OpenAI、大幅値引きでAnthropic顧客を獲得 ReplitやRipplingが利用を切り替え
米OpenAIが、AIモデルの大幅な値引きで、生成AI「Claude」を開発するAnthropicの顧客を取り込んでいる。テクノロジー情報メディアThe Informationによると、AIアプリ開発サービスのReplitや人事ソフトを提供するRipplingで、OpenAI製モデルへの切り替えが進んでいる。
3割超の値引きで年間1億ドル超の契約
事情を知る関係者によると、Replitは年間1億ドル超の契約で、OpenAIからモデル料金の3割超の値引きを受け、ここ数カ月でAIへの支出の大半をAnthropicからOpenAIに移した。Replitは当初、Anthropicを使い続ける予定だったが、従来の割引を延長するには契約上の支出額を増やすよう求められたという。
Ripplingでは、数百人のエンジニアによるコーディング作業のうち、5月時点ではAnthropic製モデルが57%、OpenAI製モデルが16%を担っていた。現在はOpenAIが52%、Anthropicが18%と逆転した。CEOのParker Conrad氏は、コスト削減を進める中でOpenAIの方が安価だったと説明した。
企業向け教育サービスのDataCampには、さらに大きな値引きが提示されている。CEOのJonathan Cornelissen氏によると、OpenAIは社内の製品開発に使うモデルを4割引きで提供すると提案した。条件は、競合の開発支援ツールに代えてOpenAIの「Codex」を使うことだ。DataCampは顧客向けアプリに使うモデルにも同じ割引を適用するよう交渉しており、同氏は切り替えによる効果について「80〜90%のコスト削減を見込んでいる」と述べた。
Anthropicは新モデルで巻き返し
顧客の選択を左右するのは価格だけではない。複数社のAIモデルを利用できるサービス「OpenRouter」では、約1カ月前にOpenAIがAnthropicを抜いて利用首位に立った。しかし、Anthropicが9月下旬に「Claude Opus 5.5」を投入すると再び逆転し、記事によると直近1週間ほどの利用はOpenAIの約2倍となった。この数字はOpenRouter内の利用状況を示すもので、市場全体のシェアではない。
値引きを進めるOpenAIには、採算面の課題もある。同社は従来、今年の計算資源への支出が売上高を大きく上回ると予測していた。The Informationは、大幅な値引きが、すでに厳しい収益性をさらに犠牲にして市場シェアを買う形になっている可能性を指摘している。