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【決定版】人材育成ロードマップの作り方|効果的な組織と個人のキャリア成長法

ビジネスの競争力を左右する重要な要素である「人材」。

2020年に「人材版伊藤レポート」が発表され一層、人的資本経営への注目が集まり、企業においても、従業員の「資本」としての価値・人材育成の重要性について、見つめ直されています。

人材育成の重要性を理解しているけれど、どのように具体的な行動に移すべきか戸惑っている組織リーダーの方々、また個々の社員のキャリア成長をサポートしたいマネージャーの方々向けに、人材育成ロードマップの作り方や、作成および運用に関するポイントを具体的に紹介します。

記事の後半では、ロードマップのテンプレートもご紹介しますので、自社での人材育成にお役立てください。

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目次

人材育成の重要性とビジネスへのインパクト

昨今、とりわけ人材育成が重要視されている背景としては、「人的資本開示の流れ」「リスキリングやリカレント教育への注目の高まり」「DX人材の不足」の3つが挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

人的資本開示の流れ

人的資本とは、個々の人材が持つ能力・技能・知識などを付加価値の源泉となり得る「資本」と位置づける考え方のことです。

近年、従業員を「資本」として捉え、その価値を最大限引き出すことにより中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」が重視されています。加えて、2023年3月より一部の企業で人的資本開示が義務化されました。このように人的資本開示の流れが加速していることから、企業における人材育成の必要性も高まっているのです。

リスキリングやリカレント教育への注目の高まり

キャリア開発を目的に新しいスキルを身に付ける「リスキリング」や、キャリア開発にとどまらず学び直しをする「リカレント教育」は、たとえばDXが推進され新しい技術活用が広がっている昨今、個人・企業ひいては経済へ大きなインパクトを与えるものとされ、注目を集めています。

しかし、内閣府が公表したリカレント教育の現状について調査した資料では、日本と他のOECD諸国を比較した結果、日本の社会人・企業の「学習への参画」は32ヵ国中26位、教育による効果(賃金リターンなど)は34ヵ国中33位と、ともに順位が低いのが現状です。

こうした課題感もあり、政府もリスキリングやリカレント教育を重点施策として位置づけており、企業での取り組みにも注目が集まっています。企業が従業員にリスキリングを促すなど、人材育成の一環として取り組むことも必要とされているのです。

参考:『リカレント教育の現状』内閣府

DX人材の不足

DX人材の不足も、人材育成の重要度を高めている要素の1つにあげられます。独立行政法人情報処理推進機構がまとめた「DX白書2023」には、国内におけるDX人材の「量と質」の確保状況における不足が、アメリカとの比較のうえ記載されています。

【DX人材「量」の確保「過剰・過不足ない」と回答した割合(2022年度調査)】

  日本 アメリカ
量の確保 10.9% 73.4%

【DX人材「質」の確保「過不足ない」と回答した割合(2022年度調査)】

  日本 アメリカ
量の確保 6.1% 50.8%

参考:『DX白書2023』独立行政法人 情報処理推進機構 2023年3月16日

量・質ともに国内におけるDX人材の不足状況が、如実に現れる結果となっています。アメリカとの比較においても、厳しい現実を直視しなければならないと感じるのではないでしょうか。

こうした状況のなかDXに対する需要は高まり続け、外部からの人材を確保しにくい状況も続いていくでしょう。既存の人材をDX人材に育成することは、欠くことのできない急務なのです。

関連記事:『DX人材不足の要因から紐解く、DX人材を確保するための6つの対処法! – DXコラム

人材育成においてロードマップを作る重要性

人材育成において、まずは何よりロードマップを策定しないことには始まりません。ここでは、その概要について見ていきましょう。

  • 目標の明確化と共有
  • 系統的な人材育成プロセスの確立
  • 従業員のキャリア形成支援

①目標の明確化と共有

そもそも「何のために人材育成を実施するのか?」を押さえる必要があります。

全社としてどのような経営課題があり、それに対し、どのような理由で、どういった対策として人材育成を実施するか。それを定義しなくては、自己満足的かつ無目的な育成に終わってしまうでしょう。

また、目標は抽象的なものではなく、具体的かつ達成度を測定できるものであるべきです。多くの人事施策と同様に「やったらやりっぱなし」では意味がなく、以下についてまず定義をしましょう。

  • 何を(目標項目)
  • いつまでに(期間)
  • どのくらい(達成基準)
  • どうやって(達成計画)
  • なぜ取り組むのか(実施背景)

②系統的な人材育成プロセスの確立

ロードマップの作成により、人材育成に関わるプロセスやステップを系統的に把握でき、人材育成の方法や教育内容を段階的に整理できます。

系統立てることで、「何となく」で行う施策を減らし、根拠を持った人材育成に近づけることができるでしょう。

そして、一度ロードマップを作成しておけば、次回以降の育成期間における活用や、他の取り組みへの横展開も可能であるため、より再現性の高い取り組みとなり得るでしょう。

③従業員のキャリア形成支援

ロードマップは、従業員一人ひとりのキャリア形成にも役立つとされています。ロードマップで具体的な育成計画や目標を可視化することで、従業員は自分のキャリアパスを把握できるようになります。それにより、自発的・自律的に自己成長やスキル向上に取り組む従業員が増え、仕事へのモチベーション向上や離職率低下が期待できます。加えて、「人生100年時代」といわれていることもあり、個々人のキャリアについて、より具体的に描くことが求められている時代です。

そのため、ロードマップに沿って自分で学びを進める体験は、従業員本人のその後の人生にもよい影響をもたらす可能性があるでしょう。

 

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【全社】人材育成のロードマップの作り方

人材育成のロードマップを作成する方に向け、ここからは全社統一のロードマップの作り方を紹介します。

  • ①企業理念から逆算した理想の組織・人材像の策定
  • ②現状の可視化
  • ③理想とのギャップの把握
  • ④ギャップを埋めるために必要なことの洗い出し
  • ⑤影響や優先度を考慮した実施施策・順番の策定
  • ⑥ロードマップに落とす

①企業理念から逆算した理想の組織・人材像の策定

多くの場合において、人材育成のロードマップは企業理念にもとづき策定します。そのため、理念が定まっていない場合には、そもそもロードマップの作成が困難です。企業理念を定めていない企業では、まずは企業理念の策定から始めるのが望ましいでしょう。

「すでに企業理念や中期経営計画などが定まっている」もしくは「明確な人材戦略を有している」場合は、理念や戦略から逆算し、理想とする「人材像」を策定します。「人材像」の策定に際しては、企業理念や人材戦略などの実現に向け、「具体的にどのようなスキルを持つ人材が必要なのか」を考えることが大切です。

②現状の可視化

人材育成を効果的に進めるためには、まずは現状把握です。「求める人材像に対し、従業員は現時点でどの程度まで達しているのか」従業員の現状を可視化する必要があります。従業員の現状の可視化には、サーベイ(調査)やアセスメント(評価・査定)、直接のヒアリングなどを通じて、情報を収集するのがよいでしょう。

③理想とのギャップの把握

サーベイやアセスメントを通じ現状を把握できたら、「理想(設定した人材像)」と「現状」とのギャップを把握します。その上で、ギャップを改善できるよう、ロードマップの目標を定めましょう。なお、いったん設定した目標について、「自社の理念や人材戦略の実現に効果をもたらすものになっているか」という視点で確認することも重要です。

④ギャップを埋めるために必要なことの洗い出し

理想と現状のギャップが把握できたら、そのギャップを埋めるための具体的な手段を洗い出しましょう。例として、OJTやOFF‐JT、研修、コーチング、メンタリングなどの手段が考えられます。闇雲に導入していくのではなく、それぞれの手法の特性をよく理解し、適切に組み合わせていきましょう。

なお、OJTなどの実施にあたっては国が実施する各種助成金の対象となるケースもありますので、こうした公的な制度の活用も視野に入れた上で、ギャップを埋めるための具体的な手段を検討するとよいでしょう。

⑤影響や優先度を考慮した実施施策・順番の策定

人材育成において必要となる手段の洗い出しが済んだら、実施施策および実施順を決定していきます。施策の影響度や優先度を考慮した上で、「何をどういう順番で進めるか」を明確にしましょう。

⑥ロードマップに落とす

最後に、実施施策・順番をロードマップに落とし込んでいきます。「現場の従業員が自律的に取り組めるか」が人材育成成功のカギになるため、ロードマップに落とし込む際は「現場に定着させられそうか」という観点を忘れないようにしましょう。

そのためには、経営者や人事担当者、育成担当者または育成対象者などさまざまな立場の人に意見を聞き、ロードマップに無理がないかなどを確認することが大切です。また、ロードマップの内容について現場との齟齬が生じないよう、関係者に十分な説明を行うようにしましょう。

DXに失敗しないために【資料ダウンロード】DXロードマップの作成方法
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【個人】人材育成のロードマップの作り方

人材育成を効果的に進めるために、従業員が個々に取り組むためのロードマップの策定も必要です。ここでは、個人向けのロードマップの作成方法を見ていきましょう。

  • ①組織として従業員に求めていることの整理
  • ②従業員のスキル・素養・経験の可視化
  • ③現状と理想のギャップの把握
  • ④ギャップを埋めるために必要なことの洗い出し
  • ⑤影響や優先度を考慮した実施施策・順番の策定
  • ⑥ロードマップに落とす

①組織として従業員に求めていることの整理

人材育成をより効果的なものとするためには、従業員一人ひとりに、「企業が求める理想の人材像に近づくためには、どのような行動が必要か」を主体的に考えてもらうことが重要です。そのため、全社レベルで設定した「理想の人物像」を個人レベルにまで落とし込めるよう、目標を具体化することが求められます。「どのような人材に成長してほしいか」などを整理し、職種・役職ごとに目標を整理していくとよいでしょう。

②従業員のスキル・素養・経験の可視化

次に、従業員それぞれに、自身のスキルや素養、培ってきた経験を棚卸してもらいます。その上でサーベイやアセスメントを用い、従業員の現状を定量的に把握しましょう。合わせて、従業員へのヒアリングなどにより、個々の「今後のキャリアプラン」や「将来ありたい姿」を把握し、可視化しておくことが望ましいです。

③現状と理想のギャップの把握

従業員一人ひとりの現状や、将来ありたい姿など認識を把握できたら、「求める人材像」とのギャップを把握しましょう。この場合のギャップとは、「従業員個々人が現に有している経験・スキル・素養など」と、「組織が各従業員に求める経験・スキル・素養など」とのレベルとの差を意味します。従業員に過度な負担を強いることのないよう、ヒアリングなどをもとに把握した「従業員個々人のありたい姿や素養」を加味した上で、無理のない育成目標を考えていきましょう。

【全社】の④~⑥と同じ

ここからの行程は、【全社】の④~⑥と同様に、「ギャップを埋めるために必要なことの洗い出し」「影響や優先度を考慮した実施施策・順番の決定」「ロードマップへの落とし込み」の順に進めます。ただし、個人レベルでのロードマップ作成ですので、個人のありたい姿に合わせ、より細かく、より具体的な目標・実施施策を設定することが大切です。

ロードマップ作成のポイント

ロードマップの作成方法について見てきましたが、ロードマップの作成にあたっては押さえておきたいポイントが4つあります。それぞれについて、見ていきましょう。

  • SMARTを意識
  • コストを意識
  • デジタル技術とマインド醸成
  • AI時代に必要な学びの見極めが重要

SMARTを意識

先にも触れている通り、ロードマップ策定時に最も重要といえるのが、「目標の設定」です。目標設定を行う際は、「SMARTの法則」を意識するとよいでしょう。SMARTの法則とは、ジョージ・T・ドラン博士が1981年に発表した論文で初めて提唱された目標設定に関するフレームワークです。

「SMART」の各文字が何を意味するかについては諸説ありますが、一般的には下記の5項目の頭文字を取っているとされています。

上記5つの要素を意識しながら、適切な目標が設定できているかをチェックしてみましょう。

コストを意識

ロードマップ策定時には、コストを意識することも重要です。ここでいうコストには、育成の実施に伴う金銭的なコストのほかに、人的コストも含まれます。人材育成においては、育成担当者や人事部門など一部の従業員に負担が偏ってしまいがちです。負担が偏ると一部で長時間労働などが生じ、人材費の増加が懸念されます。こうしたことが起こらないよう、コストを意識しながら、ロードマップを策定しましょう。

デジタル技術とマインド醸成

DXの推進に伴いDX人材の需要が拡大している中、企業にとって、社内でのDX人材の育成が急務となっています。そのため、人材育成のロードマップ作成時には、デジタル技術の育成とイノベーションマインドの醸成につながる要素を必ず組み込みましょう。

AI時代に必要な学びの見極めが重要

AIの発達により、人間が担うべき業務が今後大きく変化していく可能性があります。AIなどを使いこなし、新たなビジネスの担い手となる高度IT人材の育成が、企業にとって急務といえるでしょう。そのため、AIなどに関する情報を常に収集し、「自社の人材にどのようなスキルをどういった学びを通じて習得してもらうか」を考え、それをロードマップに反映させていくことが重要です。

ロードマップ運用の注意点

ロードマップを作成した後、どのように運用し、人材育成を進めていくのがよいのでしょうか。実際に運用していく際の注意点を紹介します。

  • 計画通りにいかないことを理解する
  • 進捗の振り返りと目標の見直し
  • 組織・個人の「将来ありたい姿」の定期的な修正
  • 指導者のスキルの差を把握しておく
  • 育成内容と実務の連動を意識する

計画通りにいかないことを理解する

ロードマップを作成し綿密な育成計画を立てたとしても、予定通りに進むものではないことは、育成の担い手全員で共通認識としておきましょう。予定通りにいかないことを必要以上に焦ることのないように、ある程度バッファをもたせた計画を組むことも大切です。

余裕を持たせたスケジュールで、うまくいかなければ計画を変更しても良いくらいの心づもりを持っておくようにしましょう。

進捗の振り返りと目標の見直し

余裕のあるスケジュールで計画に柔軟性を持たせることも大切ですが、それは進捗確認が確実に行われていることが前提です。ロードマップ通りに人材育成が進んでいるかを把握できるよう、定期的に進捗を振り返る機会を設けましょう。

ロードマップの計画よりも進捗が遅れているのであれば、課題を特定し、解決を図ります。場合によっては、目標の修正も必要になるでしょう。一方、当初の想定以上に進捗している場合は、「施策がうまく進んでいるケース」と「当初の目標設定が甘かったケース」の2つが考えられます。どちらのケースに該当するかを特定し、目標の上方修正や、その実現に向けた施策の見直しを行うことが重要です。

組織・個人の「将来ありたい姿」の定期的な修正

ロードマップを運用していく中で、企業を取り巻く状況や従業員のライフステージなどに変化が生じ、「組織が従業員に求めること」や「従業員自身の将来ありたい姿」が変容していく可能性もあります。こうしたことを踏まえ、ロードマップを定期的に見直していくことも必要でしょう。

指導者のスキルの差を把握しておく

ロードマップを用いて育成を進めていても、計画通りに進まないことは前述しました。その原因は指導者のスキルの差によることも、合わせて理解しておく必要があります。

熟練した指導者と教えはじめたばかりの指導者では、スキルの差があることは否めません。また指導者と育成対象者の相性の問題もあります。育成効果を最大にするには、指導者と育成対象者とのマッチングがうまくいっているかを常に確認しましょう。場合によっては担当変更など、柔軟な対応が必要になるケースもあります。

育成内容と実務の連動を意識する

育成カリキュラムの内容と実務が乖離しないよう、連動性にも気を配る必要があります。多くの育成対象者は、実務に役立つ内容であれば、強い関心を持って学習するようになります。学習した内容を実務で活用できる環境であれば、育成効果がさらに高まるでしょう。

カリキュラムの策定の時点で現場の実務リーダーの意見を反映することはもちろん、運用の段階でもサポートに入ってもらうことでうまくいくこともあります。

DX人材育のロードマップ作成は現状の可視化が最重要

DX人材の育成を計画しロードマップの作成に取り組む際には、まず自社の現状を把握することが鉄則です。先にも触れた通り「求める人材像に対し、従業員は現時点でどの程度まで達しているのか」現状を可視化することから取り組みましょう。

スタート地点の状況が不明瞭なままでは、効果的な計画を立てることはできません。まずは現状を把握し、ゴールとなる「あるべき姿」とのギャップを洗い出しましょう。計画とはそのギャップを埋める手段を考え、効果的に配置していくことです。

現状の把握には、アセスメントの実施が有効な手段となります。エクサウィザーズが提供する「exaBase DXアセスメント&ラーニング」では、DXアセスメントで現状の人材を可視化し、その人の適正に沿ったeラーニングを受講してもらうことで最適なDX人材育成を支援しています。ぜひ活用ください。

exaBase DXアセスメント&ラーニングの導入事例

ここではアセスメントを適切に用いて、DX人材の育成に効果を発揮した企業の事例を紹介します。どの企業もまずアセスメントを実施し現状を把握したことで、人材育成の方針や計画が立てやすくなっていることが見て取れます。

以下、3社の事例を紹介します。

阪急阪神不動産株式会社

阪急阪神ホールディングスで、不動産事業を担う阪急阪神不動産株式会社は、従業員1000名規模の大企業です。同社では2022年に「DX推進部」を立ち上げ、全従業員を対象にしたDX人材育成に取り組みはじめました。

同社は、全ての従業員が全社横断的なDXを推進できる「ビジネスデジタル人材」になることを目標として掲げました。その第一歩として全従業員に「exaBase DXアセスメント&ラーニング」を用いてアセスメントを実施し、DXの素養がある人材の発掘と個人の現状の把握に成功しています。

選抜されたDXの素養のある人材に対しては、研修をはじめとした施策を実施し育成を推進。その他の人材には、アセスメントの結果をもとに個人に合わせたeラーニングによるカリキュラムを提供して効果を上げています。こうした取り組みと合わせ、経営層や幹部へもDX研修を実施し、全社的なDXリテラシー向上が図られました。

参考:『各社員のDXスキルを把握し、学習をパーソナライズ。アイデア創出プログラムでは5つが実現に向けて進行中』株式会社エクサウィザーズ  2024年8月参照

三菱HCキャピタル株式会社

三菱HCキャピタル株式会社は、2021年4月に三菱UFJリース株式会社と日立キャピタル株式会社が合併してできた新しい会社です。両社ともDXの取り組みを模索していた段階で、合併後の2022年に、DX全体戦略を策定しました。全体戦略を進めるなかで、DX人材の育成は重要なタスクであるとの共通認識が生まれました。

こうした流れからDX人材育成において、まずは現状の社員のDXスキルレベルの可視化は大前提という結論に至り「exaBase DXアセスメント&ラーニング」を導入。アセスメントの結果をもとにDX人材のレベルを3段階に定義し、それぞれのレベルに合わせた育成が可能になりました。

また同社はDX人材はデジタルスキルだけではなく、イノベーティブな資質が重要という捉え方をしています。exaBase DXアセスメント&ラーニングは、スキルと素養、デジタルとイノベーティブという4象限で人材を可視化できるため、DX推進人材の選抜に効果を発揮しています。

参照:『10年後に向けた「DX人材の養成」。アセスメントの評価軸が会社の考えとマッチ。空き時間にサクサク進むeラーニングが決め手。』株式会社エクサウィザーズ 2024年8月参照

SocioFuture株式会社

SocioFuture株式会社は、全国のATMの約6割の監視・保守を手がける金融機関向けサービス会社です。同社は2022年にDX推進部門を立ち上げ手探りで施策を進めるなか、従業員のDXスキルの把握と育成が喫緊の課題であるという認識を強くします。

こうしたなか「exaBase DXアセスメント&ラーニング」を導入し、約500名の総合職を対象にアセスメントを実施。DXスキルの高い人材の発掘に成功しています。アセスメントの結果、2名の従業員を同社の基幹事業である、ATMのフルアウトソーシング事業に関わるプロジェクトに抜擢。プロジェクトリーダーとサブリーダーとしてアサインしました。DXの素養のある人材を抜擢できたことで、効率的なプロジェクト運営が可能になっています。

このほかアセスメントの結果は、育成効果の検証や進捗状況の把握に活用されています。DX人材を4段階のレベルに分け、eラーニングや実践型の研修受講を進めつつ、毎年アセスメントを実施して効果検証を図る計画とのこと。eラーニングの内容も従業員からは好評で、全社的なDXリテラシーの向上を実感できているようです。

参照:『アセスメントで隠れたDX人材を発掘。基幹業務の効率化プロジェクトにアサインし軌道に乗る』株式会社エクサウィザーズ 2024年8月参照

人材育成ロードマップのテンプレートダウンロード

エクサウィザーズでは、人材育成ロードマップ策定などもご支援しています。エクサウィザーズが作成した人材育成ロードマップのテンプレートは、こちらよりダウンロードが可能です。ぜひ、自社のロードマップ作成にお役立てください。

まとめ

人材育成ロードマップを作成・運用することにより、人材育成の効率的かつ効果的な推進が図れます。ロードマップを作成する際は、「理想の組織・人材像の策定」や「現状の可視化」「現状と理想のギャップ把握」などが大切です。運用にあたっては、「進捗状況」や「組織・個人の将来ありたい姿」を定期的に振り返ることを意識しましょう。

また今後は、デジタル技術やAIの活用が必須になってくるといえます。こうした新たな技術の活用ができる人材を社内で育成できるよう、目標を明確にしたロードマップを作成することが重要です。

エクサウィザーズではDX人材の育成方法もコンサルティングしています。ロードマップ策定などのご支援もしておりますので、人材育成の方法にお悩みの方はぜひご活用ください。