1. トップ
  2. トレンド
  3. AIの最先端競争でGoogleは7位、原因は社内の縦割りか

AIの最先端競争でGoogleは7位、原因は社内の縦割りか

公開日
2026.07.22
AIの最先端競争でGoogleは7位、原因は社内の縦割りか

主要AIラボの最上位モデルの序列で、Google DeepMindは8ラボ中7位。米Allen AI研究所で自らオープンモデル開発を率いたNathan Lambert氏が、ニュースレターInterconnectsでこんな見立てを示した。1位Anthropic、2位OpenAI、3位が中国のAI新興Moonshot AI。以下、4位米SpaceXAI、5位中国のAI新興Zhipu AI、6位Meta、7位Google DeepMind、8位中国Alibabaと続く。8ラボ中3つを中国勢が占め、AI研究を先導してきたはずのGoogleが、桁違いに少ない資本で戦う中国新興企業の後塵を拝する。Lambert氏は「DeepMindをはじめ米国の巨人たちがこれほど低い位置にいるのは驚くべきことだ」と書く。

低評価の直接の原因は、旗艦モデル「Gemini 3.5 Pro」を出せていないことにある。序列でDeepMindの持ち駒とされたのは軽量版の「Gemini 3.5 Flash」。Proは5月の開発者会議Google I/Oで発表され、6月の提供開始が予告されていたが、期日を過ぎても姿を見せない。

延期の内幕は、Bloombergが現・元社員10人への取材で報じた。コーディング性能が社内目標に届かず、6月下旬に学習データを更新して改善を試みたものの、結果は期待外れだった。報道を受け、親会社Alphabetの株価は一時4%近く下落した。

社内の構造問題も浮かび上がる。AIコーディングツールは、DeepMind、Google Cloud、Androidの3部門がそれぞれ別々に開発するという縦割り状態。加えて「重要なコードはGoogleの基準に沿って人間が書くべきだ」と考える純粋主義のエンジニアが社内に残り、AI活用の足かせになっていると元社員は証言する。

皮肉なのは、Google自身が新規コードの75%をAIで生成していることだ。昨秋の50%から急上昇した。コードの4分の3をAIに書かせる会社が、AIコーディングの競争ではOpenAIやAnthropicに水をあけられている。CEOのSundar Pichai氏自身、エージェント型コーディングでの出遅れを認めており、DeepMindに専任のコーディングチームを新設して巻き返しを図る。

崖っぷちはまだ続く。中国Alibabaは2.4兆パラメーターの新モデル「Qwen 3.8」をオープンウェイトで近く公開すると予告した。Lambert氏は、次のGeminiより先にQwen 3.8が出ればGoogleは8位に押し下げられる可能性があると指摘する。


Googleの潜在能力を疑う者はいない。検索、Android、クラウドを握り、史上最大級の資金力と人材を誇る。その巨人でさえ、旗艦モデル一つの遅れで序列を滑り落ちる。それほど、AIモデル競争は苛烈さを増している。これまでのIT業界の常識では、AIの未来は予測できない。