歩行分析AIの大規模実証で7割以上が運動意欲向上等の効果、デジタル活用を推進した事業所では月500分の業務短縮
～藤沢市との共同事業で介護現場のデジタル推進に向けた取り組み~
株式会社エクサウィザーズは、AIを利活用した介護・福祉用具関連サービスの開発、販売事業を展開する子会社の株式会社エクサホームケア（東京都港区、代表取締役社長：石野 悟史、以下、エクサホームケア）が、神奈川県藤沢市と共同で実施した、歩行分析AIサービスの実証事業の結果をお知らせします。実証に参加した介護サービス事業所等を対象にしたアンケート調査により、73％の事業所においてサービス利用者の運動意欲の向上といった効果が認められ、デジタル活用によるスタッフ間連携で月500分もの業務短縮※1を実現した事業所もありました。
☑︎歩行分析の客観的な結果を共有することで運動意欲向上に効果
藤沢市における実証事業は2022年8月1日から10月31日まで、市内の15事業所で実施しました。エクサホームケアのICTツール「CareWiz トルト」を活用し、被介護者である利用者の歩行状態をAIで分析したうえで点数化し、分析結果のレポートを提供しました。
結果として、実証に参加してCareWiz トルトを利用した事業所のうち、73％の事業所が提供サービスの質の向上に効果を感じたと回答しました。具体的には、
（1） 客観性のある指標で、時間経過に伴う変化も把握できる
（2） レポートにおすすめの運動が提示され、それを基にした運動を提案しやすい
（3） 点数の改善が利用者の意欲向上につながる
（4） レポートを家族に共有することで不安を解消できる
などと評価されました。
また、レポートの情報を基にした生活環境の改善にも活用されています。具体的な用途として、利用者の自宅等の日々の生活導線の見直しや、注意すべき箇所の把握や共有などが挙げられます。
☑︎デジタル情報活用で資料作成や連絡時間を大幅削減
現在、介護事業所においてはスタッフの人手不足も大きな課題となっています。今回の実証においては、施設内のスタッフ間の連携の支援についても効果を検証しました。
CareWiz トルトの利用者の動画やレポートをメールなどで他のスタッフに提供することで、スタッフ間での適切な引き継ぎが可能となり、属人的な状況を改善することが期待できます。また口頭では表現しにくいことも動画では伝えやすくなり、経験が浅いスタッフに対する有効な支援にもなります。
今回、デジタルツールの導入に伴う活用方針を明確にし、推進リーダーを中心に活用を促進した事業所では、1か月あたり500分もの業務時間短縮を実現しました。具体的にはケアマネジャーなどの関係者に利用者の状況を伝えるための資料の作成や電話連絡が削減されました。
「例：デジタル活用の推進により1ヶ月あたり約500分の業務短縮を実現」
☑︎今後、適切な介入や家族の協力でさらなる効果も
今回の実証により、大幅な業務時間短縮を実現した事例があった一方、その他の事業所では業務時間の短縮には至りませんでした。背景として、ケアマネジャーをはじめ介護関係者の多くがレポートなどの情報を受け取るメールアドレスを持っていない、持っていても日常的なコミュニケーションツールとして活用していないといったことがあります。デジタルのみでの情報連携の完結が課題となっています。
なお、今回の大規模実証において改善への効果を感じたと回答しなかった事業所のうち3分の2が「どちらともいえない」との回答でした。「感じられない」との回答は全体の9％にとどまります。今回は3カ月間の実証でしたが、より長い期間利用することで効果を導出できる可能性があります。
全体的にも、得られた客観的指標を基に、適切な介入を行なっていくことで中期的に利用者の状態改善につながる可能性があります。このほかレポートを家族に共有することで、利用者の状態を把握でき不安を解消できたという報告もありました。家族からの利用者への働きかけを活用し、歩行状態を改善していくことも期待できます。
エクサウィザーズとエクサホームケアは今回の結果を基に、事業所におけるCareWiz トルトの効率的な運用、レポートに基づいた適切な介入手法の提案など、さらなる活用に向けた情報を充実させていきます。
実証事業レポート（藤沢市WEBサイト）
URL：https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kaigo-j/projectk.html
※1：各作業時間の計測は実証事業開始時、終了時の自己申告により計測。事業終了後事業所にヒアリング実施。すべてがデジタルツールの導入によるものではないが導入することが上記に好影響を与えたとの回答を得ている。
☑︎ 「CareWiz トルト」とは
CareWiz トルトは、スマホで動画を撮るだけで簡単に身体機能を可視化することができる、AI技術や理学療法士の知見を活用した身体機能分析AIサービスです。わかりやすいコミュニケーションシートで表示される結果はそのまま利用者や家族、ケアマネジャーへの案内に利用することができます。また、スタッフ間で動画を通した意思疎通を促進することにより情報連携の円滑化を図ることもできます。全国600以上の介護事業所や自治体への導入を通じて、より簡単かつ科学的根拠に基づいた歩行分析・現場のアセスメントを支援しています。
URL：https://carewiz.ai/toruto/
※CareWiz及びトルトはエクサウィザーズの登録商標です。
【株式会社エクサホームケア会社概要】
会社名 ：株式会社エクサホームケア
所在地 ：東京都港区東新橋１丁目９−２ 汐留住友ビル 21階
設立 ：2021年5月
代表者 ：代表取締役社長 石野 悟史
事業内容：AIを利活用した介護・福祉用具関連サービスの開発、販売事業
【株式会社エクサウィザーズ 会社概要】
会社名 ：株式会社エクサウィザーズ
所在地 ：東京都港区東新橋１丁目９−２ 汐留住友ビル 21階
設立 ：2016年2月
代表者 ：代表取締役社長 春田 真
事業内容：AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL ：https://exawizards.com/
＜広報に関するお問い合わせ先＞
株式会社エクサウィザーズ 広報部 メール：publicrelations@exwzd.com