──実際に使い始める前、不安や懸念はありましたか?
シナリオ作りなど本当に現場でうまくできるかは最初不安もありましたが、実際はスムーズに始められ、運用負担も小さかったです。
3. exaBase ロープレ 導入後の変化
──実際に今年度、新人研修にてAIロープレを活用されたとのことですが、現場で感じた手ごたえを教えてください。
まだ効果測定は進行中ですが、新卒社員からは「受電業務に近いリアルな経験が積めて良かった」といった声がありました。研修現場の感触も悪くありません。
── もともと課題に感じられていた、中堅オペレーターの業務効率改善には変化はありましたか?
新人研修にかかる負担がAIロープレによって一部軽減された分、オペレーターが本来業務に戻る時間も増やせています。今後さらにマニュアルやシナリオを拡充して、効率化を広げていきたいと考えています。
──AIロープレで「削減できた」効果について、具体的に今後どんな広がりをイメージしていますか?
将来的には、中堅オペレーターの新人育成アサイン人数を抑えることや、新人がより早く現場に出られること、2年目以降や他業務にも展開できればと考えています。
4. 社内で活用してもらうための取り組み
── 新しいツールを導入すると、なかなか常用に繋がらないこともありますが、社内での展開にあたり、どのような説明や働きかけを意識しましたか。
現場スタッフやマネジャーにも、導入の目的や期待している効果を丁寧に説明しました。違和感なく従来のフローに組み込めるよう、細かい使い方も案内しています。
──実際に使った人から集まったフィードバックは、どのように運用へ生かされましたか?
「もう少しこのシナリオをこう直してほしい」など現場から上がった声をすぐに反映できるので、改善サイクルが速いのが特徴です。今後もフィードバックを元にさらに使いやすくしたいです。
5. さいごに 今後の展望について
── 現在、新人育成をメインにご活用いただいておりますが、今後どのような業務や研修にも広げていきたいと考えていますか?
新人研修だけでなく、2年目以降、例えば給付金手続きなど段階的に必要になる研修でも使えるようにしたいです。現場の多様なニーズに合わせて活用できればと思います。
── 御社にとって「AI×人」のベストミックスは今後どんな形になりそうでしょうか?
デジタルと人の役割分担を明確にしつつ、AI導入で得たゆとりをお客様対応の品質向上に充てたいです。生産性とサービス品質の両方を高めていく方向を目指しています。