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【DXで再注目】データドリブン経営で意思決定のスピードアップ|課題や事例も紹介

DX時代において、10年以上前から使用されている「データドリブン」という言葉が再び注目されています。デジタルの活用が前提になるDX時代では、分析したデータを適切にビジネスに活用することが求められるからです。本記事では、データドリブンの重要性や仕組み、注意事項などを詳しく解説します。

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目次

データドリブン経営とは

以下では、DX時代に重要視されているデータドリブン経営の概要と、日本企業におけるデータ活用の現状 について解説します。

データドリブン経営とは

データドリブン経営という言葉に明確な定義はありませんが、データドリブン経営とはデータを蓄積・解析して経営戦略などの意思決定を行い、業績の向上を図る経営手法のことを指して言われることが多いです。

デジタル化によって情報量が膨大となった現代では、多様化・複雑化した消費者行動に柔軟に対応するためにビッグデータを用いた需要予測を行うなど、会社全体としてデータ活用を前提として経営が求められます。

日本企業におけるデータ活用の現状

デジタル化の進展に伴い、データを活用したデータドリブン経営への転換が急務となっています。しかしながら、ガートナージャパンが2024年1月に発表したプレスリリースでは、データを活用したビジネスへの関心は高いものの、全社的に成果を得ている企業が依然として少ないことを示唆しています。

本調査では回答者が所属する企業のデータ利活用の状況及び組織的な取り組みについて尋ねたところ、約6割が「該当するものがない」と答えています。

 

 

このように、企業としてデータの利活用に対する重要性は理解しつつも、具体的な取り組みや組織体制の構築が進んでいないことが浮き彫りになりました。

また、データの管理状況に対する質問では、半数以上の回答者が「分からない」と答えており、データ管理の権限や取り扱いルールや、組織体制を定めているといった回答は極めて少ない結果となりました。

 

 

これらの結果から、日本企業の多くはビジネスを進める上で、データの取り扱いが組織的に行われておらず、かつガバナンスも効いていない現状が明らかになっています。

出典:『日本企業のデータ活用に関する最新の調査結果を発表』ガートナー 2024年1月29日

データドリブン経営が求められる背景

データドリブン経営の目的は、競合優位の状態を作り出すことです。ここではなぜ今、データドリブン経営が求められるのか、その背景を紐解いていきましょう。

消費者のニーズが多様化・複雑化している

近年、消費者のニーズや行動は多様化・複雑化しています。インターネットやSNSの発達により、消費者は膨大な情報を得るようになりました。それにより、自分の趣味・嗜好を完全に満たす商品やサービスを探しやすくなったのです。

企業が成長を続けるには、このように細分化・複雑化する消費者のニーズに応えていくことが欠かせません。そのためには、データ活用により消費者の属性や嗜好を分析したうえで、求められる商品・サービスを提供しなければならないのです。

業務の複雑化・多様化が進んでいる

多様化・複雑化する消費者ニーズに対応するには、業務も複雑化・多様化することは避けられません。顧客に満足してもらえる商品やサービスを提供するには、ニーズに沿うように業務プロセスやオペレーションを変えていく必要があるためです。

このように細分化する業務に、すべて人の手で対応するには限界があります。従業員の負荷は増大し、労務をはじめとしたさまざまな問題が発生するからです。限られた経営資源で業績を最大化するには、データを根拠にした判断により、手がける商品やサービスを選択し、注力できる環境を整備する必要があるでしょう。

目まぐるしいビジネス環境に変化対応を迫られる

変化・多様化の激しい現代のビジネス環境において、意思決定のスピードは企業成長を左右する重要なファクターとなっています。意思決定の根拠として、データの重要性が認識されはじめたのは自然な流れといえるでしょう。

市場の不確実性が増すなか、消費者ニーズや社会・業界の変化、競合の動向を敏感に察知し変化対応するのは容易なことではありません。そういった兆候を逃さず、事業の方向性を見誤らないためにも、データを有効活用する必要があるのです。

IT技術の進化によりデータ活用が容易になった

データ活用の重要性が強く認識されるようになった背景には、IT技術の進化によりデータの収集が容易になったことが挙げられます。これまで、人の手によるデータの収集・管理には限界がありました。スマートフォンの普及によって様々なデータを取得できるようになり、それに伴いビッグデータを可視化・分析できるツールも発展してきました。

さらに、ノーコードで事業や担当者にあわせてカスタムできるツールも増えており、ITリテラシーが大きな障壁にならなくなったことも理由としてあげられます。

こうした状況は競合各社も同じであり、競合優位の状況を作り出すには、データをいかに活用するかが重要です。データから何を読み取り、それをどのように戦略に活かすかが、競合との差別化の重要な要素となってきます。

データドリブン経営のメリット

データドリブン経営には、以下3つのメリットがあります。

リアルタイムに状況が把握できスピードが上がる

データドリブン経営へ転換すると、リアルタイムにデータに基づいた判断ができます。今まではデータを取得し共有するまでに数日~数週間かかっていたようなデータでも今の技術を使えば数秒で綺麗な状態で見えるようになってきました。

例えばBtoBビジネスにおいては、SFAツールを使うことで現時点の会社の売上予実や高確度案件の見込みなどがリアルタイムにわかります。それによりスピードのある意思決定が実現できます。

客観的で根拠のある意思決定ができる

データドリブン経営では、主観や定性的な判断がなくなり、スムーズな意思決定につながります。

従来の企業文化では、勘・経験・度胸の「KKD経営」となってしまっている企業も多かったですが、説得力に欠け、「あの人が言っているから正しそう」と本質的でない意思決定になる傾向があったため、周囲の納得を得るのが難しいという課題がありました。一方で、データドリブン経営では、主張を裏付けるデータや数値を用いた意思決定ができ、周りもその意思決定に納得しやすいメリットがあります。

消費者ニーズの把握によりサービス改善や新規事業につながる

データにもとづいた経営や事業の判断によって、これまでと違ったアイデアにつながったり、新たな顧客の課題やニーズに気づく機会を得られることがあります。例えば、膨大なデータを詳細に分析していくプロセスで、分析の角度を変えることにより、新たな購買層を発見することがあるかもしれません。

データ活用により消費者ニーズを詳細に把握できるため、ニッチな需要を発見し自社の既存商品をアレンジして訴求することも可能です。データという客観的な根拠があることで、確信をもって商品やサービス改善や新たな購買層へのアプローチができます。こうした流れが集約され、新規事業に発展していくこともあるでしょう。

ムリ・ムダ・ムラのない経営が可能になる

これまでは、経営層や幹部社員の経験則や勘による意思決定によって、進められていたケースもあるでしょう。創業期や黎明期はそれでも成り立っていましたが、現在ではニーズが複雑化・多様化し、さらに変化が激しい環境となっていることから、勘や経験則だけでは適切ではない判断を下すことができないケースも増えてきました。

こうした不適切な判断はムリ・ムラ・ムダの原因となり、現場の社員を疲弊させ業績にも悪影響を及ぼします。客観的なデータを根拠にすることで健全な経営判断につながり、事業のムリ・ムダ・ムラを排除し、業務の効率化や業績の向上を見込むことができます。

データドリブン経営で陥りがちな課題

データドリブン経営に転換すると、先述したようなさまざまなメリットを得られます。しかし、データドリブン経営への取り組みだけでは思うような成果は得られません。以下では、データドリブン経営で陥りがちな課題を7つ紹介します。

経営がコミットしない

データドリブン経営を成功へと導くためには、経営者および経営陣のコミットメントが重要です。今までデータ活用があまりされていなかった会社で急に方針転換をして現場社員に丸投げしてしまうと、部署間で軋轢(あつれき)が発生したりデータドリブン経営を反対する声が高まったりする恐れがあります。

そのため、まずはトップがデータドリブン経営について正しく理解し、ビジョンや経営方針、重要性を社員に発信し、社内に浸透させることが大切です。それでも現場だけだとスピードが遅くなることがあるので、経営が介入してドラスティックに推進することが求められる場面もあるでしょう。

ツール導入先行で進めてしまう

目的がはっきりしないままツールを導入してしまうとうまく活用できず、社員にも浸透せず、結果として成果につながらない可能性があります。抱える顧客や課題、ビジネス手法などは会社によって異なるため、ツール導入前には「なぜこのツールを導入するのか」「このツールを活用してどんな課題を解説したいのか」などを明確にしましょう。

今あるデータの活用から考えてしまう

コスト削減や時間の短縮などで、「今あるデータで何とかできないか」と考えてしまうのは危険です。なんとなくスタートを切ってしまうと成果が出ないことに加え、業務効率も落ちてしまいます。また、成果が出たとしても正しい測定を行えないでしょう。

そのため、目標や目的、課題、仮説をしっかりもって必要なツールやデータなどの環境を揃えていくことが大切です。

データのサイロ化

データのサイロ化とは、社内データの保管先が分散しており、システム間・部門間のデータ連携が行われない状態です。サイロ化している場合、データ連携がされていれば得られたはずの示唆が得られなかったり、管理コストが膨大になっていたりと非常に勿体無い状況といえます。

データがサイロ化せずシステム間・部門間で綺麗にデータが連動し、各部署が一定の権限で自由に分析したり施策に活用できる場合、業務の効率化・自動化、サービスの品質向上、コストダウンなど大きなメリットが得られます。

意思統一・相互理解がないまま進めてしまう

全社的なデータ活用が進まない原因の一つに、部門間・幹部社員・現場の担当者の間にデータ活用に対する考え方の温度差があることが挙げられます。各部門の管理者や現場のキーパーソンの意思統一が不十分なまま進めてしまうと、こうした現象が起きがちです。

データ活用を全社の施策として推進する場合、部門や個人により、認識が違う状態は避けなくてはなりません。なぜ、会社がデータ活用を重要視するのかを明確に打ち出し、共通認識としましょう。データ活用を通じてどのような価値を生み出そうとしているのか、それがどのように会社にメリットを及ぼすのかを、それぞれの立場で理解できるよう説明を尽くさなくてはなりません。

専門スキルをもった人材の確保・育成が進まない

データ活用のスペシャリストの不在も、データドリブン経営推進の足かせとなります。データ活用の重要性を多くの企業が認識するなか、専門スキルをもった人材を新たに採用することは困難を極めるでしょう。社内の既存人材を抜擢し育成するにしても、時間がかかるだけでなく、そもそも育成を担う人材がいません。

データを適切に扱える専門人材が社内にいない場合、外部人材に頼ることになります。確かに、外部のデータサイエンティストは、データの取り扱いに関しては専門家です。しかし、自社のビジネスに関して、細かいところまでを把握しているわけではありません。このような状態で外部に丸投げするのではなく、あくまで推進者や企画者が旗振りを行いながら、データ活用や人材の育成につながるように進める必要があります。

データの収集のみが目的となってしまう

データドリブン経営で大切なのは、収集・分析したデータを施策に活かすことです。データという根拠に基づいた意思決定により有効な施策を講じ、高い精度をもって施策を成功に導くことを目的としています。

しかし、データドリブン経営で陥りがちなのが、データの収集のみが目的となってしまい、肝心の意思決定に活用されないことです。データを集めるが分析に時間をかけすぎるあまり、意思決定のスピードが鈍ることもあるかもしれません。データはあくまで手段であり、アクションにつながらないデータ収集は無駄であることを共通認識としましょう。

 

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データドリブン経営を構築する要素

データドリブン経営を実現するにあたって、どのような思想や人材、ツールが必要なのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

データを扱う組織文化

データドリブン経営を成功させるためには、企業文化全体を変えることが重要です。経営やリーダーがいくら優秀で推進していこうとしても文化のせいで失敗に終わるケースがあります。

企業文化を構成する要素としてはビジョンや習慣、人材、マネジメント方法、オフィスや場所、歴史(創業背景や吸収合併、成功した事業や大きな失敗など)など多岐にわたります。

企業がまだ小さいフェーズや、DX推進の機運が立ち上がりはじめたとき、ワンマン経営の場合などは経営層などのリーダーの強烈なコミットで前進しますが、大きい会社で長期的にデータドリブン経営を根付かせるためには組織文化の変革も欠かせません。

例えば、データ活用することのメリットをよく理解してもらい、データ活用やスキルを評価制度に組み込むことで社員が自らデータ活用を推進するようになるかもしれません。

データを扱える人材

先ほどの「日本におけるデータ利活用の実情」に関する調査で、ビジネス成果獲得の阻害要因に「スキルや人員の不足(58%)」と「データ・リテラシーの不足(58%)」とあったとおり、データドリブン経営を取り入れるにあたって、データを扱える人材は不可欠です。

データドリブン経営では、データを実際のビジネスに落とし込むことが重要です。そのため、データ分析やデータ処理に関する知識だけではなく、マーケティングの知識や論理的思考力、統計学の知識などをもっている人材や、仮説思想を用いたデータを基にPDCAを回せる人材、関係各署を巻き込みながら推進していく力のある人材がいると安心でしょう。

データを扱う職種としては「データサイエンティスト」が近年注目されています。データサイエンティストとは統計学や最新の技術などを用いてデータを分析し有益な示唆やビジネス課題の解決策を導き出す職種のことです。

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データを取得・蓄積・分析する環境

データを解析するためにはまず、データを適切な形で取得して蓄積できるシステムが必要です。データの取得・蓄積には主に「データレイク(ローデータを保存)」→「データウェアハハウス(データを時系列や目的別に整理)」→「利用部門や用途に応じて必要なものだけを抽出したデータセット」という順番で整理します。

データを取得・蓄積ができたら次は分析です。データ取得・蓄積するシステムに分析機能までついている場合もあれば、BIツールなどのように分析やビジュアライズに特化したものもあります。

これらができるツールの例は下記のようなものです。

 

Azure Synapse Analytics

データ統合・データ整理・分析ができるツールです。Microsoftのツールを使っている企業は扱いやすいでしょう。

 

Amazon Redshift

SQLを使用してデータウェアハウス、運用データベース、データレイクなどを分析します。AWSが設計したハードウェアと機械学習を利用できるツール。AWSを利用している企業は導入を検討してみましょう。

データを分析するツール

蓄積したデータを分析するためのツールも不可欠です。よく使用されているツールには、以下のようなものがあります。

  • BI:社内に蓄積しているデータを分析・見える化するツール。
  • MA:マーケティング活動をサポートするためのツール。 顧客情報の取得・蓄積・管理のほか、見込み顧客を育成するための施策などを自動化・効率化することが可能。
  • SFA:営業活動全般を効率化できるツール。主に案件管理や顧客管理などの効率化・自動化ができる。
  • CRM:顧客管理を行うツール。顧客の基本情報や購買・クレーム履歴などを管理できたり、購入単価やポイント使用率などが分析できたりする。

ツールにはさまざまな種類のものがあるため、用途に合ったものを選びましょう。

データドリブン経営の進め方

データドリブン経営の流れについて、詳しく見ていきましょう。

データ活用の目的・ロードマップを策定

まずは、データドリブンの組織文化の構築やツール導入などの軸となるデータ活用の目的を明確にしましょう。「経営判断にどのようなデータが必要なのか」「どのようなデータが影響を及ぼすのか」を精査して必要なデータを定義し、ロードマップに落とし込みます。

DXで重要なデータの活用方法とポイントを解説!データを活用する職種やデータ一覧も紹介

データを活用する人材のアサイン・チームの構築

次に、データを活用する人材のアサインとチームを構成し、データ分析を行います。データ分析についての知識ある人材が社内にいない場合は、人材育成にも注力しましょう。

成功事例を社内で共有・展開する

データドリブン経営に対する意識を高めるためにも、成功事例を積極的に展開・共有しましょう。成功の秘訣を紐解いてより具体的に伝えていくことで、社内にもノウハウが溜まっていきます。

データドリブンな意識を全社に定着させる

データドリブンの重要性や成功事例を繰り返し伝え、徐々にデータドリブンなマインドを全社に定着させましょう。データデブリン経営を全社に定着させると、自社の経営状況を客観的なデータとして可視化でき、現状の課題や解決すべき問題を具体的な数値として把握できます。

それによって、社員一人ひとりの役割も明確になり、組織全体の成長促進につながるでしょう。

データドリブン経営を成功させるポイント

データドリブン経営を成功させるには、経営層から現場の社員まで同じ意識でデータ活用に取り組むことが必要です。確実に成功させるには、組織文化を変革するところまで踏み込まなくてはなりません。

業務へのデータ利用を確実に進めさせること

データ利用が確実に進むように、業務プロセスを見直すことも必要です。そのためには、データ活用が容易になる環境整備をしなくてはなりません。サイロ化されたデータを一元化することや、必要なデータに簡単にアクセスし、使いやすい形に加工できるツールの導入などを推進していきましょう。こうした環境整備と並行して、従業員の意識を高めていく啓蒙活動にも取り組む必要があります。

意思決定の機会を逃さないこと

重要な意思決定の場面で、必要なデータをタイムリーに取り出せるようにしておくことも重要です。データの抽出や加工に時間がかかるようだと、意思決定のスピードを鈍らせ、機会損失につながるかもしれません。こうしたことが頻発すると、経営層のデータ活用に対する意識が低下してしまいます。そのため、DXにおいては経営や事業の判断材料となるデータは可視化、モニタリングする習慣をつける必要があります。BIツールの活用やダッシュボードを整備し、意思決定を逃さない、データ活用ができる環境の整備も進めておきましょう。

データに基づいた判断を重視する組織文化を醸成すること

データ活用を全社的に進めていくためには、最終的に組織文化の変革にまで手をつけていく必要があります。まずは部署やチームの目標にあわせて、データを可視化、モニタリングする習慣をつけるような周知、環境整備を進めましょう。意思決定に使えるデータにすぐアクセスできないと、組織への浸透はなかなかしないものです。

そのうえで、日々の業務のなかで意思決定や判断には必ず根拠を求める習慣を定着させていくと良いでしょう。例えば、何かを提案する際は、それが会社にどのようなメリットをもたらすか、根拠となるデータを提示するといったルールを設けるなどが有効です。「直感や主観による判断は排除すべき」という組織文化にまで高めることが、データドリブン経営を確実に成功させるポイントです。

 

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データドリブン経営の取り組み事例

以下では、データドリブン経営の取り組み事例を3つ紹介します。

日本製鉄株式会社

日本製鉄株式会社ではデータ利活用の取り組みとして、経営情報やKPIのリアルタイムな把握を可能とするデータプラットフォームを2022年の4月に構築しました。これにより、各拠点で個々に蓄積していたデータを集約し、経営レベルから現場において同じデータを根拠とした、高度な意思決定や課題解決が可能になるとしています。

加えて、データプラットフォームを業務の中で高度に活用できるデータサイエンティストの育成にも注力し、2025年までに1000名以上輩出することを目標に掲げています。

参考:『日本製鉄、NSSOLとともに統合データプラットフォーム「NS-Lib」を構築 ~全社のデータを集約、カタログ化し、データドリブン経営を目指す~』日本製鉄株式会社 2022年5月30日

株式会社ユーハイム

株式会社ユーハイムはバームクーヘンをはじめとした洋菓子の製造・販売を手がける企業です。同社のバームクーヘンは、自社開発のオーブンを使い回転速度や焼き加減を熟練した職人が、つきっきりで調整することで品質を維持してきました。

しかし、同社は熟練した職人の技術を解析しデータ化して、AIに学習させ自動で焼き加減を調整するオーブンを開発します。さらに、このオーブンを外部に貸し出すBtoB事業にも発展させ、新規事業の創出と技術の継承を同時に実現しました。

参考:『令和5年度データ活用事例集』経済産業省 中部経済産業局 2023年

大成建設株式会社

大手建設会社である大成建設では「経営基盤のDX」の一環として、建設工事の全てのプロセスで発生するデータを統合するプラットフォームを構築しました。これにより、建設の企画から設計・施工、リニューアルの各段階において発生するデータを網羅的に連携させ、全社的に利活用できる体制を整えています。

社内に蓄積されたデータを横断的に活用できる環境を整えることで、様々な業務領域での意思決定や業務高度化が可能になり、安全かつ迅速で的確な顧客ニーズへの対応につなげていくとしています。

参考:『DX活動における全社でのデータ利活用を実現する統合プラットフォームを構築』大成建設株式会社 2024年2月21日

まとめ

データドリブン経営とは、データを蓄積・解析して経営戦略などの意思決定を行い、業績の向上を図ることです。新たにデータドリブンに取り組む場合は、社内の理解やデータ分析ができる人材の確保、目的に合ったツール導入が必要であるため、まずはデータ活用の目的を明確にして、ロードマップを策定するところから始めましょう。