OpenAIの広告事業、開始200日足らずで年換算売上10億ドルに IPO前に「多角化」をアピール
米OpenAIは8月31日、ChatGPT内の広告事業「ChatGPT Ads」の年換算売上(ランレート)が10億ドル(約1,500億円)に達したと発表した。サービス開始から200日足らずでの到達で、利用する広告主は「数万社」に上るという。
ChatGPT Adsは今年2月に米国で試験導入。同社は4月時点で年換算1億ドルを超えたと報告していたが、そこから約5カ月で10倍に膨らんだ計算になる。現在は40カ国以上で提供され、31日からはインド、欧州、中東、北アフリカの広告主も、セルフサービス型の管理画面「Ads Manager」を通じて直接広告を出稿できるようになった。
発表文によると、5月に導入したAds Managerによって中小企業が大量に参入し、すでに売上の「無視できない割合」を占めている。広告主の課金は、表示回数に応じた従来型に加え、クリック課金や成果目標に最適化した入札方式が主流になった。計測・技術面の提携先は50社を超え、ある電子商取引の広告主は28日間で広告費の3倍の売上を得たという。
広告が表示されるのは無料プランと低価格プラン「Go」の利用者で、ChatGPTの週間利用者10億人超の大半を占める。同社は「広告は常に明示され、ChatGPTの回答とは切り離されている。広告が回答内容に影響することはなく、広告主が利用者の会話にアクセスすることもない」と強調した。
今回の発表は、同社が近く見込まれる新規株式公開(IPO)を前に、収益源の多角化を投資家に示す狙いがある。米CNBCによると、同社は8,520億ドルという企業価値の正当性を投資家に説明する圧力にさらされている(出典)。発表文も「広告は消費者向け有料プラン、法人向け、API課金と並ぶ、多角化した事業モデルの柱の一つ」と位置づけている。
ただし、目標にはまだ届いていない。米Axiosが4月に報じた投資家向け資料では、同社は2026年の広告売上を25億ドル、2030年には1,000億ドルにまで伸ばす計画を示していた(出典)。米Quartzは、同社の全体の年換算売上は400億ドル超で、広告はその2.5%程度にとどまると伝えている。年換算売上は直近の月次売上を12倍した数値であり、実際に10億ドルを稼いだわけではない点にも注意が必要だ。
同社は今後、対象市場をさらに広げるとともに、広告のフォーマットや購入方法、効果測定機能を拡充する方針。「企業が消費者とChatGPT内でより自然にやり取りできる新しい方法も模索する」としている。
主なソース
- OpenAI発表文: https://openai.com/index/expanding-access-to-ai-with-chatgpt-ads/
- CNBC: https://www.cnbc.com/2026/08/31/open-ai-chatgpt-ads-revenue.html
- Axios(4月の投資家向け目標): https://axios.com/2026/04/09/openai-100-billion-in-ad-revenue
- Quartz: https://qz.com/openai-chatgpt-advertising-revenue-billion-083126