Claude Code一択の時代は終わった Andrew Ng氏が語るAIツール選びの鉄則
AI業界の勢力図は3ヶ月で変わる、という意見がある。AIの世界的権威Andrew Ng氏は、「そこまでではない」とこれを否定する。だが「ただ、コーディングエージェントに関しては、それが本当だと感じる。いま自分たちにできることのフロンティアが、それほど競争が激しい」と言う。スタンフォード大学特任教授でGoogle Brainの共同創業者という、AIの最先端を走り続けている同氏を持ってしても、ここ直近のコーディングエージェントの進化の速さには驚かされるという。
Claude一択から、複数ツールの組み合わせへ
米LangChain社が主催するAIエージェント開発カンファレンス「Interrupt 26」に2026年6月17日に登壇した同氏は、同社CEOのHarrison Chase氏との対談で、この1年で予想より速く進んだものは何か、という問いに対し、「半年前は、私はほぼClaude Code一辺倒だった。今もClaude Codeを多用しているが、それに加えてOpenAIのCodexを使う頻度が増え、Gemini CLIやopencodeも混ぜて使うようになった」と語った。
Gemini CLIはGoogle製、opencodeはオープンソースのコーディングエージェントだ。少なくともNg氏自身の使い方では、米Anthropic社のClaude Codeがほぼ唯一の選択肢だった状態から、現在は複数を使い分ける形へと移行したというわけだ。
また「1年前なら、これほどスマホでコーディングするとは思っていなかった」と言う。開発の場所や開発に使うデバイスまでも変わってしまったという。
未来を読めない時代の選択肢の価値
この変化の速さが減速する兆しはない。
「1年後にどのAIモデルが最良かは、まったく見当がつかない。どのコーディングエージェントが一番になっているかも、正直まるで確信が持てない」(Ng氏)
1年後が読めないからこそ、「こうした不確実な局面では、選択肢を残しておくこと(オプショナリティ)が非常に価値を持つ」と言う。
AIモデルやツールベンダーは、20〜30%の割引と引き換えに3年契約を持ちかけてくるが、Ng氏は「助言ではなく、あくまで自分のやり方として言うが、提示される割引額がどうであれ、私は1年を超える契約はほぼ結ばない。1年後に最良となるベンダーと組める自由を、それだけ重視しているからだ」と語っている。
またできるだけベンダーに依存しないツールを活用するようにも心がけていると言う。
コーディングエージェントの最前線が半年単位で入れ替わる世界では、「どれが一番か」を早く決めることより、いつでも乗り換えられる構えを保つことの方が重要になる。Ng氏の発言は、AI導入企業にとっても重い示唆を含んでいる。