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DXの進め方・ステップとは?確実に成功させたいDX推進のプロセス

会社のDXを推進する上では、その会社に適した手順で進めることが重要です。具体的な手順を明確にせずに進めてしまうと、思い描いた結果を生み出せないため、事前に確認しておく必要があります。

今回は、DXの進め方を6つの手順で解説し、その上で並行して実施すべき項目を紹介します。最後まで読むことで、DXを実現させるまでの手順を明確に理解でき、自社に合った適切な方法でDXを推進できるようになるでしょう。

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DXを進める前に理解すべきこと

DXの定義

そもそもDXは、「Digital Transformation」の略語であり、単なる業務改善の取り組みではなく、「デジタル技術を用いたビジネスやサービスの変革」と捉えられています。

経済産業省がまとめたデジタルガバナンス・コード2.0では、DXとは

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

と定義されています。

出典:『デジタル・ガバナンスコード2.0』経済産業省 2022年9月13日

DXを進める上での障害

企業のDXは決して容易なプロジェクトではありません。実現までに時間もかかりますし、そのためには社内外を含む多くの関係者を巻き込みながら推進していく必要があります。経営層のコミット、現場社員の巻き込み、環境の整備、最新技術の活用、顧客体験価値を向上させる本質的なビジネスモデルなど検討すべき項目は多岐にわたります。

DXを進める前に意識すべきこと

多くの企業がDXに取り組む中で、成功事例や失敗事例もここ数年で溜まってきており、DXの実現に必要な事項やDX実現の可能性を高める手順も確立されつつあります。そういった他社事例の研究やDX実現までのステップ、意識すべきポイントを事前に知ることで最短距離でDXを実現できるようにしていきましょう。

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DXの進め方|具体的な6つの手順

DXの進め方を6つの手順で解説します。実現するまでのステップを明確にすれば、プロジェクトが的確かつスムーズに進行するでしょう。

手順1:現状の調査

まずは現状の調査を始めましょう。現状の調査には3C(市場・競合・自社)・PEST(政治・経済・社会・技術)・SWOT(強み・弱み・脅威・機会)などの基本的なフレームワークの内容は抑えつつ、特に

  • DXに成功/失敗している会社の要因を調査
  • 市場(顧客)のニーズやインサイトの深堀
  • 自社のリソース(技術・人材・システム・データなど)の整理

の調査は丁寧に行いましょう。

 

DXに成功/失敗している会社の要因を調査

DXはビジネスの変革に向けて長い期間、全社で取り組む必要がありハードルは高いため、過去に多くの企業のDXが失敗や中途半端に終わっています。他社事例をよく調査し同じ轍を踏まないようにすることが重要です。成功事例も多く出てきたため、最短距離でDXを成功させるためにも成功要因はよく調査しましょう。

 

市場(顧客)のニーズやインサイトの深堀

ビジネスは顧客ありきです。時代の変化とともに顧客の消費行動やインサイト(ニーズほど顕在化していない、消費者自身も認識できていない欲求)も変わるため顧客の消費行動やインサイトの深掘りは必要不可欠です。アンケートなどのデータやWebのトラッキングデータだけでは全て見えないため

  • 実際に顧客と同じ行動をしてみる
  • 顧客の行動を細かに観察する
  • 実際に顧客にインタビューしてみる

などして顧客の消費行動やインサイトを見極めましょう。

 

自社のリソース(技術・人材・システム・データなど)の整理

自社のリソースを完全に把握している会社は実は少ないのではないでしょうか。しかし、DXを進める上で、

  • 活用できるデータはどういうものがあるのか、何が足りないのか?
  • DX人材(デジタル技術が使えるだけではなく、周りを巻き込み推進していける人材)はどのレベルの人が、どのくらい、どこにいるのか
  • どのシステムにどういう状態のデータが溜まっていて、どのシステムと連携しているのか、誰がアクセスできるのか

といった情報は準備段階として非常に重要です。

手順2:DXに関するビジョン・中期経営計画の策定

現状・課題の整理が完了したら、DXに関するビジョンの策定や、中期経営計画の策定に移ります。「DXを実現して何をしたいのか」を明確にすれば、プロジェクトの進行途中でも軸がブレず、最後まで目的に向かって邁進できます。

反対に、このビジョンや中期経営計画においてDXのゴールが不明確なまま進行させると、想定していない結果を招いたり、DX推進が行き詰まったりします。そのため必ず目標を策定し、ゴールから逆算した進行を心がけましょう。

この手順で役に立つフレームワークとして以下のようのフレームワークが経済産業省の「DXレポート2中間とりまとめ」から出ているので紹介します。

出典:『DXレポート2 中間とりまとめ』経済産業省 令和2年12月28日

手順3:DXロードマップの策定

ビジョンや中期経営計画を策定した後は、戦略の内容をもう一段階細かく落とし込みましょう。「どこの部署が何をいつまでに」「予算はいくらかけるのか」など、具体的な計画を明確化します。

このDXロードマップによって、今後の進行が大きく左右されるため、慎重に検討する必要があります。また、経営層だけでは判断しきれない部分もあるため、場合によっては現場社員と連携しながら計画を進めましょう。

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手順4:DX推進体制の構築

DXロードマップが完成したら、DX推進体制の構築を行います。組織体制・人材配置を検討し、DXを推進しやすい環境・制度を整えましょう。主な推進体制としては、以下の3つが挙げられます。

 

●IT部門拡張型:従来のIT部門を拡張する方法

既存の情報システム部門などの部署が既存業務の延長線上でDXを進めていく方法です。デジタルスキルを保有しているメンバーが進めるので社内のシステムの変更などはスムーズに進むと思われますが、技術者が多くビジネス職のスキルを保有している人が少ないためビジネスモデルの変革を目的としたDXまでは難しい可能性があります。

 

●事業部門拡張型:各部門内にDX推進部門を設立する方法

事業部門がDXを手動し、システム部門がサポート行いながら進めていく方法です。

現場をよく知っている人が手動するため顧客のインサイトを捉えて企画できるメリットがありますが、事業部門に技術に精通した人材がいないと、デジタル技術の活用をするフェーズで躓く可能性があります。

 

●専門組織設置型:DX推進を専門で行う部署を設置する方法

DX推進を専門で行う部署を垂直立ち上げする方法です。一気にDXを進めていきたい場合は経営の直下型組織として優秀な人材をアサインして立ち上げる場合も多いです。現在DXで成功している会社はこの方法でDXを推進しているケースが多いでしょう。しかし、経営とDX推進部署だけが独断で進んでしまい、周りの部署と軋轢が生じて失敗する先行事例もあるため、他部署との連携は丁寧に行っていくことが前提になります。

この3つのなかでは、特に専門組織設置型が主流です。DXの専門部署を立ち上げ、そこに経営層も深く関われば会社のDXがスムーズに進められるでしょう。

とはいえ、企業方針や規模、状況に応じて最適解は異なります。自社の状況を踏まえた上でご選択ください。

手順5:実行

DXを推進できる環境が整ったら、実行に移りましょう。いきなり大規模なDXに取り掛かるのは、莫大な時間がかかり、なおかつコストセンターになりがちです。

他部署の協力・理解を得るためにも、前段階であるデジタイゼーション(アナログ・物理データのデジタルデータ化)やデジタライゼーション(個別の業務・製造プロセスのデジタル化)を推進し、業務効率化・生産性向上に寄与する小さな成功を着実に進たり、いきなり全社で実施するのではなく、1つの部署・事業から進めることもおすすめです。

手順6:PDCAを回し続け、ビジネスモデルの変革まで繋げる

DXには多くの時間と多くの人材の巻き込みが重要です。手順5で成功事例ができたら、他の部署や事業に横展開したりより規模を大きくしたりして全社に影響を広げていきましょう。成功例が全社規模で増えることで会社としてもDXの機運が高まりこの後の最終的なDXのゴールに近づきます。

推進していく途中では、

  • 他部署との連携が上手くいかずハレーションが起きる
  • 人材の採用や育成が上手くいかない
  • システム改修が想定通りに進まない

など、計画通りにいかないことが多々あります。

DXはそう簡単に達成できるわけではありません。継続的にPDCAサイクルを回し、長期的な視点でプロジェクトを遂行しましょう。

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DX推進のプロセスと並行して実施すべきこと

DX推進は決められたプロセスを実行することが大切ですが、並行して行うべき項目が複数あります。スムーズに推進したい方は、以下詳細をご確認ください。

DXマインド・文化の醸成

DXを実現するまでには時間がかかり、新しいチャレンジの回数も増えます。社内一丸となりスムーズに進める過程で多くの壁に突き当たります。それらの壁を乗り越えるためには社員のマインドや企業の文化を根本から変える必要があるでしょう。社員に必要なマインドセットは以下のようなものがあります。

  • 失敗を恐れず挑戦する
  • 何としてもやりきる強い意志
  • 変化に抵抗がない
  • オープンマインド
  • 新しいことを学習し続ける

これらのマインドセットを持ってもらうためにも、経営層の積極的な発信や、環境・制度の変更、一部の既にこうしたマインドを持っている人材から文化を醸成することも有効です。

DXをリードする人材の採用・育成

DXをリードする人材がいない場合は、採用か育成に力を入れましょう。DX人材は簡単に確保できず、貴重であるがゆえ採用市場で奪い合いになります。ある程度のコストは許容したり、アウトソーシングを活用したりするなど、採用の仕方にも工夫しましょう。

また、DXは現業務や商品・顧客への理解が重要であるため、既存社員の育成も必要です。DX人材の育成で大事なポイントはいきなりeラーニングから入らず育成の戦略を立てたり、学習が継続するようにマインドを醸成することです。

既存社員を優秀なDX人材に育て上げるまでには時間がかかります。そのため、DX人材の育成は長期的な視点を持って実施しましょう。

DX人材とは?DX人材の定義を4象限で解説。育成・採用方法と職種も紹介
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DXを進める上でよくある失敗パターン6つ

DXの進行プロセスが明確になったところで、DXを進める上でよくある失敗パターンを紹介します。問題なくDXを推進するためにも、以下のポイントを事前にご確認ください。

失敗パターン①業務の効率化や生産性の向上をゴールにしてしまう

DXを推進する過程では、業務の効率化や生産性の向上が見込めます。確かにこれらは重要な項目ですが、あくまでDXの前準備に過ぎません。

効率化の後にはビジネスモデルそのものを変革し、顧客への提供価値向上、圧倒的な競争優位性の担保、常に進化し続ける文化・仕組みづくりを目指しましょう。

また、最初はビジネスモデルの変革などを目的にしていても、実行している途中で手段が目的化するということはよくあります。そのためにも、明確なロードマップ策定が重要になります。

失敗パターン②経営層がコミットしない

DXには経営層のコミットメントが重要です。経営層がコミットせずになんとなく戦略を立てて、後は部下に丸投げしてしまうと、真のDXの成功は難しいので注意しましょう。

経営層が積極的にDXを推進することで大きな意思決定や、全社の巻き込み、長期的で本質的なDX推進が可能になります。

失敗パターン③DX推進部署だけで取り組んでしまう(社内一丸となってとり組まない)

DXは大規模かつ複雑なプロジェクトであるため、社内一丸となってとり組まなければなりません。経営層と社員の連携を怠ってしまうと、当初のビジョンと施策が乖離してしまいますし、DX推進部署だけでことを進め他部署との連携を怠ってしまうと無駄が発生したり、軋轢が生じたりして大きな機会損失を生んでしまいます。

失敗パターン④DXをリードする役に適切な権限・環境を与えない

優秀なDX人材には適切な権限や環境を与えなければ、その能力に見合った成果が得られません。例えば、セキュリティ意識を持ちすぎて、DX担当者が必要なデータにアクセスできない(使えない)場合はDX推進の障害になるためアクセス制限を改めることも検討しましょう。

失敗パターン⑤必要人材を集めるために適切な人事制度になっていない

人事制度も柔軟に変えていかなければDX人材が集まりません。会社の方針によっても異なりますが、ジョブ型人事制度の導入や副業の解禁、人材の育成・研修制度の拡充などを導入し、よりDX人材が働きやすい環境を用意するようにしましょう。受け入れ体制を整えれば、多様な専門人材が社内に参画してくれるようになります。働き方に制約をかけてDX人材が集まらない状況はなるべく避けましょう。

失敗パターン⑥必要な予算を確保できていない

「DXを低予算で成功させたい」という考えは、難しい場合が多いです。そもそもDXは大規模で長期的な取り組みなので、ある程度の予算は必要になってきますし、予算を出し渋ると現場社員の不満も募ります。低予算でできることから試してみるフェーズはあっても良いですが、DXを実現したいのであればどこかのタイミングで一定の予算を確保することに努めましょう。そのためにも経営層に動いてもらうことが重要になります。

DXに失敗しないために、DXの失敗事例とその要因、対策を解説!

まとめ

会社のDXをスムーズに進めるためには、事前に自社の状況を調査し、手順を明確にしておくことが重要です。改めて具体的な6つのステップは以下の通りです。

  • 手順1:現状の調査
  • 手順2:DXに関するビジョン・中期経営計画の策定
  • 手順3:DXロードマップの策定
  • 手順4:DX推進体制の構築
  • 手順5:実行
  • 手順6:PDCAを回し続け、ビジネスモデルの変革まで繋げる

これらの推進プロセスとは別に、並行して進めるべき「DX人材の育成」「DXマインド・文化の醸成」もしっかり行いましょう。ぜひ本記事の内容を参考にし、自社に合った適切な手順でDXを推進してください。