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【連載】PdMがAIを「自分専属の秘書」に(前編) ~Claude Codeで散らばる情報を一元化し、AIとマルチタスクをこなす日常へ~

【連載】PdMがAIを「自分専属の秘書」に(前編) ~Claude Codeで散らばる情報を一元化し、AIとマルチタスクをこなす日常へ~

生成AIやAIエージェントの進化が、企業経営のあり方を大きく変えようとしている今、私たちエクサウィザーズは、自らが最前線の「実験場」となり、AIドリブン経営を日々実践しています。

今回は、法人向け生成AIサービス「エクサベース AI」を担当するプロダクトマネージャー(PdM)である私が、日常の業務でAI(Claude Codeなど)をどのように業務に取り入れ、PdMとしての動き方やアウトプットを整えていったのか、実際の試行錯誤や工夫をご紹介します。

“散らばる情報”と”時間が溶ける”日常

私は現在、エクサウィザーズのグループ会社であり、生成AIプロダクトの開発・提供をしているグループ会社のExa Enterprise AIで、法人向け生成AIサービス「エクサベース AI」のPdMとして活動しています。その中でもAI機能まわりを持つチームを担当しています。自分の仕事を一言でいうと、「何を作るかを決めて、作れる形にして、作り切るまで見届ける」こと。日常的に行っている主なタスクは、大きく分けて以下の6つです。

  • 機能の企画と意思決定:仕様書・PRDの作成
  • 開発タスクの切り出しと進行管理 :Jiraチケットの設計・起票・優先度づけ・エンジニアと開発工程の擦り合わせ。
  • 社内関係者との調整:プロダクトオーナー(PO)や他チームのTL、デザイナー、ビジネス側など、ステークホルダーとの調整
  • ユーザー調査とデータ分析 :ユーザーインタビューやユーザーデータの分析
  • 品質チェックとリリースの準備 :テストシナリオの設計やリリース可否の最終判断・顧客向けの説明文章作成
  • チームマネジメント: メンバーとの1on1などでのチーム状態の把握。
  • ビジネスメンバーからの質問対応:製品や機能、バグ報告・要望などへの対応

エンジニアからPdMになってびっくりしたのは、持つタスクの幅広さでした。それゆえに、Slack、Jira、Confluence、Figma、コード、カレンダー、議事録など、あらゆる場所に情報が点在しており、ブラウザのタブを行き来しながら思い出すだけで時間が溶けていく日々。さらに、多国籍チームのため開発チケットは英語で起票する必要があり、表現の吟味や翻訳にも思考リソースを削られていました。

そんな中、当時の引き継ぎ元の先輩が生成AIを用いて色々と自動化と業務の効率化を試みていました。PdMになったばかりの自分も負けじとAIを使いこなして早く一人前のPdMになろう、と思い立ったのが本格的なAI活用のスタートでした。

最初に任せたのは「型が決まっていて毎日発生する作業」

数ある業務の中で、私が最初にAIを試してみようと考えたのは、日報、開発チケットの起票、調べものといった「型が決まっていて、かつ毎日発生する作業」です。逆に戦略や優先度の判断など人が行うべきことは、最初から丸ごと任せる対象にはしませんでした。判断の理由は以下の通りです。

  • 手順を言葉にできる=AIに渡せる
  • 毎日発生するので、改善が積み上がる

私が主に使っているのは Claude Code です。もともとエンジニア向けのツールですが、私はこれをPdMの仕事道具として使っています。Claude Codeを「私が普段見ている情報源を教えているAI」にしておく。そして、そこに話しかけてさらに情報や私の判断・考え方を教えている、という状態を作っています。

AI利用の切り分けにおいて重視した基準は、「AIが得意かつ、最終的に自分がレビューできる領域を選ぶこと」です。書式を整える、抜け漏れなく並べる、横断的に検索する。ここはAIの方が速く高品質な出力になります。逆に、優先順位や、言葉にしていない文脈に依存する判断は、AIに渡すと質が落ちてしまいます。また、自分で品質が確認できるものでないと、返って信頼のできない成果物になってしまいます。

あくまでも、外から見ると「自分の作ったもの」なので、責任は自分にある。だから、自分がちゃんと確認・評価できる領域で、と考えています。
一般的な開発工程に当てはめると、私の役割とAIの活用範囲は次のようになります。

「失敗したら、会話ではなくルールに戻す」——プロンプトを毎回書かない3層構造

効率的にAIを使うために心がけている一番の工夫は、「プロンプトを毎回書かないこと」です。単発の指示文や前提情報をその都度書こうとするより、Claude Skills化するなどで「前提をファイルとして永続化する」方が遥かに精度が上がります。例えば、あるプロジェクトについてはそのプロジェクト用のフォルダを作ってそこを重点的に参照するためのSkillsを作ったりしています。

現在、私はAI(Claude Code)に対し、自社プロダクトのコンテキストを含めた環境を整えた上で、以下の3層構造で設定を読み込ませています。

特に入念にメンテナンスしているのが③の「記憶」です。

たとえば私はエンジニア出身ということもあり、実験や技術チケットを書く際に、つい実装設計まで細かく作り込みすぎてしまう癖があります。それを「自分の癖」として登録しておくと、私がやりすぎそうになった時に「中本さん、これは作り込みすぎです。手法の詳細は叩き台に留めて、エンジニアに問いを投げかける形にしましょう」とAI側が制止してくれるのです。

会話の中で「そこ違うよ」と一度注意しても、次の日には忘れられてしまいます。失敗したらその場の会話で直すのではなく、ルール(テキストファイル)に戻って書き換える。これを繰り返すことで、AIが自分の弱点や嗜好を完全に把握した「自分専属の秘書」へと育っていきます。

後編では、自社プロダクトの品質検証をワンクリックで自動化したプロセスや、AIをひとりのエンジニアとして扱い、自分は純粋なPdMに専念する運用方法、さらには開発チームや他チームとの関係性の変化についてご紹介します。

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