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DX事例12選!国内外、自治体、中小企業まで網羅。自社に合ったDXの成功事例を見つけてDXを推進!

今や多くの企業が注目する「DX」。デジタル技術の急速な発展による競争の激化や新型コロナウイルス感染症によるテレワーク、働き方改革の解決策としてもDX推進は欠かせません。しかし、その重要性は理解していても、実際に取り組むまでには至らない企業が多く存在します。

その原因の一つは、「具体的に何を行えば良いのかが分からない」ことや、失敗を恐れていることです。そこで今回は、DXの成功事例をご紹介します。ぜひ自社のDX推進の参考にしてください。

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DXとは?

「DX」とは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略語でビジネスシーンでは、DXは「デジタル技術を用いたビジネスやサービスの変革」と捉えられています。

2018年に経済産業省が発表した「DXレポート 」では、最新の技術やデータを活用し、業務そのものや組織・企業文化を変革することで企業の競争力を向上させることをDX推進の目的と定めました。DXを推進することで、人手不足の解消、新たなサービスの創出など多くのメリットが得られると考えられています。

出典:『DX推進指標』経済産業省

DX事例を知ることの重要性とは?

DXを推進するのは難易度が高く、なかなか簡単には進まないのが現状です。その理由となる主な原因は以下の3つが挙げられます。

高い専門性が求められる

DXはデジタル技術やデータ活用を行うことが求められますが、そうした技術を扱うには高い専門性が求められます。しかし、 

時間がかかる

DXは結果が出るまで時間がかかる場合があります。取り組みを始めてから効果が実感できるまで、平均して3~5年ほどかかるとも言われ、初期投資のコストを考えるとデメリットと捉えられ、DX推進をためらう企業も多く見受けられます。

全社で推進していく必要がある

DXは特定の業務だけでなく、企業の文化や組織自体を転換することが求められます。そのため、全社一体となった取り組みが必要となります。社内全体の協力を取り付けるためには経営層だけでなく各社員への説明を丁寧に行い、理解を得なければなりません。

こういった課題を解消しDXを推進するためには、成功事例を参考にすることが重要です。多くの事例を参照することで、自社の状況にあった施策はどれか見極め、取り組んでいくことが可能になります。

DXが進まない要因と成功させるためのポイント
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国内企業のDX事例

【製造業のDX事例】IoTプラットフォームの整備(ダイキン工業株式会社)

実施内容・成果

空調メーカーのダイキン工業は、工場のすべての設備をネットワークでつなぎ「工場IoTプラットフォーム」を整備しました。データを収集・統合したことで生産状態を見える化し、生産計画を最適化できロスを減らすことに成功しました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 古い設備を使い続けていないかチェックし、IoT活用ができるか確認しています。
  • データ分析に長けた人材の確保・育成にも力を入れています。

出典:『製造業DX取組事例集』PwC

【製造業の事例資料をダウンロード】エクサウィザーズの不良品検知・異常検知・技能継承の事例はこちら
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【AI活用事例】日本製鉄の重機操業におけるAIロボットを使った技能伝承
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【卸売業のDX事例】需要予測AIで在庫の最適化(トラスコ中山株式会社)

実施内容・成果

機械工具卸業のトラスコ中山は、2020年に需要予測AIを開発し在庫や調達全体の最適化に成功しました。実際の倉庫内の情報をもとに、デジタル空間に庫内状況を再現。事前のシミュレーションや分析が可能になり、顧客が必要とするだろう工具を先読みして配備することが可能になりました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 従来は、現場の担当者が在庫を持つ品目や量を決めていたことを、AIによる自動化を行いました。これにより、仕入れ担当は新しい取扱商品の選定など、別業務に注力できるようになりました。
  • 在庫管理や現在取り扱っている商品の品目の整理など、データ化できる要素はないか確認しています。

出典:『デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022』経済産業省 2022年6月7日

【金融業のDX事例】デジタルバンクで新たな体験価値を提供(株式会社ふくおかフィナンシャルグループ)

実施内容・成果

ふくおかフィナンシャルグループは初のフルクラウドのデジタルバンクを開発。口座開設から振り込みなどすべてのサービスをスマートフォン上で完結する銀行サービスを提供しています。勘定系のシステムはGoogleCloud上に構築され、世界最新の技術を基盤に利用しています。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • ターゲット層であるデジタルネイティブ世代に届くよう、マーケティング方法もSNSを積極的に活用し、プロモーションを展開しています。
  • 従来の銀行をデジタル化するだけではなく、価値のコネクティビティ(価値仲介)を高めるサービス業として新しい金融機関としての価値創造を目指しています。

出典:『デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022』経済産業省 2022年6月7日

海外企業のDX事例

【配送業のDX事例】配車サービスからデリバリーサービスへ展開(Uber)

実施内容・成果

Uberはもともとタクシー配車サービスを提供している会社です。アプリで依頼すれば、現在地に近いタクシーとマッチングできるというシステムです。タクシーを呼ぶのに電話をする仕組みごと変革したDXを実現しました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 同社は同様のシステムを利用し「UberEats」としてデリバリーサービスも開始しています。タクシーや配達員を自社で抱える必要がないメリットがあります。
  • タクシー配車事業で得た位置情報のデータや仕組みを別の事業に転用してそちらでも大きく成功しています。

【小売業のDX事例】オムニチャネル化推進(Walmart)

実施内容・成果

アメリカの大手スーパーであるウォルマートは、ネットやアプリで注文したものを実店舗で受け取れる仕組みに注力しました。商品を注文し受け取り日時を指定すれば、店員が商品を確保してくれる仕組みです。人ごみを避けられるためコロナ禍に急速に浸透しました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 商品を探し回る時間と労力を減らしスムーズにピックアップができる、ネット販売と実店舗の良いとこ取りを実現しました。
  • すべてをデジタル化するのではなく、工程の一部にシステムを利用することで効率化するところがないか確認しています。

参考:『ウォルマートが世界最強小売企業の座を固めた訳』東洋経済オンライン

【小売業の事例】店舗の品揃えを最適化するAIの活用事例【資料ダウンロード】
【小売業の事例】店舗の品揃えを最適化するAIの活用事例【資料ダウンロード】

【娯楽・メディア業のDX事例】ビジネスモデルの変革とコンテンツ制作への応用(Netflix)

実施内容・成果

動画配信サービスを運営する Netflixは、サブスクリプションシステムを導入し、コンテンツを物として所有する従来のビジネスモデルを変革しました。レンタルビデオ店のような在庫を持つことをやめ、多くのコンテンツを月額で提供することで、顧客体験と継続率を高いまま維持することに成功しました。また、視聴データを解析し自社作成のオリジナルコンテンツに活かすことでヒット率を高めることに成功しました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • おすすめ機能で顧客にパーソナライズした作品を提供することで、稼働率と収益を上げています。
  • 自社サービスを契約してもらうだけではなく、サービス利用データを活用して利便性を向上させたり、映画コンテンツを自社で製作するなど他の事業に活用させたりしています。

参考:『Learning a Personalized Homepage』Netflix TechBlog

参考:『Using Machine Learning to Improve Streaming Quality at Netflix』 Netflix TechBlog

【小売業のDX事例】AR導入による体験価値の向上(IKEA)

実施内容・成果

スウェーデン発祥の家具メーカーIKEAは、拡張現実(AR)を導入したアプリを開発しました。アプリで商品を選択し、スマートフォンのカメラを部屋にかざすと、商品を部屋の景色に重ねて表示できます。家具のサイズや色など、実際に部屋に置いたときをイメージすることが可能になります。

 

参考にすべきポイント・アクション

  • 事前に大きさを測る手間や購入後の失敗を減らし、ユーザーの負担を軽減しています。
  • 顧客が商品を購入する前に知りたい情報を、デジタル技術で提供できることがないか確認しています。

参考『イケアのアプリ』IKEA

自治体のDX事例

現在、自治体の職員数は減少傾向にあります。原因は少子高齢化による労働人口の減少や、福祉のニーズ増加による支出増に備えるための人件費削減が挙げられます。その結果、職員一人あたりの業務量は増加しています。さらにライフスタイルの多様化に伴い、市民が自治体に求めるニーズも多様化しています。より利便性の高いサービスを提供するためにも、デジタル技術を利用することが不可欠です。この課題を解決し効率的な行政の運営のため、自治体はDX推進が求められています。

神奈川県平塚市のプレミアム商品券の電子化

実施内容・成果

神奈川県平塚市は、キャッシュレス決済を推進するため、プレミアム商品券を紙媒体から電子化し、経費削減を実現しました。電子化により消費行動もデータとして残り、その後の企画立案のデータ分析などにも有用できるようになりました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 紙の商品券は釣銭を出せず使いづらい面もあったが、電子版では1円単位で使用が可能になり、顧客の満足度も向上しました。
  • キャッシュレスを取り入れることが可能な箇所はないか確認しています。

出典:『自治体DX推進手順書参考事例集』 総務省 2021年7月7日

富山県のWebサイトでのAIコンシェルジュ

実施内容・成果

富山県は県庁の問い合わせ対応業務の効率化と利便性向上のためチャットボットAIを導入しました。24時間いつでも問い合わせが可能になり、職員の負担減につながりました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 2021年からは外国人向けの観光案内にも利用しています。英語対応もAIで対応可能です。
  • AIを利用し業務負担を分散する方法は、問い合わせだけでなくさまざまな場面で利用できます。

出典:『富山県 | 誰でも簡単に使えるAIサービス導入事例 』株式会社ティファナ・ドットコム 2022年4月6日

中小企業のDX事例

【製造業のDX事例】ロボット・IoT導入による自動化・効率化(株式会社山本金属製作所)」

実施内容・成果

金属加工会社の山本金属製作所は、現場のデジタル化と自動化。製造業に多い単純なルーティーンワークを軽減しました。さらに蓄積データをものづくりに活用しています。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • ロボットやIoTを積極的に導入し、技術の高度化と生産拠点の複線化にも取り組んでいます。
  • 単純作業などロボットやAIに任せられる作業がないか確認しています。

出典:『 DX Selection』経済産業省 2022年3月

 

【農業のDX事例】独自アプリの開発による管理・分析業務の効率化(もりやま園株式会社)

実施内容・成果

りんご農園のもりやま園では、農作業が見える化できる独自のアプリを開発。品種別の作業の進捗状況や、収穫量などの管理が可能になり生産性の向上を実現しました。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • 予測や管理が難しかった農作業もデータ分析により可能になりました。これからの農業を見据え、農業を知的産業に変える経営理念のもとDXを実現しています。
  • 業務改善や作業進捗の管理をデジタル化できるか検討しています。

出典:『DX Selection』経済産業省 2022年3月

【食品業界のDX事例】先端技術を活用した施設による業務高度化(アイビック食品株式会社)

実施内容・成果

惣菜メーカーのアイビック食品は、本社屋内にキッチンを併設した撮影スタジオを開設。企業PRやライブ配信などに活用されています。VRやARの利用も可能な「食」に特化した最先端の施設です。

 

参考にしたいポイント・アクション

  • デジタル技術を活用し、味覚だけでなく「五感」を刺激する設備で食の情報発信や商品開発を支援しています。
  • 製造工程だけでなく、販売やプロモーション方法でDXを推進できる余地がないか確認しています

出典:『DX Selection』経済産業省 2022年3月

まとめ

DXの本質は業務効率化やデジタル化ではありません。時代の変化やニーズに合わせ、スムーズにビジネスを変革させることです。DX推進ができなければ、莫大な経済損失が生じると言われる「2025年の崖」問題はそこまで迫ってきています。ぜひ本記事を参考に、DX推進への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。