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OpenAI、大幅値引きでAnthropic顧客を獲得 ReplitやRipplingが利用を切り替え

公開日
2026.10.25
OpenAI、大幅値引きでAnthropic顧客を獲得 ReplitやRipplingが利用を切り替え

米OpenAIが、AIモデルの大幅な値引きで、生成AI「Claude」を開発するAnthropicの顧客を取り込んでいる。テクノロジー情報メディアThe Informationによると、AIアプリ開発サービスのReplitや人事ソフトを提供するRipplingで、OpenAI製モデルへの切り替えが進んでいる。

3割超の値引きで年間1億ドル超の契約

事情を知る関係者によると、Replitは年間1億ドル超の契約で、OpenAIからモデル料金の3割超の値引きを受け、ここ数カ月でAIへの支出の大半をAnthropicからOpenAIに移した。Replitは当初、Anthropicを使い続ける予定だったが、従来の割引を延長するには契約上の支出額を増やすよう求められたという。

Ripplingでは、数百人のエンジニアによるコーディング作業のうち、5月時点ではAnthropic製モデルが57%、OpenAI製モデルが16%を担っていた。現在はOpenAIが52%、Anthropicが18%と逆転した。CEOのParker Conrad氏は、コスト削減を進める中でOpenAIの方が安価だったと説明した。

企業向け教育サービスのDataCampには、さらに大きな値引きが提示されている。CEOのJonathan Cornelissen氏によると、OpenAIは社内の製品開発に使うモデルを4割引きで提供すると提案した。条件は、競合の開発支援ツールに代えてOpenAIの「Codex」を使うことだ。DataCampは顧客向けアプリに使うモデルにも同じ割引を適用するよう交渉しており、同氏は切り替えによる効果について「80〜90%のコスト削減を見込んでいる」と述べた。

Anthropicは新モデルで巻き返し

顧客の選択を左右するのは価格だけではない。複数社のAIモデルを利用できるサービス「OpenRouter」では、約1カ月前にOpenAIがAnthropicを抜いて利用首位に立った。しかし、Anthropicが9月下旬に「Claude Opus 5.5」を投入すると再び逆転し、記事によると直近1週間ほどの利用はOpenAIの約2倍となった。この数字はOpenRouter内の利用状況を示すもので、市場全体のシェアではない。

値引きを進めるOpenAIには、採算面の課題もある。同社は従来、今年の計算資源への支出が売上高を大きく上回ると予測していた。The Informationは、大幅な値引きが、すでに厳しい収益性をさらに犠牲にして市場シェアを買う形になっている可能性を指摘している。

著者
湯川鶴章

AI新聞 編集長

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『生成AIで心が折れた』(2025年)、『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。