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Top Message トップメッセージ
AIエージェント時代の社会変革をリードする
株式会社エクサウィザーズ
代表取締役社長CEO
春田 真(MAKOTO HARUTA)
ステークホルダーの皆様には、日頃より多大なるご支援を賜り、深く御礼申し上げます。
当社は「AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現する」というミッションを掲げ、創業以来、AI・生成AI技術の社会実装に取り組んでまいりました。このミッションに共感し、多様なバックグラウンドを持つ仲間が集まり、その情熱とAIを掛け合わせることで、変革の原動力を生み出してきました。
AIへの向き合い方——テクノロジーへの信念
直近ではAIの脅威が囁かれています。その脅威が無いと否定することは、現時点では難しいかもしれませんが、私自身はテクノロジーが好きであり、AIのポジティブな可能性を心から信じています。AIは人間の敵ではなく、人間の潜在能力や可能性を引き出すための道具です。このポジティブな可能性をAI実装を通じて社会に希望を示すことが、私たちの使命だと考えています。この思いは、当社を創業した10年前から変わっていません。
信頼されるAIでより良い未来を実現するため、私たちが日々大切にしている考え方があります。透明性と信頼のために、AIの仕組みや判断プロセスを開示し、説明責任を果たすこと。ユーザーの課題に寄り添い、本質的な価値を提供するユーザー中心のサービス。学びと改善を重ね、AIの可能性を広げる継続的なイノベーション。そしてAIの恵みを多くの人に届け、課題解決に取り組む社会への貢献。これらを通じて、すべての人が恩恵を受ける社会の実現を目指します。
現在、世界は、あらゆるシステムや業務プロセスがAIを前提に再設計される「AX(AIトランスフォーメーション)」の転換点にあります。AIは個別のツールから、プロセスを自律的に理解し実行する「AIエージェント」へと進化し、産業構造そのものを塗り替えつつあります。当社は、この歴史的な変革を主導し、この4つの指針を実践することで、皆様のご期待を超える価値を提供し続けてまいります。
過去最高業績と強固なアライアンスの拡大
2026年3月期は、事業戦略と構造改革が実を結び、強固な収益基盤を構築できた重要な一年となりました。売上高・営業利益はともに過去最高を更新し、積極的な投資と事業開発が実を結び、持続的な成長軌道に入りました。AIプロダクト事業とAIソリューションサービス事業の両セグメントが揃って増収増益を達成したことも、成長モデルの確立を示すものです。
AIプロダクト事業では、企業における安全な生成AI活用を牽引する「エクサベース AI」が幅広い企業に浸透し、高い成長性とスケーラビリティを示しました。
AIソリューションサービス事業では、AI実装を目的とした大企業向けの大型案件が大幅に増加しました。その象徴が共創パートナーシップの構築です。株式会社三井住友フィナンシャルグループ様との資本業務提携では、50名規模の専任チームを組成することを視野に、高度な業務領域でのAI実装やAX人材の育成など、複数のプロジェクトを同時に推進しています。NTTドコモビジネス株式会社様とは、AIエージェントの構築にとどまらず、AIプロダクトの拡販まで幅広く連携しています。さらに、出光興産株式会社様、住友生命保険相互会社様、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社様をはじめとする大企業とのアライアンスやジョイントベンチャーの設立は、当社ならではの強みです。
Credoの刷新で夢中になれる組織へ
グループ全体の社員数が600名規模へと急拡大するなかで、行動指針である「Credo」を刷新しました。新しいCredoのもと、メンバー全員が時間を忘れて没頭できる「夢中になれる組織」をつくり上げます。社会課題解決という理想に向けて、取り組むこと自体に満足せず、成果と結果に徹底的にこだわります。大きな成果を生む原動力は、一人ひとりの自発的な没頭であると考えています。
当社の事業の根幹であり最大の強みである「AIぐるぐるモデル」は、創業当初から一貫して当社の進化を支えてきた独自のビジネスモデルです。自社・お客様・社会の現場でAIを駆使して課題を地道に解決し、そこで得た知見やデータを、誰もが簡単に使えるプロダクト(仕組み)として市場に展開します。さらに、プロダクトが現場で活用されるなかで、実際に使われて初めて見えてくる課題やニーズが明らかになります。その課題を解決するために再び現場の実践へと立ち返り、プロダクトの磨き込みと進化につなげます。この絶え間ない「進化の循環」を高速で回し続けることで、持続的な成長を実現しています。
この循環を強力に推進するのが、自社を「実験場」とするAIドリブン経営です。当社は、自らが最初のユーザーとして課題を乗り越え、磨き上げたノウハウをお客様に提供しています。例えば、今年の株主総会では質疑時の質問要約や議長の回答支援にAIを活用したところ、「うちでも来年使いたい」というご相談が相次ぎ、いくつかはプロジェクトとして進めています。今回の統合報告書もAIの可読性を重視し、お客様や投資家の皆様が情報収集と分析にもっとAIを活用していただけるよう、PDFではなくHTML版へ移行したのもその一環です。社内では現在、営業活動からデリバリーまでAIを徹底的に利活用し、業務工数の削減と付加価値創出時間の捻出に取り組んでいます。自ら品質を検証したソリューションであるからこそ、お客様に安心してご活用いただけると考えています。
3P×フロンティア戦略によるAIエージェントの社会実装
2027年3月期は、売上高156億円、営業利益23億円を計画しています。成長への投資を継続しつつ、売上高と利益率の双方の成長にコミットします。
これを支えるのが、グループシナジーを最大化する「3P×フロンティア」戦略です。人(People)、プラットフォーム(Platform)、プロダクト(Product)の強みを融合し、機動的な戦略子会社群(フロンティア)を掛け合わせることで、お客様のAXを最初から最後まで伴走支援します。
Peopleの領域では、株式会社テクノプロ・ホールディングス様と、将来的に約3万名のエンジニアを対象とするAX人材育成に関する戦略的提携を締結しました。当社の育成プログラムによってエンジニアのAIスキルを高め、AI開発案件にアサインすることで、現場実装を加速させます。
フロンティアの領域では、戦略子会社も複数立ち上げました。AI駆動のシステム開発と開発プラットフォームを提供する「Exa Frontier Edge」、未来に先駆けたAI技術開発を担う「Exa Interaction Design Lab」、福岡を拠点にAIエージェントの社会実装を担う「エクサフォワード九州」、AI時代のセキュリティサービスを提供する「ExaSecurity」です。さらに、総合コンサルティングでお客様が自走する支援を担う「ele&company」をM&Aで仲間に迎え、エクサウィザーズグループとして、お客様へのAI実装の付加価値を一層強化してまいります。
そして、今期の先に見据える最大のビジョンは「AIエージェントの本格的な社会実装」です。AIは指示を待つツールから、人に代わって業務プロセスを自律的に実行する協働パートナーへと進化します。
AIエージェントが導く未来では、実証実験(PoC)にとどまらず、AIを前提とした「業務変革」が当たり前になります。さらに、「安心・安全なガバナンス設計」が土台となり、トークン消費を最適化する「AIユニットエコノミクス」が確立されます。その中で人が担う役割は、対話すること、問いを立てること、AIユニットをマネジメントすること、そして責任を負うことへと変化していくでしょう。
システム開発やBPOなど数十兆円規模の既存市場でAIエージェントが自律的に稼働する未来は、人の仕事を奪うものではありません。人手不足の解決策であり、定型的な管理業務から人を解放し、より創造的な活動に集中できる「働き方の革命」になると考えています。
初の配当開始と東京証券取引所プライム市場への移行準備
当社はこれまで、キャッシュを最優先で成長投資に再配分する方針のもと、配当を実施してまいりませんでした。しかし、皆様のご支援のもと、2026年3月期にフリーキャッシュフローの大幅な黒字化を達成し、自立的かつ持続的にキャッシュを創出できる強固な財務体質への転換を果たしました。
この進展を踏まえ、成長投資を継続しながらも株主の皆様へ直接的に利益を還元する新たなフェーズに入ったと判断し、2027年3月期より初の配当(1株当たり期末配当5円を予定)を開始することを決定いたしました。今後も成長投資と株主還元の最適なバランスを追求し、中長期的な企業価値の最大化にコミットしてまいります。
さらに、より多様な投資家の皆様にご参画いただける体制を整えるため、東京証券取引所プライム市場への移行準備を正式に開始いたしました。プライム市場への移行は、社会の公器としての信用をさらに高め、株式の流動性向上と国内外の機関投資家層の拡大につながるものと考えています。確固たる信頼を基盤に、成長基盤をより強固なものとしてまいります。
未来を創る挑戦のパートナーとして
過去最高業績の達成や3P×フロンティア戦略によるAIエージェントの社会実装を推進することは、いずれも「幸せな社会」を実現するためのステップにすぎません。
AIは人間の敵ではなく、人間の潜在能力を引き出す道具です。創業以来一貫して信じてきたこのポジティブな可能性を、AI実装を通じて社会に希望として示し続けることが、私たちの使命です。当社は、AIエージェントをはじめとする革新的なテクノロジーを駆使し、自らを変革し続け、スピード感をもって挑戦を続けてまいります。
皆様には、私たちが描く未来へ、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。