エクサウィザーズ、生成AI・業務データ連携を運用しながら改善できる「RAGエージェント」を開始 〜 AIエージェントで大量の文書を基にしたRAGサービスの構築・設定が容易に、 精度検証や運用、ツール選択も自動化 〜
株式会社エクサウィザーズ(東京都港区、代表取締役社長CEO:春田 真、以下エクサウィザーズ)は、業務データに関する回答品質を、AIエージェントで継続的に改善できる「RAGエージェント」の提供を始めます。大量の社内文書を適切に処理して読み込んだり、運用中の精度検証を自動化したりすることで、高精度なRAGのサービスを迅速に構築し、容易に運用できるようになります。AIエージェント開発・運用プラットフォーム「exaBase Studio」上で2025年6月中旬から随時各機能の提供を開始します。
エクサウィザーズはexaBase Studio上で「RAGOpsのテンプレート」※1を2024年6月より提供し、お客様の独自データを活用したRAGサービスの構築・運用に活用いただいてきました。足りないデータを運用の中で追加するなどで精度を高める「育てるRAG」を提供し、お客様の期待する回答精度に近づけられる仕組みを提供しています。
2025年4月にはexaBase StudioのAIエージェントへの対応を発表しており、様々な業務でAIエージェントに対応できるテンプレート群の提供を開始しています。このたびAIエージェントに対応した「RAGエージェント」の提供を始めます。具体的な特徴は以下の通りです。
☑︎RAGエージェントの特徴
RAGを活用した高精度な情報取得ができるようになることで、マルチエージェントの協調動作において、必要な情報を必要な時に取得して活用できるようになります。従来のFAQなどへの対応やレポーティング業務から、社内情報や各サービスの利用情報の取得と整理まで、RAGエージェントは「確認→判断→実行」のプロセスにおける自律的な情報の取得と提示を担います。RAGを育てつつ、業務の生産性と品質を向上させます。
(1)RAGを改善するタスクの自律的な実行
RAGエージェントは、現場の人間が行うような確認・判断のプロセスを忠実に再現しつつ、他のAIツールと協調しながらタスクを完全に自動化します。取得した情報の信頼度評価、追加リサーチの判断、関連情報の選択まで自律的に行います。
・元の文書を自動で読み直し、回答品質を改善
回答生成に利用した文字列(チャンク※2)だけでは情報が不十分と判断した場合、エージェントが自動で元の文書全体を読み直し、文脈を再確認してから回答を確定します。データのコンプライアンスを遵守しつつ、情報への回答精度の維持・向上を同時に担保します。
・追加が必要な情報を「自律的に」収集
RAGエージェントは、回答に必要な情報が不足している場合や、既存のデータだけでは判断が難しい状況において、外部ソースや社内ドキュメントを横断的に検索し、必要な情報を自律的に収集します。
RAGOpsでは、ユーザーの満足度をフィードバックとして蓄積し、高評価の回答はキャッシュとして活用する一方、評価が低い場合にはオペレーターの介在による改善を促します。その際、どの担当者に対応を割り振るかについても、RAGエージェントが自律的に判断します。

(2)RAGサービスの構築、運用・管理が容易
RAGにおいて回答精度を高めるため、企業内の複数の文書をそれぞれ適切なフォーマットに変換するなど調整したうえで、生成AIに認識させる必要があります。こうした多大な手間と時間がかかるタスクを支援します。
・文書の前処理をノーコードでカスタム
読み込ませる文書の構造や内容に応じて、最適なチャンク設計を支援する各種オプションをノーコードで利用できます。ユーザーはそれらを活用することで、文書ごとに最適化された高度なカスタムチャンクを直感的に生成できます。
・RAGの「負荷」の原因となる精度検証を自動化
RAGエージェントは、検索精度と回答生成精度の両面からRAGの品質評価を自動で行います。これにより、運用の手間を最小限に抑えつつ、継続的な精度向上が可能になります。RAGの適用範囲が拡大し、管理対象の文書が1000件を超えるケースでも、精度検証の自動化によって多数のRAGシステムを効率的に運用することが可能になってきています。
(3)標準のAIエージェントツールと連携
業界で標準的なAIエージェントツールを呼び出して、タスクの分割・実行・進捗報告までを自律的にコーディネートし、人手を介さずに業務フローの全体を最適化するサービスを構築できます。
具体的には、米アンソロピック社の公開した、AIモデルと外部システムのやりとりを標準化するオープンプロトコル「MCP」で実装したAIエージェントツールに対応しています。
☑︎想定している用途の例
RAGエージェントは様々な用途に適用できますが、代表的な想定ユースケースは次の通りです。
・営業部門での顧客情報の自動収集と提案書作成
・カスタマーサポートでの問い合わせ内容に応じた社内マニュアル検索と回答
・社内教育でのFAQ対応や研修資料の自動生成
・経営企画の会議資料作成に向けた社内外データの要約と可視化
・人事部門での従業員データに基づく離職リスクの自動予測と対応策提案
☑︎提供条件
2025年6月中旬より、exaBase Studioのテンプレート上にRAGエージェントとしてアプリケーションを公開していきます。exaBase Studioを利用しているライセンス顧客に対して標準的に提供します。
なお、RAGエージェントの各機能は随時拡充していく予定です。
☑︎exaBase Studioの特徴
exaBase Studioは社内外のAIモデルやサービス、データを組み合わせて、AIエージェントを構築できる開発・運用プラットフォームです。キャンバスと呼ぶ直感的にわかりやすい設計・開発用のユーザーインターフェースを活用して処理を可視化し、エンジニア以外に、経営者や業務をよく知る社内外の人材を巻き込んだオープンな設計や更新が容易となります。開発の煩雑な手順を半自動化する仕組みを搭載しており、開発のプロセスが大きく変わります。「動くものを触りながら改善する」というアジャイル型の内製開発を支援します。
詳しくは以下をご覧ください。
・RAGOps https://exawizards.com/exabase/studio/ragops/
・exaBase Studio https://exawizards.com/exabase/studio/
※1 テンプレート:exaBase Studioのアプリケーションのひな型となるもので、キャンバスと呼ぶ画面にドラッグアンドドロップすることでアプリケーションの機能を展開できる。RAGはRetrieval Augmented Generationの略でラグとも呼ぶ。
※2 チャンク:LLMに読み込ませる資料から抽出したテキストなどの情報を小さく分割したものをチャンクと呼びます。チャンクの作り方次第でRAGの精度が大きく変わることが知られています。
【エクサウィザーズ 会社概要】
会社名 :株式会社エクサウィザーズ(証券コード4259)
所在地 :東京都港区芝浦4丁目2−8 住友不動産三田ファーストビル5階
設立 :2016年2月
代表者 :代表取締役社長CEO 春田 真
事業内容:AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL :https://exawizards.com/
<広報に関するお問い合わせ先>
株式会社エクサウィザーズ 広報 メール:publicrelations@exwzd.com