AIエージェントが激変させる仕事。コーディングの次は?
エンジニアの仕事がコーディングエージェントによって激変したことは、これまでに何度も報じてきた。人によっては生産性が10倍になったという意見も耳にする。米OpenAIはコーディングエージェントのCodexをChatGPTアプリと一体化することで、AnthropicはClaude CoworkというAIエージェントを一般業務向けにリリースすることで、エンジニア以外のホワイトカラーの人たちにもAIエージェントの活用機会を広げようとしている。果たしてどのような職場にAIエージェントが普及し始めたのだろうか。
これまではAIに質問をするとAIが答えてくれるという、言わばチャットボットとしてのAI利用が一般的だった。しかし先進的な企業では、AIになんらかの作業を依頼するエージェント的な利用が広がっているという。OpenAIが8月12日に公表した企業利用の調査によると、ChatGPT(チャットボットとして利用)と、Codex(エージェントとして利用)の6月時点でのトークン出力量は、Codexが全体の64%を占めたという。
またAI活用が進んだ上位10%の「先進企業」と一般的な企業の出力トークン量を比較したところ、6月の時点で利用者1人当たりの出力量が8.3倍になっている。1月の時点では2.6倍だったことから、先進企業と一般企業の間のAI活用の差がこの半年で拡大したことが分かる。特に先進企業の間では、社内データやツールにつなぐためのPluginsや、業務手順を再利用できるskillsを積極的に利用している状態だという。
一方Codexはエンジニアリング以外のビジネス部門にも急速に普及し始めた。エンジニアの間ではCodexは既にある程度普及しているので、2月と6月の利用者の伸びは5倍程度だったが、法務はこの間に利用者数が108倍に伸びた。
法務で利用が伸びた一因として、契約書のレビューや調査など、長文を読み込んで一定の手順を踏む業務と、エージェントの特性との相性のよさが考えられる。
このほかにも営業、採用はともに利用者数を41倍に伸ばし、マーケティングは26倍、医療・臨床は24倍、財務・会計は20倍とそれぞれ大きく伸びている。
OpenAIによると、これらのビジネス部門の担当者がCodexで行った作業の4分の1超が、エンジニアリングやコーディングに分類されるものだったという。ビジネス部門の担当者が、これまで技術部門に依頼していた自動化やデータ変換を、AIを使って自分たちでこなし始めたようだ。
このほか経営層より若手社員のほうがAIを多く使っており、導入6か月後の比較では、若手社員は経営層より週当たり13件多くAIと対話していることが分かったという。
OpenAIは、AIを導入するだけでなく、社内情報や業務ツールと接続すべきだと提言している。そのうえで、権限管理やガバナンス、人による確認体制を整え、個人の優れた活用法を組織共通の業務フローに広げることが重要だとしている。
このOpenAIの調査を取り上げたシリコンバレーの有力ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzのニュースレターによると、企業内でのAIの利用が広まる一方で、Zapier、n8n、Makeといった従来型の業務自動化サービスへのサイト流入が直近12週で軒並み二桁の減少となったという。
ちなみに私自身は、リサーチと執筆をAIエージェントに任せることでAI新聞に掲載する記事の本数が激増した。どのようにAIを活用したのかは、AI時代の執筆(前編)とAI時代の執筆(後編) という2本の記事に書いたので、そちらを読んでいただきたいと思う。