1. トップ
  2. 解説AI
  3. 生成AIリテラシーとは|2026年に求められる基準や社員・組織で高める方法を解説

生成AIリテラシーとは|2026年に求められる基準や社員・組織で高める方法を解説

公開日
2026.09.16
生成AIリテラシーとは|2026年に求められる基準や社員・組織で高める方法を解説

生成AIリテラシーとは、生成AIの仕組みと限界、そしてリスクを理解したうえで、目的に応じて使いこなし、その結果を業務の成果につなげる知識と判断力です。

しかし、生成AIリテラシーは、研修で知識を配れば身につくものではなく、実務で使われ、判断に活きて初めて根づきます。だからこそ問われるのは「何を教えるか」以上に「どう組織に根づかせるか」です。

さらに2026年は、生成AIの使われ方が、対話に答えるチャット形式から、自ら計画して作業を進めるAIエージェントへと広がりつつあり、リテラシーの中身も更新が続いており、一度学んで終わりにできない領域になっています。

本記事では、生成AIリテラシーの意味と構成要素、不足が招くトラブル、そして社員一人ひとりと組織の双方でこの力を高める方法までを、公的資料と企業事例にもとづいて整理します。

生成AIリテラシーを全社で高めたいなら

エクサウィザーズのAX人材育成ソリューションは、社員一人ひとりの現在地を可視化し、階層別の研修から実務への定着までをワンストップで支援します。「学んでも現場で使われない」という課題に、育成と定着の両面から応えます。

▶ AX人材育成ソリューションを見る

目次

生成AIリテラシーとは AIを正しく理解し業務で使いこなす力

生成AIリテラシーとは、生成AIを正しく理解し、リスクを抑えながら業務で使いこなす力です。ツールの操作方法やプロンプトの知識にとどまらず、AIが何を得意とし何を苦手とするかを理解し、出力の正しさを確かめ、法令や倫理を踏まえて判断するところまでを含みます。

経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が示す「デジタルスキル標準」では、全ビジネスパーソンが備えるべき素養としてAIやデータの活用が位置づけられています。2026年4月に公表されたver.2.0では、AX(AIトランスフォーメーション)の進展を踏まえて内容が見直されました。生成AIリテラシーは、この全社員共通の土台の上に立つ、生成AIに特化した実践力です。

ツールの操作や知識だけではない

生成AIリテラシーは、「ChatGPTを開いて質問できる」ことではありません。回答が事実かどうかを見極め、入力してよい情報とそうでない情報を切り分け、業務の目的に合わせて指示を組み立てる。こうした一連の判断を伴う点で、単なる操作スキルとは性質が異なります。

AIリテラシーとの違い

「AIリテラシー」はAI全般を適切に理解し使う基礎的な素養を指す広い言葉で、「生成AIリテラシー」はそのうち、文章や画像などを生成する生成AIに焦点を当てた実践力です。両者は次のように整理できます。

区分 対象とする領域 中心となる力
AIリテラシー AI全般 AIの特性を理解し適切に使う基礎的な素養
生成AIリテラシー 生成AI(文章・画像などの生成) 生成AIを業務で使いこなし、リスクを管理して成果につなげる実践力
DXリテラシー デジタル全般 DXを自分ごととして捉え変革に関わる素養(デジタルスキル標準)

デジタルスキル標準における位置づけ

デジタルスキル標準は、すべての働く人を対象とする「DXリテラシー標準」と、専門人材向けの「DX推進スキル標準」から成り立ちます。生成AIリテラシーは、このうちDXリテラシー標準が示す全社員共通の土台に重なり、それを生成AIの実務へ引き寄せたものと位置づけられます。

2026年のver.2.0がAXを軸に改訂された事実は、生成AIを前提とする素養が、いまや一部の専門職ではなく全社員に求められていることを示しています。

DXリテラシー全般の意味や高め方は、関連記事「DXリテラシーとは」もあわせてご確認ください。

出典:デジタルスキル標準(IPA・経済産業省)(2026)

なぜいま生成AIリテラシーが必要なのか

生成AIリテラシーがいま必要とされるのは、利用が一部の先進層だけの話ではなくなりつつある一方で、日本企業の活用は主要国に遅れており、その差が使いこなす力の不足に起因しているからです。まず、国際比較のデータで現在地を確認します。

調査項目(2024年度) 日本 米国 ドイツ 中国
個人の生成AI利用経験率 26.7% 68.8% 59.2% 81.2%
企業の活用方針策定率 49.7% 84.8% 92.8%

図表:生成AIの個人利用経験と企業の活用方針策定状況(国別)

個人利用も企業の方針策定も日本は前年から伸びていますが、主要国との差は依然として大きいことが読み取れます。

総務省「令和7年版 情報通信白書」をもとに作成

出典:令和7年版 情報通信白書(総務省)(2025)

個人の利用は広がったが企業の活用は主要国に遅れている

日本で生成AIを使った経験がある個人の割合は、2024年度調査で26.7%でした。前年度の9.1%から約3倍に拡大しており、年代別では20代の44.7%が目立つ一方、中高年層では低くとどまります。

企業側でも、生成AIの活用方針を定めている割合は49.7%と前年の42.7%から伸びましたが、米国の84.8%や中国の92.8%には届きません。さらに大企業の約56%に対し中小企業は約34%にとどまり、規模による差も大きい状況です。

総務省「令和7年版 情報通信白書」をもとに作成

出典:令和7年版 情報通信白書(総務省)(2025)

企業がつまずく最大の要因は「使い方がわからない」

活用を妨げている最大の要因は、ツールの不足ではなく使いこなす力の不足です。同じ白書で、企業が生成AI導入の懸念として最も多く挙げたのは「効果的な活用方法がわからない」ことでした。次いで「社内情報の漏えいなどのセキュリティリスク」が続きます。導入したあとに使われるかどうかが成果の分かれ目であり、その鍵を握るのが生成AIリテラシーです。

出典:令和7年版 情報通信白書(総務省)(2025)

個人任せにすると社内で活用格差が広がる

生成AIを個人の自主性だけに任せると、社内の活用格差は固定化します。世代別の20代と中高年層、規模別の大企業と中小企業に見られる差は、そのまま社内にも持ち込まれ、関心の高い一部の社員だけが使いこなす状態になりがちです。全社で成果を出すには、使える社員を計画的に増やす仕組みが欠かせません。

 

どの社員にどの力が足りないかを見極めたいなら

生成AIリテラシーを構成する4つの力は、どの力がどの社員に不足しているかを測らなければ、効果的に育てられません。本資料では、生成AI活用を任せる人材の見極め方と、レベル可視化・アセスメントを育成設計につなげる進め方を整理しています。

\こんな方におすすめの資料です/

  • 誰に生成AI活用を任せるか判断したい
  • 社員一人ひとりの現在地を可視化したい
  • アセスメントを育成計画につなげたい

生成AIリテラシーを構成する4つの力

生成AIリテラシーは、漠然とした「ITの素養」ではなく、4つの具体的な力に分解できます。育成の対象を明確にするためにも、まず全体像を整理します。

仕組みと限界を理解する基礎知識

生成AIは、大量のテキストで学習したパターンをもとに、文脈に続く自然な言葉を予測して文章を組み立てます。事実の正しさを検証する仕組みを内部に備えているわけではないため、もっともらしくても誤った内容を出力する場合があります。実在しない論文や法令を引用したり、計算を誤ったまま自信のある書き方で答えたりするのは、この仕組みに由来します。

仕組みと限界を理解していれば、どの作業なら任せてよく、どの作業は人の確認が要るのかを切り分けられます。過信して誤りを見逃すことも、頭から否定して使わずに終わることも避けられる点で、基礎知識は活用とリスク管理のどちらにも効く土台になります。

目的に合わせて使いこなす活用スキル

同じ生成AIでも、指示の出し方しだいで結果は大きく変わります。たとえば「報告書を要約して」と頼むよりも、「経営会議向けに、結論を先頭に300字で、専門用語を避けて要約して」と前提・目的・出力形式まで伝えるほうが、そのまま使える回答に近づきます。文章のたたき台づくり、長文の要約、表記の統一など、自分の業務のどこに当てはめれば効果が出るかを見極められることが、活用スキルの中身です。

2026年はAIエージェントの実用化が進み、調査から資料作成までの一連の作業をまとめて任せる場面も増えました。どこまでを任せ、どこを人が確認するかという線引きも、これからの活用スキルに含まれてきます。

情報を守るリスク管理

入力した情報がどのように扱われるかを理解し、機密情報や個人情報を不用意に入力しないことは、リスク管理の中核です。サービスによっては入力内容がモデルの学習に使われる設定になっている場合があり、社外秘の資料や顧客リストをそのまま貼り付ければ、外部に情報が渡るおそれがあります。一方で、過度に警戒してすべての利用を禁じてしまえば、活用そのものが進みません。入力してよい情報の範囲を社内で定め、一人ひとりがその線引きを判断できる状態をつくることが、安全と活用を両立させる鍵になります。

法令と倫理をふまえた判断力

生成物が他者の著作権を侵害していないか、偏った前提を含んでいないか、その内容を業務で使ってよいかを見極める力です。生成した画像を広告に使う前に既存の作品との類似を確かめる、人事評価の材料にする前に偏りがないかを点検するなど、判断が要る場面は少なくありません。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」も、利用者が出力の正確性やリスクを確認しながら適正に使うことを求めています。

生成AIは判断の材料を素早く示しますが、最終的に責任を負うのは使う側です。操作に習熟するだけでなく、こうした判断の軸を持つことが、業務へ安心して組み込む条件になります。

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(IPA・経済産業省)(2026)
出典:AI事業者ガイドライン 第1.2版(総務省・経済産業省)(2026)

4つの力を体系的に育てたいなら

どの力がどの社員に不足しているかは、現状を測らなければ見えてきません。AX人材育成ソリューションは、デジタルスキル標準に準拠したアセスメントで一人ひとりの現在地を可視化し、必要な研修へとつなげます。

▶ AX人材育成ソリューションを見る

リテラシー不足が引き起こす代表的なトラブル

生成AIリテラシーが不足すると、生成AIは業務を助ける道具ではなく、かえってトラブルの原因になりかねません。現場で起こりやすいのは、次の4つです。

  • 入力情報の漏えいと個人情報保護法上の問題
  • 誤った内容を事実と信じるハルシネーション
  • 気づかぬうちの著作権侵害
  • バイアスや倫理面の見落とし

入力情報の漏えいと個人情報保護法上の問題

生成AIで最も身近なリスクが、入力情報の漏えいです。個人情報保護委員会も、生成AIサービスへ個人情報を入力する際の注意を呼びかけています。社員が会社の許可していない無料ツールに業務情報を貼り付ける、いわゆるシャドーAIが広がると、管理の及ばないところで社外秘や顧客情報が外部に渡りかねません。

これは、利用目的の範囲を超えた取り扱いとして、個人情報保護法に触れる事態にもなりかねません。どのサービスで、どの情報まで扱ってよいかを社内で明確にし、社員がその線引きを理解していることが、漏えいを防ぐ出発点になります。

出典:生成AIサービスの利用に関する注意喚起(個人情報保護委員会)(2023)

誤った内容を事実と信じるハルシネーション

生成AIが、事実と異なる内容をもっともらしく出力することをハルシネーションと呼びます。実在しない統計や判例を引用したり、製品の仕様を実際とは違う数値で答えたりするのが典型です。注意が必要なのは、誤った内容ほど自信のある文章で示される点で、その分野に詳しくない人ほど見抜けません。

出どころを確かめないまま提案資料や顧客への回答に転用すれば、誤情報が社外に出て、会社の信頼を損ないかねません。生成物はあくまで下書きとして扱い、事実は人が確かめてから使うという前提を、組織で共有しておくことが重要になります。

気づかぬうちの著作権侵害

生成AIが出力した文章や画像が、学習元に含まれる既存の著作物と似てしまう場合があります。生成した画像が特定の作品やキャラクターに酷似する、文章が既存の記事と近い表現になる、といったケースです。文化庁は「AIと著作権に関する考え方について」を公表し、生成や利用の段階で起こりうる侵害と、確認しておくべき観点を整理しています。

似ていることに気づかないまま広告や記事として公開すれば、他者の権利を侵害するおそれがあります。社外に出す制作物は、既存の著作物との類似を確かめてから使う運用にしておくと安全です。

出典:AIと著作権に関する考え方について(文化庁)(2024)

バイアスや倫理面の見落とし

生成AIの出力には、学習したデータの偏りがそのまま表れることがあります。過去の傾向から学ぶ性質上、特定の属性に偏った人物像を示したり、ある立場に寄った説明を返したりする例も見られます。

これを採用の書類選考や人事評価のような、人に関わる業務で無批判に使えば、偏りを含んだまま不公平な判断につながりかねません。AI事業者ガイドラインも、公平性や安全性への配慮を利用者に求めています。出力をそのまま結論とせず、偏りがないか、業務上妥当かを人が点検する姿勢が欠かせません。

出典:AI事業者ガイドライン 第1.2版(総務省・経済産業省)(2026)

社員が実務のなかで生成AIリテラシーを高める方法

組織で底上げする前に、まず社員一人ひとりが実務のなかでどう力を伸ばすかを押さえておきます。育成を担う立場からは、現場に促すべき行動の指針にもなります。順序は次の4つです。

  1. まず実務で触れて得意と不得意を知る
  2. よく使う業務でプロンプトの型を覚える
  3. 公的ガイドラインで守るべき線を押さえる
  4. 最新情報を追い学び続ける

まず実務で触れて得意と不得意を知る

生成AIは、説明を読むより実際に使ってみるほうが理解が早く進みます。最初の一歩としては、要約や文案づくりのように、間違えても影響の小さい自分の業務で試すのが安全です。使ってみると、要約や下書きは得意でも、最新の事実や正確な計算は苦手だといった傾向が見えてきます。

こうした得意と不得意を自分の手で確かめておけば、何でもできると過信することも、まったく使えないと決めつけることも避けられます。体感を伴う理解が、その後の学びの土台になります。

よく使う業務でプロンプトの型を覚える

結果を安定させる鍵は、前提・目的・出力形式を具体的に伝えることです。たとえばメール作成なら、誰宛てに、何を依頼し、どんな語調で、何字程度でといった条件を毎回そろえて指示すると、品質のばらつきが小さくなります。うまくいった指示を「型」として書き留めておけば、次からはその型を呼び出すだけで一定の品質を再現できます。デジタルスキル標準でも、学んだ知識を自分の業務に当てはめて実践することが重視されており、型づくりはその実践を続ける具体的な手立てになります。

公的ガイドラインで守るべき線を押さえる

活用に慣れてきたら、入力してよい情報の範囲や出力の確認方法といった守るべき線を、公的な資料で押さえておきます。社内ルールだけに頼ると、その範囲を超えた判断が必要な場面で、よりどころを失いがちです。AI事業者ガイドラインは利用者が留意すべき点を、文化庁や個人情報保護委員会の資料はそれぞれ著作権や個人情報の観点を整理しています。出どころの確かな一次資料にあたっておくと、なぜそのルールが必要かまで理解でき、判断に迷ったときの基準になります。

最新情報を追い学び続ける

生成AIはモデルや機能の更新が速く、半年前には難しかった作業が当たり前にこなせるようになることも珍しくありません。一度身につけた知識も、放っておけば前提が古くなります。経済産業省の学習基盤「マナビDX」のような公的な学びの場や、ガイドラインの改訂を折に触れて確認し、定期的に知識を入れ替えることが大切です。変化の速い分野では、学び続ける姿勢そのものがリテラシーの一部になります。

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(IPA・経済産業省)(2026)
出典:デジタルスキル標準(経済産業省)(2026)

 

研修をしても現場で使われないのを立て直したいなら

現状の可視化から階層別研修、実務への定着までは、ひとつの流れとして設計して初めて機能します。本資料では、研修を「やりっぱなし」で終わらせない仕組みと、活用が広がらない状態を立て直した企業の成功事例を紹介しています。

\こんな方におすすめの資料です/

  • 研修後に活用が広がらず困っている
  • 学びを実務の定着までつなげたい
  • 立て直しに成功した事例を知りたい

組織で生成AIリテラシーを根づかせる5つのステップ

社員任せでは格差が広がる以上、組織として底上げする設計が要ります。ここで陥りやすいのが、研修を一度実施して終わりにすることです。知識を配っても、現場で使われなければ定着しません。根づかせるには、次の5つのステップを順に踏むことが有効です。

  1. 現状を可視化して到達目標を決める
  2. 経営層が自ら使って方針を示す
  3. 階層別に研修を設計する
  4. 各部門に推進役を置いて広げる
  5. 学びを実務に定着させる

現状を可視化して到達目標を決める

最初に行うのは、社員のリテラシーがいまどの水準にあるかを把握することです。現状が見えないまま全員へ同じ研修を流すと、すでに使いこなしている社員には物足りず、苦手な社員には難しすぎる、というどちらにも届かない結果になりがちです。

アセスメントで一人ひとりの現在地を測り、部署や役割ごとに到達してほしい水準を定めれば、誰に何を学んでもらうかという優先順位がはっきりします。最初に出発点をそろえておくことが、その後の施策の精度を高めます。

経営層が自ら使って方針を示す

活用が定着している組織には、経営層が自ら生成AIを使い、活用の方針を明確に打ち出しているという特徴があります。トップが「この範囲なら積極的に使ってよい」「ここは注意する」と線引きを言葉で示すと、現場は安心して試せます。

方針が曖昧なままでは、社員は情報漏えいなどのリスクを恐れて手を出せず、研修で学んだ内容も使われずに終わってしまうでしょう。号令をかけるだけでなく、経営層が実際に使って見せる姿が、現場の背中を押す何よりのメッセージになります。

階層別に研修を設計する

経営層・管理職・現場では、生成AIに対して求められる理解が異なります。経営層には投資判断とガバナンスの視点が、管理職には自部門の業務へどう落とし込むかが、現場には日々の安全な使い方が問われます。

同じ内容を全社員へ一律に流すと、自分の立場と結びつかず、研修を受けても行動は変わりません。階層ごとに内容と到達目標を分ければ、それぞれが自分の仕事でどう使うかを持ち帰れます。

各部門に推進役を置いて広げる

研修部門だけで全社に広げるには限界があります。業務の中身は部門ごとに異なり、現場で本当に役立つ使い方は、その仕事を知る人にしか見つけられません。そこで各部門に活用の推進役を置き、自部門に合った使い方を見つけて横展開する形が効果的です。

フジパンは全社員を対象にした生成AIのコンテストを実施し、425件の応募を集めました。受賞した優れた指示は社内テンプレートとして登録され、一人の工夫が全社の資産として共有されています。身近な同僚が成果を出している姿は、研修以上に、自分にもできそうだという気持ちを引き出します。

出典:フジパンの生成AI活用事例(エクサウィザーズ)(2025)

学びを実務に定着させる

研修の成果は、日々の業務で使われ続けて初めて定着します。学んだ直後は使えても、きっかけがなければ元のやり方に戻ってしまうためです。サッポロホールディングスは450名規模の基礎講習を起点に、推進人材の育成や自社業務に合わせたプロンプトの共同開発などの施策を重ね、月間の利用者割合を約56%まで高めました。利用状況を測って活発な部署の使い方を共有する、業務の手順そのものに生成AIを組み込むなど、使う場面を仕事のなかに埋め込むことが、一過性で終わらせない要になります。

出典:サッポロホールディングスの生成AI活用事例(エクサウィザーズ)(2024)
出典:令和7年版 情報通信白書(総務省)(2025)

可視化から定着までまとめて支援してほしいなら

本記事で挙げた、現状の可視化、階層別研修、実務への定着という流れは、AX人材育成ソリューションでまとめて進められます。研修を実施しても活用が広がらないときの立て直しにも役立ちます。

▶ AX人材育成ソリューションを見る

生成AIの活用を全社に定着させた企業の事例

育成を軸に成果を上げた企業には、現状の可視化・使う文化の醸成・育成組織による定着という共通点があります。代表的な3社の取り組みと成果は次のとおりです。

企業 主な取り組み 主な成果
フジパン 全社員を対象とした生成AIコンテストの実施、ノウハウを全社共有する仕組みを整備 425件の応募/月あたり約295人日の業務時間削減
サッポロホールディングス 基礎講習と推進人材の育成 月間利用率約56%/5か月で約5,000時間削減
イオン DX育成組織による全業態への導入支援 90社1,000人に3か月で導入し高い利用率を維持

図表:3社の取り組みと主な成果

フジパンは全社コンテストで使う文化を広げ月約295人日を削減した

フジパンは、全社員を対象とした「生成AIチャレンジコンテスト」を実施し、425件の応募を集めました。自己申告ベースの集計では、月あたり約295人日分の業務時間削減に相当する成果が出ています。受賞した指示は社内テンプレートとして全社に共有され、コンテストをきっかけに、生成AIへの心理的なハードルが大きく下がりました。「導入したが使われない」という課題を、使ってみる文化づくりで乗り越えた事例です。

出典:フジパンの生成AI活用事例(エクサウィザーズ)(2025)

サッポロホールディングスは講習と推進人材の育成で月間利用率を約56%に高めた

サッポロホールディングスは、450名規模の基礎講習会を皮切りに、推進人材の育成や自社業務に合わせたプロンプトの共同開発など、複数の施策を組み合わせました。その結果、月間の利用者割合は約56%に達し、試験導入から5か月で約5,000時間、年間では1万時間を超える削減効果を見込みます。

利用の活発な社員が社内制度を使ってDX部門に加わるなど、現場と推進側のあいだに循環も生まれています。

出典:サッポロホールディングスの生成AI活用事例(エクサウィザーズ)(2024)

イオンはDX育成組織を軸に90社1,000人へ3か月で定着させた

イオンは、全業態90社・1,000人に対し、生成AIを3か月で導入しました。鍵となったのは、社内のDX育成組織が活用と定着を支えたことです。導入して終わりではなく、育成の枠組みのなかで使われ方を広げたことで、高い利用率を維持しています。組織として育成の受け皿を持つことが、全社展開の速さと定着を両立させました。

出典:イオンの生成AI活用事例(エクサウィザーズ)(2024)

研修から定着まで支えるAX人材育成という選択肢

生成AIリテラシーの成否は、現状の可視化から階層別の育成、実務への定着までを一貫して設計できるかどうかで分かれます。「学んでも現場で使われない」という壁を越えるには、育成と定着をひとつの流れとして支える仕組みが有効です。

エクサウィザーズの「AX人材育成ソリューション」は、AIとの協働を前提に、育成から実務定着までをワンストップで支援します。デジタルスキル標準に準拠したアセスメント「DX人材アセスメント(DIA)」で社員の現在地を可視化し、経営層・管理職・現場という階層別の研修と、AIの基礎から実務適用までを学べるeラーニング「AIリテラシーコース」を組み合わせます。アセスメントの結果に応じて研修を推奨することで、一人ひとりに合った学びを設計でき、学んだ内容が現場で使われる状態づくりまでを後押しします。

生成AIリテラシーを全社で底上げしたい、研修を実施しても活用が広がらないといった課題があれば、現状の可視化から始める育成の設計が、解決の足がかりになります。

出典:AX人材育成ソリューション(エクサウィザーズ)

まとめ

生成AIリテラシーとは、生成AIを正しく理解し、リスクを抑えながら業務で使いこなして成果につなげる力です。普及が進んだいま、つまずきの要因はツールではなく使いこなす力の不足にあり、研修で知識を配るだけでは現場で使われません。問われるのは「どう組織に根づかせるか」です。

そのためには、社員一人ひとりが実務で触れて学びながら、組織としては現状の可視化、経営層の率先、階層別の研修、推進役による横展開、実務への定着までを順に設計することが要ります。生成AIからAIエージェントへと使われ方が広がる2026年は、人がAIに任せる範囲を見極める力まで含めて、求められるリテラシーの更新が続きます。まずは社員の現在地を可視化し、誰に何をどこまで身につけてもらうかを定めるところから始めるのが、確かな第一歩になります。

よくある質問

著者

エクサウィザーズが誇るAIエンジニアや、DXコンサルタントを始めとするプロフェッショナルの監修の元、マーケティンググループが監修・執筆しています。