11-4-2021ニュースダイジェスト
公開日
2021.11.15
更新日
2026.06.17

ここ最近、個人的に気になった世界のテクノロジー関連ニュースを集めました。この記事は、会員向けの限定公開記事です。一部未確認のうわさや個人的見解を含みますので、一般公開はご遠慮ください。
AIやバイオテクノロジー、ブレインテックの発達で、人類は遺伝子や脳を操作するようになるからだが、そうなれば人類や社会はどうなっていくのか。
ユヴァル・ノア・ハラリは、金持ちが自分たちの能力を改良し進化し続けることで「ホモデウス(神の人類)」となり、一般人のホモサピエンスとは別の進化を始める可能性がある、と語っている。
今読んでいるBarbar Marx Hubbard著Conscious Evolutionという本では、人類は地球外でも生活できるように遺伝子を改良し、「ホモユニバーサリス(宇宙人類)」に進化すると予測する。
どちらも人類が自分で自分の進化の方向性を決めるようになるという点では同じ意見だが、ハラリは悲観的、Hubbardは楽観的なシナリオな予測と言える。
といってもハラリは、人類が間違った方向に進化しないように最悪のシナリオを示しているだけ、とハラリは語っているし、Hubbardは人類が滅亡する可能性もあることを指摘している。
Hubbardは、人類が進化し続けられるか滅亡するかは、人類が精神的に成熟するかどうかにかかっているという。利己的でお子ちゃまの精神のままでは滅亡するだろうし、自分以外のものに対しても思いやりを持てる大人の精神状態になれば、進化を続けることができるとしている。
傾向としては、若者のほうが環境問題に熱心だったり、マナーのいい人が多いような気がする。人類の精神状態は成熟の方向に進んでいるように思う。Hubbardによると、こうした価値観変化に加えて、バイオ、AIなどのテクノロジーの進化から見て、人類が宇宙人類という次の進化の時代に差し掛かっている可能性があるという。
確かに最近のニュースを見ると、宇宙への移住が現実味を帯びてきている気がする。今世紀中には大気圏外の居住空間への移住が始まるんじゃないだろうか。
火星の復路の燃料生成のアイデア
米ジョージア工科大学は、火星に行った際の帰りの燃料を作り出すアイデアを考案したと発表した。
火星にある素材をロケット燃料に変えるという試み。火星には二酸化炭素、日光、氷が存在する。地球から藍藻という藻を持っていけば、二酸化炭素と太陽光で、砂糖を作れる。それに地球から持っていった遺伝子操作した大腸菌を加えれば、ロケット燃料になるブタンジオールに変換することができるという。(情報源:News. Gatech.edu)
月面での自給自足を目指す農水省
正式名称は「月面などにおける長期滞在を支えるこうど資源循環型食料供給システム」。日本も、宇宙基地時代に向けて動き出している。
ゼロカーボン宣言しても叩かれるサウジアラビア
サウジアラビアが2060年までに二酸化炭素排出をゼロにする宣言をしたのに、裏では国連の規制強化に反対のロビー活動をしていた、とAP通信が報じている。
急速にゼロカーボン化を進めると、石油の価格が乱高下して石油不足になるというのがサウジの主張らしい。急に石油が売れなくなったら困るというのが本音だと思う。
国際世論と本音の板挟みで、苦しいんだろうなとは思う。
なので僕はサウジアラビアを批判したいというより、世界の価値観変化ってものすごい速度で変化しているということを指摘したい。
表面だけいいことを言ってても、本音を見破られてしまう。国や企業、有名人だけではなくて、誰でもが急速な価値観変化に敏感にならなければいけない時代になってきた。女性蔑視発言の政治家や、過去のいじめを自慢したクリエーターの二の舞になってしまいそう。
国連が今年1月に発表した世界50ヵ国の世論調査によると、環境問題に関する規制強化を求める声が過半数に達したという。こうした国際世論の高まりの中、英BBCの調査によると国連に対し規制を強化しないようロビー活動していた国は、サウジアラビア、オーストラリア、日本の3つらしい。
国連が今年1月に発表した世界50ヵ国の世論調査によると、環境問題に関する規制強化を求める声が過半数に達したという。こうした国際世論の高まりの中、英BBCの調査によると国連に対し規制を強化しないようロビー活動していた国は、サウジアラビア、オーストラリア、日本の3つらしい。
テスラへのパナソニックの車載電池提供は「勢力図を塗り替えるビッグニュース」
パナソニックがテスラ向けに車載電池を提供するという話。米の自動車ジャーナリストが「Game changer(勢力図を塗り替えるようなビッグニュース)」と報じていた。電池容量は5倍だし、生産コストは1/2、しかも2030年までにはパナの生産能力が100倍になる。この3つで、テスラにとってgame changerバッテリーになる、と絶賛している。
本当のところはどうなのか。友人の在シリコンバレーの専門家に話を聞いてみた。以下、彼のメッセージのコピペ。
はい、このNEWSは先週こちらでもやってましたが、実現すれば凄いことです。テスラがなぜPANASONICと組んでいるかというと今のところ市場レベルで最も高性能で価格の安いLIBを供給できるからです。PANASONICがなぜ安い電池を供給できるかというと、まず、その構造がLGやSAMSUNG, CATLの積層タイプと異なり、CELL(乾電池型)だからです。つまり1.乾電池(単3サイズ)なので、彼らの持っている旧三洋も含めた既存の生産設備を流用できるため設備投資が不要。2.既に確立されたプロセスなので、歩留まりがかなり良い。に加え、リチウムイオン電池に関しては既に1999年代の終わりからR&Dを行っているので、能力向上に時間がかからない。という点です。積層型の場合、勿論、既に生産は確立されていますが、まだまだ新しい分野のため、歩留まりも悪く、開発プロセスに時間がかかります。しかしながら、今年から来年にかけて続々と各社のEVがリリースされる中で、今の半導体不足に加え、間違いなく電池不足の状態が顕著になってくる
そんな中で、既に同じ生産ラインと品質、生産技術をもったPANAがそのインフラをそのまま利用して生産できる電池を開発したとなれば、これは間違いなくGAME CHANGERになるかと思います。テスラとしては自社ブランドで、この性能を確保できれば圧倒的な差で他社を退けることが可能になるはずです。EVの根幹はやはり電池です。たとえアップルがどんなに凄いカッコイイデザインのEVを発表したとしても電池の能力が低ければ、売れることはないと思います。アップルにかぎらずポルシェもメルセデスもEVの場合は電池の性能で売れるか売れないかがきまってしまいます。これをTESLAはわかっているからPANAに限らず可能性のある電池メーカーにはツバを付けている感じですね。
AIでクジラの言語を解析できるか
英ロンドン帝国大学の研究者たちが、AIを使ってクジラの言語を解析するプロジェクトに取り組んでいる。(情報源:Hakai magazine)
そもそもクジラの発声は言語なのか?言語を操れるのは人間だけじゃないのか?確か言語を操れることが人間の特徴で、人間以外は言語を持たないって、学校で習った記憶があるぞ。
言語として成立するには3つの条件があるらしい。1つは音に意味があること。シベリアンジェイという鳥は、意味を持つ25の発声を持っているらしい。2つ目は、文法があること。2つ以上の単語(発声)の順番が意味を持つ必要がある。鳥には危険を知らせる複数の発声の順番があって、録音した発声の順番を逆にして再生しても、他の鳥はあまり反応しなかったという。これは文法を持っているということになる。
3つ目の条件は、後天的に学習した発声であるということ。犬の鳴き声は、怒っているとき、怯えているとき、困ったときで異なるが、これらの鳴き声は学習せずに自然と出る音なので、言語ではない。ところがイルカは、1頭、1頭を示す鳴き声があって、それが名前の役割をしているらしい。つまりグループの中で生活する中で学習した発声ということになる。
なので動物も言語を持っているということになるわけだが、果たして人間の脳よりも大きな脳を持つクジラは、言語を操って何をしゃべっているのだろうか。
このプロジェクトがやろうとしているのは、人間の言語モデルと同様のモデルを作ろうというもの。OpenAIの言語モデルGPTー3は、2、3の単語を入力すると、それを含むそれっぽいブログの記事を書くことができる。これはどんな仕組みかというと、GPT-3は1750億個の単語で学習。「この単語の次にはこの単語がくる確率が高い」という予測を統計的に導き出せるようになっている。あとは次に続く確率が高い単語を並べていくだけで、もっともらしい文章になるという仕組みだ。
GPT-3を使ってチャットボットを作れば、それっぽい会話ができる。一時期話題になった女子高生AIチャットボット「りんな」もそんな仕組み。
このクジラのプロジェクトでは10万個近くのクジラ同士の発声のやり取りを録音し、それをAIで解析。クジラのAIチャットボットを作ろうというもの。
問題はチャットボットはそれらしい受け答えはできても、その意味をまったく理解できないということ。そこでクジラの行動データも一緒に収集し、どんな発声のあとにどんな行動を取るのか、というパターンを認識。そうすることで言語の意味を理解できるのではないか、という実験だ。
クジラの発声の意味が分かるのも興味深いけど、意味が分からないけど、対話し続けているという結果になってもおもしろそう。「こっちに餌があるぞ」「こっちは危険だぞ」というような会話以外の会話って、一体どんなことを話しているんだろう。子育ての悩みとかを相談してたりしてw。
iPhoneのプライバシー設定変更で、ネット企業の被害額100億ドルに
iPhoneのOSをアップデートしてから、アプリやウェブサイトごとに「プライバシー設定をしてください」というポップアップが表示されるようになって、うざくて仕方がない。でも全部OKとするのも悔しいので、できるだけ設定しようとしているんだけど、このポップアップのおかげで、ネット企業4社のターゲティング広告の精度が低下し、広告収入が激減しているらしい。
広告テック会社Lotame社の調べによると、iPhoneのこのポップアップ表示で、Facebook、Twitter、YouTube、Snap4社の今年下期の売上が12%減少、98億5000万ドルの損失になるという。
減少した広告費は、よりコスパのいいTikTokなどの新興メディアに移行しているもよう。
Facebookなどの大手は、広告アルゴリズムを再構築する必要があるんだろうけど、完成するまでしばらく時間がかかりそう。
やはりAppleの影響力ってハンパない。(情報源:Financial Times)
リモートワークの是非の総括
英エコノミスト誌によると、コロナ禍で始まったリモートワークに関する調査がそろそろ出揃ったもよう。
2020年2月には米国のビジネスパーソンがリモートワークをしていた時間は全体の5%だったのが、同年5月には60%になり、コロナ禍がひと段落ついた今でも40%で推移。今後も先進国では、この状況が継続されるものと見られているという。
果たして出社とリモートでは、どちらのほうが生産性が高いのか。調査結果が数多く出ているが、出社のほうが生産性が高いとするレポートのほうが少数派で、大半はリモートのほうが生産性が高いという結果が出ている。
とはいえ出社には出社のメリットがあり、今後は出社、リモートのハイブリットが一般的になるだろうとしている。というのがエコノミスト誌の総括。
まあそうだろうね。
あと勤務体制を見れば、その会社の労使の力関係が分かる気がする。経営者にしてみれば、全員出社しているほうが社員の動きを把握しやすいだろうし、若い従業員にしてみればリモートのほうが通勤地獄からも解放されるのでうれしいんじゃないかな。なのでワンマン経営者には、全員出社を強要するところが多いだろうし、若い優秀な人材で構成されている組織では「出社を強要するなら、転職しちゃうからね」と社員に言われれば、リモートを認めざるをえないような気がする。
リモートの結果、米で郊外の経済が活況
米国のリモートワークに関してはいろんなレポートがあるんだけど、少なくとも13%から45%の社会人が部分的もしくは完全なリモートワークを続けているらしい。その結果、どうなるのかというと郊外の経済が活況になっていく。
Wall Street Journalの調べによると、2020年は都心から郊外に引っ越した人の数が通年より43%も多かったという。
日本ではどの程度の変化があるんだろうか。(情報源:Vox)
ニューロマーケティング市場の急拡大は必至
負けるとみられていたドナルド・トランプ氏が2016年の大統領選を勝てたのは、ニューロマーケティングが奏功したからだ、という説がある。認知心理学の「適合性理論」によると、有権者は自分の性格、性質などと同じものを持っている候補者に対する好感度が高くなる傾向がある。これを利用してトランプ陣営は、SNS上の書き込みや写真などの膨大なデータを収集し、AIを使ってユーザー一人一人の性格などを推測。その性格に合ったトランプ氏の発言、行動などが含まれる記事が表示されるような広告を出したのだと言われている。
こうした手法はニューロマーケティングと呼ばれ、以前からあるマーケティング手法だが、ブレインテックの進化で今後ますます精度が向上し、利用する企業が増えるものとみられている。
Value Market Research社の推計によると、2018年のニューロマーケティング市場の規模が3億3750万ドルだったのが、2025年には7700億ドルに一気に膨れ上がる見通しだという。NeuroFocus、Spark Neuro、 Imotions、Immersion Neuroなど、専門の事業者も増えてきているらしい。
この動きは止められないだろうけど、悪用をふせぐためのガイドラインの策定とかが必要になってくるだろうなあ。(情報源:NEO.LIFE)