AIで宿題18%向上、試験20%低下 中国の中高生2万7000人を分析
生成AIを使うと宿題の得点は上がるのに、試験の得点は下がる。中国の中高生2万6811人を対象にした研究で、こうした結果が示された。利用開始から6カ月以内に宿題の得点が18%上がった一方、毎月の試験の得点は20%下がったと研究チームは推定している。
研究を行ったのは、スウェーデンのストックホルム大学教授、David Strömberg氏ら。2026年6月に欧州の経済政策研究センター(CEPR)の討議論文として公表した。中国中部の一つの県で、中学・高校に相当する第7〜12学年の生徒について、30カ月間にわたる9教科の宿題や試験の記録を分析した。cepr.org
宿題を早く終える生徒ほど、学習に影響
生徒が主に使っていたのは、DoubaoやDeepSeekなどの汎用AIだった。研究者が用意した教育専用AIを使わせる実験ではなく、生徒が自らAIを使い始めた時期を調べ、未利用の生徒と成績の変化を比較した。
研究者らの9月4日付の解説によると、AI利用開始から6カ月後には、宿題1回にかける時間が平均64分から45分に短縮した。宿題の18%の得点上昇と、資料を持ち込めない月例試験の20%の得点低下は、いずれも利用前の平均点を基準にした変化の大きさを示す。cepr.org
学習への悪影響は、AI利用者の約8割を占める、宿題を短時間で終えて高得点を取る生徒に集中していた。研究チームは、この組み合わせを、宿題の相当部分をAIに任せている兆候と捉えている。一方、AIを使っていても、使わない生徒と同程度の時間を宿題にかける生徒では、試験成績の低下は小さかった。cepr.org
もともと成績のよい生徒にも大きな影響
成績低下は、学年の低い生徒、男子、もともと成績のよかった生徒で特に大きかった。教科別では歴史や政治などの社会科学系で最も大きく、理数系、言語系が続いた。cepr.org
研究チームは「課題を終えることが目的ではない。そこから学ぶことが目的だ」と指摘する。宿題の点数だけでは理解度を判断しにくくなるため、授業中に短い小テストを行うなど、生徒自身が何を身に付けたかを確かめる方法を挙げている。