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OpenAI、企業のAI支出で反撃 成長率がAnthropicを逆転

公開日
2026.08.22
OpenAI、企業のAI支出で反撃 成長率がAnthropicを逆転

米OpenAIへの企業支出が再び勢いを増している。米法人カード・経費管理サービスのRampが集計した速報データによると、2026年第3四半期に入ってからの企業によるAPI支出は、OpenAIが前四半期比82%増となり、米AI開発企業Anthropicの76%増を上回った。

Rampのチーフエコノミスト、Ara Kharazian氏が8月20日に明らかにした。OpenAIへの企業支出の伸び率がAnthropicを上回るのは、過去5四半期で初めてだという。

OpenAIへの支出は、第2四半期の前四半期比41%増から、第3四半期には82%増へ加速した。一方、Anthropicは第2四半期の101%増から76%増へ減速した。

同氏はOpenAIが盛り返した理由について、「GPT-5.6 Solは非常に優れており、開発者の選択肢になりつつある」と指摘した。これに対し、Anthropicの最上位モデルFable 5は、価格の高さやデータ保持要件が障害となり、導入と実際の利用が期待ほど伸びていないという。

Rampの7月のデータでも両モデルの差が表れている。Fable 5はAnthropicが販売したトークンの6%、同社モデルへの支出額の11.4%にとどまった。これに対し、GPT-5.6 SolはOpenAIが販売したトークンの25%、同社モデルへの支出額の23%を占めた。Fable 5による支出額はGPT-5.6 Solの約75%だったとBusiness Insiderは報じている

ただし、企業数ではAnthropicが依然として先行している。7月にAnthropicへ料金を支払った企業はRampの顧客全体の43.5%で、OpenAIは39.7%だった。6月からの増加幅もAnthropicが1.1ポイント、OpenAIが0.23ポイントで、企業数の差は広がった。

今回逆転したのは、企業数や支出シェアではなく、API支出額の成長率である。Rampは両社への支出総額を公表していないため、OpenAIが支出額そのものでAnthropicを上回ったかどうかは分からない。

Rampは、法人カードや請求書支払いサービスを利用する米国企業7万社以上の取引を基に、企業のAI導入状況を集計。アンケートではなく実際の支払いを追跡できる一方、顧客は新興企業やテクノロジー企業に偏っており、大企業によるクラウド経由の支出などは十分に反映されない。

それでもこれは、企業向け市場でAnthropicに押されてきたOpenAIが、支出の伸び率で反撃に転じた可能性を示すデータ。第3四半期はまだ途中であり、この勢いが続くかどうかが次の焦点になる。

著者
湯川鶴章

AI新聞 編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『生成AIで心が折れた』(2025年)、『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。