データ駆動型の創薬研究プロセスの構築
- 創薬の難易度が上昇している中、今後の創薬研究の生産性を高めるために、データを用いた仮説検証の高度化・効率化の仕組み構築が重要な課題
- 化合物情報を基にした活性・薬物動態・毒性の予測技術や寄与した部分構造の可視化技術を基に、AIコンポーネント群「exaBase Chemistry(以下、exaChem)」を開発し、創薬研究のデータサイエンス業務を大幅に短縮(実際に多くの創薬プロジェクトに適用)
- データ駆動型創薬の実現に向けた業務プロセスの改善余地とアクションを特定する等の、ビジネス側の業務改革コンサルティングサービスも提供
[ DXの課題 ]
医療・創薬領域におけるビッグデータを基に創薬プロセスの高度化と効率化に取り組む「データ駆動型創薬」を実現するためには、AI技術と創薬現場の専門家同士の高度な融合が求められる。
具体的には、創薬に関する専門知識やプロセスの理解をベースに、AIの力を最大限に発揮させ目的に応じたデータ解析を可能とするアプローチ方法を生み出すことに加え、解析結果とその活用方法に関する多面的かつ総合的な評価と判断をおこなう必要がある。
[ exaBaseを活用した解決策 ]
化合物情報を基にした活性・薬物動態・毒性の予測技術や寄与した部分構造の可視化技術を基に、探索的な解析を通じて得られたノウハウを用いて、現場でAIを適用・活用するためのAIコンポーネント群「exaChem」を開発。
データの前処理や既存のワークフローツール(GUI)への繋ぎこみが他の汎用AIツールに比べると極めて楽になっており、データサイエンスの知見が深くない研究者でも高精度を達成しやすい。
機能モジュールとしては、データセットの可視化によるAIの適応可能性(Applicability Domain)の確認、AIにより各種パラメータを予測する機械学習・深層学習モデル・アンサンブルモデルの構築、予測に寄与した部分構造の可視化、それらの結果のレポート出力、モデル構築に関するメタデータの管理機能(MLOps機能)を具備している。
アカデミアとの協業によりエビデンス構築を進めるとともに、回復期リハビリテーション病院を中心にプロダクトの導入・推進を進めていく。患者の方や医療従事者の方の利用満足度向上に努めながら、疾患啓発機能の効果検証やリアルワールドデータの蓄積を進める。
将来的には、獲得したデータやデジタル接点を活かして、医薬品の研究開発やエビデンス構築に資する取り組みを企画・実行していく。
また、上記のAPIモジュール群だけで現場の問題解決がなされていくとは考えておらず、データ駆動型創薬の実現に向けた業務プロセスの改善余地とアクションを特定する等の、業務改善・改革コンサルティングサービスやデジタル人材育成サービスも提供。
[ 想定される成果 ]
- データサイエンティストが行うデータ分析やモデル構築に関する一連の作業フローや、標本管理を中心とした業務全体における効率化
- 高いユーザビリティとユーザ教育の結果、クライアントの創薬研究におけるデータサイエンスチームの多くが活用し、多様なプロジェクトで適用され、効率化を実現