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AIスキルマップとは?作り方とレベル定義・スキル可視化の進め方を解説

公開日
2026.10.01

「生成AIを全社に導入したが、誰がどこまで使えるのか把握できていない」「研修を企画したいが、対象者の選び方に根拠がない」。AI活用が一巡した企業の人事・DX推進担当者から、こうした相談が増えています。

背景には、導入と成果の間に開いた溝があります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査では、AIを導入した企業の9割超が業務の効率化を効果として挙げる一方、売上や利益の向上につながったと答えた企業は数%にとどまりました。使ってはいるが、成果には届いていない。この状態を抜けるには、誰がどの水準でAIを使えるのかを把握し、育成の投資先を決めることが出発点になります。

現在地が見えないまま育成を進めると、施策は勘に頼ったものになります。そこで有効なのが、AIスキルマップによる可視化です。本記事では、AIスキルマップの定義から、デジタルスキル標準の最新改訂を踏まえたスキル構成、レベル定義、作り方の5ステップ、運用の注意点までを解説します。

出典:IPA「DX動向2026」調査のポイント(2026年7月16日)

 

AIスキルの可視化から育成設計までを進めるなら

スキルマップを設計しても、測定と育成がつながらなければ成果は出ません。約20分の生成AI活用テストで実務での活用レベルを測り、役割別の学習で全社のスキルを底上げする進め方をまとめています。

  • 生成AI活用テストとアセスメントによるスキルの可視化
  • 経営層・中核リーダー・全社員の階層別学習設計
  • 業務実装まで踏み込むハンズオン研修
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目次

AIスキルマップとはAIとの協働に必要なスキルを可視化する仕組み

AIスキルマップとは、AI・生成AIの活用に必要なスキルを体系的に整理し、社員一人ひとりの習熟度を一覧で可視化した仕組みです。縦軸にスキル項目、横軸に習熟レベルを置き、誰がどの領域でどの水準にあるかを把握します。

従来のDX人材スキルマップとの違いは、対象範囲にあります。DX人材のスキルマップが、データ活用やシステム開発を含む幅広いデジタル能力を扱うのに対し、AIスキルマップはAIとの協働に必要な力に焦点を当てます。プロンプトによる指示、出力の検証、リスクへの配慮といった、生成AI特有の観点が中心です。

両者は排他的ではありません。DX人材の育成基盤があるなら、そこにAI特有の観点を重ねる形が現実的です。

関連記事:『DX人材のスキルマップの作り方』

なぜいまAIスキルの可視化が必要なのか

導入は進んだのに、成果が見えない。この状態を生む構造を、活用の実態、人材の不足、把握の方法という3つの面から整理します。可視化が求められる理由は、この3つが同時に起きている点にあります。

AI導入は8割に広がったが成果は業務効率化で止まっている

総務省の調査によると、2025年度に何らかの業務で生成AIを利用している日本企業は86.4%に達しました。導入そのものは、もはや珍しくない段階です。

一方で、生成AIを使いながらも組織的な取り組みがないと回答した企業は約27%ありました。個人が思い思いに使う状態と、組織として成果を出す状態の間には、大きな隔たりがあります。

生成AIの企業利用と組織的取り組みの状況(2025年度)。業務利用は86.4%に達する一方、組織的な取り組みがない企業が約27%
出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」2026年をもとに作成)

個人の利用経験率で見ると、日本は58.8%です。2024年度の26.7%から急伸したものの、中国93.6%、米国とドイツの75.6%には届いていません。

生成AIの個人利用経験率(国別・2025年度)。中国93.6%、米国・ドイツ75.6%に対し日本は58.8%
(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」2026年をもとに作成)

IPAの「DX動向2026」によると、従業員1,001人以上の企業の8割近くがAIを導入済みです。ところが効果の中身は、業務の効率化・迅速化が91.6%に対し、顧客満足度の向上は4.5%、売上や利益の向上は3.9%にとどまりました。

AI導入による具体的効果の内容
出典:IPA「DX動向2026」調査のポイント 2026年7月をもとに作成)

使う社員は多いのに、成果につながる企業は少ない。差を生むのは、AIで業務を組み立て直せる人材がどこにどれだけいるかです。だからこそ現在地を測る必要があります。

出典:IPA「DX動向2026」調査のポイント(PDF)
出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」

AI関連人材は多くの種別で不足が過半を占める

人材の面から見ても、可視化の必要性は明らかです。同じ調査で、DXを推進する人材が量的に不足していると答えた企業は85.5%。2023年度、2024年度とほぼ同じ水準で、改善の兆しはありません。AI関連人材に絞っても、多くの人材種別で「不足している」が過半数を占めます。とくに不足が高止まりしているのが、現場の知見と基礎的なAI知識を持ち、自社へのAI導入を推進できる従業員と、データマネジメントの知見を持って社内で企画・推進できる人材です。

つまり、足りないのはAIの専門家ではなく、自分の業務を知ったうえでAIを使いこなし、周囲に広げられる人です。この人材は外から採用しにくく、社内で見つけて育てるしかありません。誰がその候補になるのか。それを見極めるために、AIスキルマップが要るのです。

出典:IPA「DX動向2026」(報告書・データ集)

利用ログだけでは活用の質までわからない

現在地の把握を、ツールの利用ログに頼る企業は多くあります。ただしログからわかるのは「使ったかどうか」であり、「どう使っているか」という活用の質は見えません。

毎日ログインしていても、定型的な文章生成しか行っていない社員もいます。逆に利用回数は少なくても、業務プロセスの改善につなげている社員もいるでしょう。回数だけを追うと、育成すべき対象を見誤ります。

スキルと、AIに向き合う考え方の両面を測ることで、はじめて誰にどの育成を届けるべきかが定まります。

デジタルスキル標準ver.2.0で何が変わったか

AIスキルマップを設計するなら、公的な指標を土台にすると社内の納得を得やすくなります。基準となるのが、経済産業省とIPAが公表する「デジタルスキル標準(DSS)」です。

2026年4月に公表されたver.2.0では、AX(AIトランスフォーメーション)の進展とデータ活用の重要性の高まりを背景に、大幅な改訂が行われました。主な変更点は次の3つです。

  • DX推進スキル標準に「データマネジメント」の人材類型が追加された
  • AIの実装・運用に関するスキルと、AIガバナンスに関するスキルが拡充された
  • ビジネスアーキテクトの役割が見直され、事業変革に関するスキルが広がった

AIリテラシー標準(DSS-L)には、生成AIの利用にあたって求められるマインド・スタンスも位置づけられています。知識だけでなく、AIに向き合う姿勢まで含めて定義されている点が、AIスキルマップを設計するうえでの重要な示唆です。

出典:経済産業省「デジタルスキル標準ver.2.0(DSSver.2.0)を公表します」

AIスキルマップに入れるべき3つの層

AIスキルは、次の3層で整理すると全社に展開しやすくなります。

全社員の土台となるAIリテラシーとマインド

全社員に共通する土台です。生成AIの仕組みや得意・不得意の理解、出力を鵜呑みにせず検証する姿勢、変化を学び続ける意欲が含まれます。技術知識より、AIに向き合う考え方の比重が大きい層です。

業務で成果を出すAI活用スキル

自分の業務でAIを使いこなす力です。適切なプロンプトで狙った出力を引き出し、結果の妥当性を検証し、業務プロセスに組み込むところまでを含みます。実務での成果に最も直結する層といえます。

安全に使うためのリスク管理とガバナンス

情報漏洩や著作権侵害、ハルシネーションへの対処など、安全に使うための力です。DSS ver.2.0でAIガバナンスのスキルが拡充されたように、活用を広げるほど重要度が増します。

この3層に加えて、推進役となる人材には「業務課題を発見しユースケースを設計する力」を上乗せします。

関連記事:『生成AI推進人材とは』

3層で組むAIスキルマップの項目例

3層を実際の項目に落とすと、次のような形になります。項目を選ぶ軸は、人とAIの役割分担です。大量の情報処理や定型的な生成はAIが担い、目的の設定と結果への責任、出力の妥当性の判断、顧客との信頼関係は人が担う。この線引きを前提に、AIを使いこなす操作の力と、人にしか担えない判断の力の両方を項目に入れます。

層 項目例 判定の観点
AIリテラシーとマインド 生成AIの仕組みと限界の理解/出力を検証する姿勢/継続的に学ぶ意欲/自社のAI利用ルールの理解 知識テストと行動の自己評価をあわせて見る
業務活用スキル 目的に沿ったプロンプト設計/出力の妥当性の検証と修正/業務プロセスへの組み込み/複数ツールの使い分け/成果の言語化と共有 実務課題に対する出力の質と再現性で見る
リスク管理とガバナンス 機密情報・個人情報の取り扱い/著作権と利用規約の理解/ハルシネーションへの対処/利用ログと承認プロセスの遵守 ケース問題への対応で見る
推進人材の上乗せ 業務課題の発見/ユースケースの設計と効果試算/部門への展開と定着支援 実際に設計したユースケース数と成果で見る

項目は12〜15程度に収めます。多すぎると測定と更新の負担が膨らみ、運用が止まります。まず全社共通の3層で骨格を作り、推進人材の項目は対象者を絞って上乗せする形が現実的です。

 

可視化した結果を階層別の育成設計につなげる

スキルマップで現在地が見えても、その後の育成が場当たり的では成果につながりません。本資料では、AI時代の人事部門に求められる役割と、スキル可視化から階層別の育成設計までを一体で進めるアプローチを解説しています。

\こんな方におすすめの資料です/

  1. スキル可視化や人材アセスメントを人事戦略に活用したい
  2. 経営・管理職・若手の階層別で育成設計を見直したい
  3. 人材育成の投資を現場の行動変容につなげたい

AIスキルマップを作る4つのメリット

AIスキルマップを整えると、育成に関する判断を勘や推薦ではなくデータで下せるようになります。得られるメリットは次の4つです。

  • 研修の対象と内容を根拠をもって決められる
  • 限られた育成投資を効果の出る層に配分できる
  • 推進役の候補を発掘し配置に活かせる
  • 人材戦略の開示と経営への説明材料になる

研修の対象と内容を根拠をもって決められる

全社員に同じ生成AI研修を一斉に受けさせたものの、すでに使いこなしている社員には退屈で、初めての社員には難しすぎた。研修後のアンケートで両方の不満が並ぶ光景は、多くの企業で見られるものです。スキルマップがあれば、部門ごとのレベル分布から、誰に基礎を、誰に実践を届けるべきかが決まります。対象を絞れば、研修の満足度も定着率も上がる。しかも担当者は、なぜこの人を選んだのかを根拠とともに説明できます。

限られた育成投資を効果の出る層に配分できる

育成の予算は限られています。レベル分布が見えると、底上げが必要な層と、一段引き上げれば推進役になれる層とを区別できるようになります。前者には全社共通のeラーニング、後者には少人数のハンズオン。そうした配分ができれば、同じ予算でも成果の出方は変わってきます。投資対効果を問われたとき、分布の変化という形で答えを持てる点も見逃せません。

推進役の候補を発掘し配置に活かせる

AI活用を広げるうえで最も不足しているのは、現場を知りAIも使える推進役です。こうした人材は、必ずしも情報システム部門や若手に偏っていません。営業や経理の中堅社員が、誰にも知られずに業務の自動化を進めている。そんなケースは珍しくありません。スキルマップは、部門や職種の先入観を外して候補を見つける手段です。見つけた人材に推進役の役割と学習機会を与えれば、活用は組織の中から広がっていくでしょう。

人材戦略の開示と経営への説明材料になる

有価証券報告書の人的資本開示では、2026年3月期以降、企業戦略と関連付けた人材戦略の記載が義務づけられました。AI活用を経営戦略に掲げるなら、それを担う人材が何人いて、どう育てるのか。数字で語ることが求められる場面が増えていくはずです。レベル分布と育成計画をセットで示せるスキルマップは、開示の裏づけであり、経営会議で育成投資を通すための共通言語にもなります。

出典:金融庁『企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」2026年2月

AIスキルマップは5つのステップで作る

作成の手順は、目的の設定から項目設計、レベル定義、測定、育成計画までの5つです。順番を崩さないことが、使われるスキルマップになるかどうかを左右します。各ステップで押さえる点を順に見ていきます。

目的と対象を決める

何のために可視化するのかを最初に定めます。全社リテラシーの底上げか、推進人材の発掘か、配置の最適化か。目的によって、測る項目もレベルの粒度も変わります。対象範囲も、全社員か特定部門かをここで決めます。

スキル項目を設計する

前述の3層を軸に、自社の業務に合わせて項目を具体化します。ゼロから作るより、デジタルスキル標準を土台にして自社固有の項目を足す方法が現実的です。項目を増やしすぎると運用が重くなるため、10〜20項目程度に絞ると扱いやすくなります。

レベルを定義する

各項目を4段階程度で定義します。抽象的な表現ではなく、行動で判断できる基準にすることがポイントです。

レベル 状態の目安
Lv1 未着手 生成AIを業務で使った経験がほとんどない
Lv2 基礎 指示すれば使えるが、活用は定型業務にとどまる
Lv3 実践 自分の業務課題に合わせて使い分け、成果を出している
Lv4 推進 部門のユースケースを設計し、周囲に展開できる

現在地を測定する

定義したレベルに沿って、社員の現在地を測ります。ただし自己申告だけに頼ると、評価の甘辛や自己認識のずれが混ざる点に注意。客観的なテストやアセスメントを組み合わせると、部門をまたいだ比較が可能になります。

育成計画につなげる

可視化は手段であり、目的は育成です。測定結果をもとに、層ごとの打ち手を決めていきます。Lv1〜2が多い部門にはリテラシー研修、Lv3が育っている部門には推進役の育成というように、現在地に応じて施策を割り当てましょう。

関連記事:『階層別AI研修』

 

可視化した結果を、誰に何を任せるかへどうつなげるか?

生成AI活用の成果は“誰に任せるか”で大きく変わります。本資料では、生成AIを任せる人材に必要なスキルとレベルの判定方法、スキル以外の適性の見極め方、活用レベルの可視化を育成設計につなげる進め方を解説します。無料で配布していますので、ぜひ以下よりご覧ください。

\こんな方におすすめの資料です/

  1. 生成AI活用を任せる人材の選定基準がない
  2. 感覚や推薦に頼った人選になっている
  3. 活用レベルの可視化を育成設計につなげたい

運用でつまずかないための注意点

AIスキルマップは、作った後の運用で成否が分かれます。

  • 項目とレベル基準は年に一度見直して陳腐化を防ぐ
  • 自己申告だけに頼らず客観的な測定を軸にする
  • 人事評価と切り離し育成のための可視化に徹する

 

項目とレベル基準は年に一度見直して陳腐化を防ぐ

最も多いのが、作成が目的化して更新されない状態です。AIの技術変化は速く、1年前の項目定義が実態と合わなくなることもあります。定期的に項目とレベル基準を見直す前提で設計してください。

作った年は経営会議でも話題になったのに、翌年には誰も開かない。そうならないよう、見直しの時期を年度計画に組み込んでおくのが確実です。

自己申告だけに頼らず客観的な測定を軸にする

自己申告のみで運用する場合の限界も押さえておきます。過大にも過小にも申告されやすく、部門間の比較には向きません。客観的な測定を軸に、上長評価や自己申告を補助的に組み合わせる形が実用的です。

初回は丁寧にテストで測ったのに、更新のたびに上司の印象で済ませてしまう。この流れに乗ると、可視化の精度は年々落ちていきます。

人事評価と切り離し育成のための可視化に徹する

評価と結びつけるかどうかも論点です。人事評価に直結させると、正直な申告が集まりにくくなる面があります。育成のための可視化と位置づけ、まずは現在地の把握に徹する方が機能しやすくなります。

AIスキルマップの効果を測定する方法

可視化して育成に投資した以上、効果を問われます。ここで利用率だけを報告すると、使っているのに成果が見えないという冒頭の状態に戻ってしまいます。測る対象は、スキルの分布、活用の広がり、業務の成果の3段階に分けます。

測る対象 指標の例 測り方 頻度
スキルの分布 Lv3以上の割合/部門別のレベル分布/研修前後のスコア差 テストやアセスメントの再測定 半期〜年1回
活用の広がり 業務プロセスに組み込まれたユースケース数/部門横断の展開数/推進役が担ったプロジェクト数 推進部門の記録と部門ヒアリング 四半期
業務の成果 業務時間の削減/企画提案の品質と速さ/顧客満足や売上への貢献 部門KPIとの突き合わせ 半期〜年1回

レベル分布の変化で育成の効果を測る

最初に見るのは、レベル分布がどう動いたかです。研修の前後で同じ尺度で測り直し、Lv3以上の割合が部門ごとにどれだけ増えたかを追います。ここで大切なのは、伸びた層と伸びなかった層を分けて見ることです。三菱HCキャピタルは、初年度の育成を経て2回目のアセスメントを実施し、改善を確認しながら、なお底上げが課題だと特定して翌年度の初級者向けプログラムを組み直しました。測り直しが次の一手を決めた例です。

測定の道具としては、実務での活用レベルを段階で評価する客観テストが使えます。たとえば生成AI活用テストは、基礎知識、リスク管理力、成果創出力の3項目をStep0〜2の3段階で評価し、再受検で推移を比較できます。

出典:エクサウィザーズ「生成AIの実務活用レベルを評価する生成AI活用テストの提供を開始」(2026年4月)

活用の広がりを業務データで測る

スキルが上がっても、業務で使われなければ意味がありません。次に見るのは、活用が組織に広がったかです。利用ログの回数ではなく、業務プロセスに組み込まれたユースケースの数、部門を越えて横展開された数、推進役が主導したプロジェクトの数を追います。これらは推進部門が記録を持ち、四半期ごとに更新するのが現実的です。数が伸びない部門は、スキルではなく業務設計や権限に課題がある場合も多く、育成以外の打ち手を検討する材料になります。

業務成果への貢献を部門のKPIで測る

最後に、業務の成果です。指標の候補は、DX動向2026が示すAI導入効果の項目がそのまま使えます。業務時間の削減、企画提案の品質と速さ、残業時間の削減といった効率化の指標に加えて、顧客満足や売上への貢献という価値創出側の指標を最初から置いてください。効率化の指標だけを追うと、多くの企業が止まっている段階を自社も再現することになります。部門のKPIと突き合わせ、半期または年次で経営に報告する形が、育成投資を続けるための根拠になります。

出典:IPA「DX動向2026」調査のポイント(PDF)

アセスメントでスキルを可視化し育成につなげたエクサウィザーズの事例

ここからは、スキルの可視化を育成や配置につなげた企業の事例を紹介します。4社に共通するのは、測ってから育てる順番を崩さず、測定結果を次の施策の判断に使っている点です。

企業 可視化の方法 育成・配置への活用
イオン 習熟度の把握とDIAによるスキル・マインドの可視化 3段階のレベル別研修を3カ月で全業態へ展開
ファミリーマート 全社員を対象にアセスメントでスキルを測定 アセスメント上位者を選抜研修へ、提案が正式プロジェクトに
三菱HCキャピタル DIAでスキルと素養を4象限で可視化 3つの養成パターンで育成し、2回目の測定で施策を組み直し
シチズン時計 製造拠点を含めてスキルと素養を可視化 製造現場のDX推進人材を発掘し、再受検で研修効果を確認

イオンは習熟度を把握し3段階研修で1000人へ3カ月で展開した

イオンは、DX人材育成組織を軸に、企業向けの生成AI環境を全業態90社・約1000人へ約3カ月で展開しました。導入前は対象者の約6割が初級者だったため、上級・中級・初級の3段階に分けた研修を3カ月で計7回開催しています。現場で活用が進んだ社員が講師として登壇する仕組みも取り入れました。

参考になるのは、習熟度を把握したうえでレベル別に内容を分けた点です。全員一律ではなく現在地に応じて設計したことが、短期間での全社展開を後押ししました。

同社はデジタル人材の発掘にもDIAを使い、DXの知識だけでなくマインド・スタンスを可視化して、知識量が多くなくても推進に向く人材を見つけています。

出典:エクサウィザーズ「イオン×エクサウィザーズ 全業態90社1000人にexaBase 生成AIを3カ月で導入」
出典:お客様の声「イオン株式会社様」

ファミリーマートは全社員を測り上位者の選抜研修を事業課題の解決につなげた

ファミリーマートは、2023年にDX関連の研修を始めた当初、興味のある社員を集めた専門研修にとどまり、全社のDXは進みませんでした。そこでデジタルスキル標準を基準に育成体系を見直し、まず全社員の現状を把握するためにアセスメントを導入しています。受検は手挙げ式で始め、未受検者が残った段階で指名制も取り入れました。アセスメント上位者20名を対象にした約5カ月のDXプロジェクトマネジメント研修では、AIで社内稟議決済業務の負担を軽くする提案が生まれ、現在は正式なプロジェクトとして進んでいます。スコアを選抜基準にしたことで受講者のレベルがそろい、研修の内容も高度にできました。測定結果を選抜に使う運用が、研修を事業課題の解決につなげた事例です。

出典:お客様の声「株式会社ファミリーマート様」

三菱HCキャピタルは2回目のアセスメントで改善を確認し施策を組み直した

三菱HCキャピタルは、全社員がDX人材になることを目標に掲げましたが、一人ひとりのスキルレベルは把握できていませんでした。そこでDIAを導入し、スキルと素養をデジタルとイノベーティブの観点で可視化。2022年度は初級、標準、上級の3つの養成パターンを定め、半年で約50時間のeラーニングを展開しました。翌2023年度に2回目のアセスメントを実施すると、改善は確認できた一方で、底上げが引き続き課題だとわかります。そこで初級者に注力した約8カ月のプログラムを新たに構築しました。測り直して課題を特定し、施策を組み替える。効果測定を運用に組み込んだ形です。

出典:お客様の声「三菱HCキャピタル株式会社様」

シチズン時計は製造拠点でもスキルと素養を測りDX推進人材を発掘した

シチズン時計は、製造拠点にデジタル技術の素養を持つ人材がいるはずだと考えながらも、日常業務からは見極められないことを課題としていました。導入の決め手の一つは、経済産業省のデジタルスキル標準に準拠しており、社内で人材の定義について共通認識を持ちやすい点です。本社部門と製造拠点で目的を分け、製造拠点では現場のデジタル活用を担う人材の発掘を目的に受検を進めました。結果として、デジタルスキルに加えてリーダーシップなどの素養も可視化され、どの現場の誰に相談すれば話が進むかを判断しやすくなっています。難易度の高いデータ活用研修の後に再受検した社員はスコアが伸びており、同社はアセスメントを研修の効果測定にも使う考えです。測定を一度で終わらせず、人材の発掘と研修の効果測定の両方に活用している点が参考になります。

出典:お客様の声「シチズン時計株式会社様」

AIスキルの可視化から育成までを支えるAX人材育成

スキルマップを設計しても、測定と育成がつながらなければ成果は出ません。「測る → 育てる → 活かす」を一気通貫で支える仕組みが有効です。

エクサウィザーズの「AX人材育成ソリューション」は、AIとの協働を前提に、業務効率化から事業変革までを担う人材を育てるサービスです。約20分の「生成AI活用テスト」で実務での活用レベルを測り、経済産業省「デジタルスキル標準」に準拠したDX人材アセスメント「DIA」と組み合わせることで、スキルと変革推進の素養の両面を可視化します。

生成AI活用テストの出題3項目は本記事の3層と対応し、結果はStep0〜2の3段階で示されます。

テストの出題項目 対応する層
基礎知識 AIリテラシーとマインド
リスク管理力(利用時の注意点・AIガバナンス) リスク管理とガバナンス
成果創出力(基本技術・プロンプトエンジニアリング) 業務活用スキル

測定結果を育成につなげる仕組みは次のとおりです。

  • 経営層・中核リーダー・全社員それぞれの階層別研修を設計する
  • Microsoft CopilotやGemini、Claude、Difyなどを用いた実践型ハンズオンで業務実装まで踏み込む
  • アセスメントのスコアから最適な研修を自動で提案するハンズオン研修レコメンド機能で、誰に何を学ばせるかをデータで示す

 

土台となる「エクサベース DXアセスメント&ラーニング」は、DX人材アセスメントサービス市場で2023年度シェア1位(富士キメラ総研調査)。累計2,000社以上・30万人超の受検者に利用されており、測って育てるという本記事の考え方をそのまま実行できる仕組みです。

出典:エクサウィザーズ「exaBase DXアセスメント&ラーニングがDX人材アセスメントサービスにおいて市場シェア1位を獲得」(2025年3月)
出典:エクサウィザーズ「ハンズオン研修レコメンド機能を提供開始」(2025年9月・PR TIMES)

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エクサウィザーズが誇るAIエンジニアや、DXコンサルタントを始めとするプロフェッショナルの監修の元、マーケティンググループが監修・執筆しています。