1. トップ
  2. トレンド
  3. グローバル化からローカル化 11-25-2021ニュースダイジェスト

グローバル化からローカル化 11-25-2021ニュースダイジェスト

公開日
2021.11.25
更新日
2026.06.17
グローバル化からローカル化 11-25-2021ニュースダイジェスト

ここ最近、個人的に気になった世界のテクノロジー関連ニュースを集めました。この記事は、会員向けの限定公開記事です。一部未確認のうわさや個人的見解を含みますので、一般公開はご遠慮ください。

グローバル化からローカル化へ

最近読んだExponentialという本によると、デジタル技術に代表されるような指数関数的に進化する技術が、世界にとんでもない影響を与えるという。
Azeri Azhar著Exponential: How Accelerating Technology Is Leaving Us Behind and What to Do About It
3Dプリンターを始めとする製造業も、実は指数関数的に進化し続けている技術の一つ。
著者のAzeri Azhar氏によると、3Dプリンター技術が進化することの社会的影響として、都市の近くに製造設備が集中し、地方から産業がなくなっていくことが挙げられるという。
本当にそこまで3Dプリンターの技術って進化してきているのだろうか。

確かに人工臓器から住宅まで、いろいろなものが3Dプリンターでできるようになっている。ただ今のところは試作品を作るために3Dプリンターが利用されるだけであって、コスト的には大量生産のほうが圧倒的に優れているはず。

しかしAzhar氏によると、今後はアジアの大量生産の工場から、近くの小ロット多様化の3Dプリンター生産施設へと、製造業の主流が移行していく、という。本当なのかどうなのか、3Dプリンター周辺のニュースにこれから注目していきたいと思う。

もし本当に製造業の主流が3Dプリンターになっていくのであれば、どんなふうな世の中になっていくのだろう。

製品のほとんどが3Dプリンターで作られ、食べ物のほとんどが植物工場や培養肉工場で作られるようになれば、地方から産業が消えていくことが予想される。

Azhar氏によると、コロナ禍で一部の人の郊外への移動が目立ったが、長期的には都市部に人と産業が集中するようになるという。また都市が経済的、政治的にも力を持つようになり、国家とのパワーバランスが崩れていく。

製造業は、中国を中心とするアジアから、各先進国にUターンしていく。途上国は主だった産業がなくなり、先進国と途上国の格差が拡大し、国家間の緊張が高まる可能性がある。同氏によると、今後20年間は、テロや国際紛争が増える可能性があるという。

今回のコロナ禍のようなパンダミックは、今後も起こる可能性があるだろう。海外渡航が禁止されたときのためにも、都市周辺で完結するような産業、生活空間が促進される可能性もあるという。

グローバル化からローカル化が進むというのが、Azhar氏の予測だ。

この辺の話は、もう少し調べて、近々、コミュニティー会員向けセミナーで詳しく取り上げてみたい。

Appleでも数年以内に完全自動運転は無理

米Bloomberg通信は、Apple が2025年の発売を目指して完全自動運転車の開発を加速させている、と報道。Appleの株価が2.4%も上昇した。
しかしたとえAppleでも数年以内に完全自動運転の実現は無理だと思う。なぜなら自動車には完璧が求められるし、AIは未経験の体験にうまく対処できないから。それに完璧に近づくにはデータがまだまだ足らないからだ。
AIって過去の統計から何かが起こる確率を計算するツール。自動運転車は「この状況ならこの速度で走っても、事故が起こる確率は0.5%」と計算して、その速度で走り続ける。つまり100%安全なわけではない。
Amazonのレコメンデーションなら、推薦する商品がたまに的外れでも大した問題にはならないが、自動運転車は予測が外れると人が死ぬ。なので、100%は無理であっても、可能な限り100%に近い数字で進まなければならない。
ところが人間は、AIにとって予測不可能な動きをする生き物。横断歩道のない場所を高齢者が渡ることもあるし、自転車が自転車レーンから、よろけてはみ出すこともある。前のトラックの荷台から見たこともないような物体が落ちてくることもある。あらゆる人、物の動きを完全に予測できる環境でなら問題なく走れる自動運転車も、予測不可能な環境の中では完璧な走行ができないわけだ。
一時期は「2020年ごろにはたくさんの自動運転車がカリフォルニアの公道を走り回っているだろう」という予測をしていた人たちも、最近では「まだまだ無理かも」という主張に変わってきている。かっては楽観派の急先鋒だったイーロン・マスク氏も、都市の地下に自動運転車専用のトンネルを掘るというプロジェクトを推進している。不確実なことが起こらない環境を作るしかない、と気づいたからだ。
業界全体がそんな感じで予測を修正してきているのに、Appleが完全自動運転に注力している、と発言したというこの記事は、非常に不可解。何があったんだろう。
でも記事を最後まで読むと、「無理だったら2025年までに完全ではなく、一部自動運転の車を発売するけどね」ってAppleの担当者が語っている。なんだ、Appleの担当者も数年以内に完全自動運転を実現させるって自信を持って言ってるわけじゃないんだ。
担当者は恐らく記者をミスリードしないようにバランスの取れた話し方をしたのかもしれないけど、記者が文脈を無視して「完全自動運転を目指す」という表現を記事の見出しに取ったんじゃないだろうか。
経済メディアの記者って株価が動けば褒められるので、取材先の意図とは別に、少々目立つタイトルにしがち。
記者時代に僕もこうした姑息な手を使ったことがあるので、よく分かる。ひどい話だけど。

テック企業の街づくりと行政のあり方

以前、米富豪が砂漠にスマートシティを作りたがる理由、というような記事を書いたけど、テック企業が街づくりに乗り出す動きはますます加速すると思う。なぜなら街という社会インフラをDXしない限り、自動運転車や配達ロボットという端末側をいくら進化させても、効果は限定的だからだ。
テック企業が街づくりに参加するようになれば、役所はどうなるのか。役所の仕事のほとんどはスマートコントラクトで自動化されると思う。書類の取り扱いという業務は一切なくなり、その代わりに高齢者の相談に乗ったり、病院に付き添ったりといったヒューマンタッチの仕事が自治体の仕事の重要な要素の1つになると思う。
もう一つの自治体の重要な仕事は、テック企業をコントロールすること。住民の民意を汲み取って、それにそってテック企業がサービスを提供できるように指導することになると思う。
AI時代にテック企業はどんどん大きくなる運命。もう既にに表現の自由やプライバシー問題などで、テック企業が独自の判断で民主主義を先導している。テック企業の幹部の判断ではなく、民主主義の仕組みが社会の方向性を決めるような制度に、もう一度変えていく必要があるのだと思う。


アバターにAIを

メタバースの中のアバターに自然言語処理や画像認識、強化学習などのAI技術を搭載するツールを開発したInworld AIが700万ドルの出資を受けた。Facebook が社名を変えた影響か、メタバース関連の動きがメディアに取り上げられることが増えてきた。


注目は稼げるゲーム系メタバース「play to earn」

なんかメタバースの悪口ばかり言ってると思われるかもしれないけど、実はブロックチェーンが組み込まれたゲーム系のメタバースは、かなり有望だと思っている。特に、普通にプレーするだけでお金を稼げるゲーム系メタバースは、新しいトレンドとして要注目だ。
今のところゲームばかりしていると「引きこもり」「ゲーム廃人」と言われ、イメージが悪いが、ゲーム内で稼げてリアル社会で使えるのなら何の問題もないはず。そうなればメタバースが現実からの逃避の空間ではなく、現実と同列に並ぶ生活空間として成立する可能性がある。
米有力ベンチャーキャピタルAndreesen & Horowitzのポッドキャストa16zによると、普通にゲームしているだけで稼げるゲーム系メタバーズは「play to earn」と呼ばれ、どれだけの時間と労力をゲームに注いだかで稼げる額が決まるらしい。儲けは暗号通貨で支払われ、暗号通貨はもちろん法定通貨に交換することが可能。
プレーヤーに支払うための原資はどこからくるのかと言うと、このメタバースに参加するために最初に何万円かのお金を支払わないといけないらしく、その入会金の一部がユーザーに還元されるらしい。
普通のゲームって、ヒットすれば開発した会社やゲームのプラットフォームの会社がめちゃくちゃ儲かる仕組みになっている。当然だけど、ユーザー側ではなく会社側が圧倒的な力を持っている。中央集権的だ。
一方play to earnは暗号通貨の思想にのっとって、非中央集権的。ゲーム開発者には幾ばくかの儲けが入るのだろうけど、ゲームを盛り上げて楽しくしているのはユーザーコミュニティーなのだから、新規入会者が入って収益が発生すれば、それをユーザーコミュニティで分配しようという哲学で運営されている。
ゲームが得意で高得点を挙げている人も暗号通貨をゲットできるけど、長時間プレーする人もゲームを盛り上げることに貢献しているとして暗号通貨が支払われる。新規ユーザーを丁寧に案内する係も稼げるし、デジタルコンテンツを作って売ることで稼ぐこともできるらしい。
最も人気のplay to earnゲームは、ベトナム発のゲーム会社Sky Mavis社が開発したAxie Infinity。ユーザーはAxieと呼ばれるペットを使って相手チームのAxieと戦う。AxieはNFTとして売買も可能。ブロックチェーンで作られたポケモン対戦ゲームみたいなものだ。
このゲームは2018年3月にリリースされたばかりなのに、既に30億ドルの売り上げがあるという。まずはフィリピンでヒットし、南米など世界中に広がりつつあるという。