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Industries / 製薬

高齢化による社会保障増大が問題となっており、薬価の引き下げ圧力が継続していく中、従来の主要領域であった生活習慣病に対する医薬品開発は成熟し、がんや中枢神経、加齢性疾患や希少疾患等の領域へシフトしていきます。

創薬技術も低分子からバイオ医薬品へとモダリティが多様化していることや、新薬開発の成功率の低下と開発コストの上昇等から、製薬企業の創薬ハードルはますます高まっており、仮説検証の効率化・高度化を目指したデータ駆動型創薬の実現が課題となっています。

コロナ禍で一気に加速したリモート化により、営業・マーケティングは、デジタル技術を活用した生産性の高いモデルへのシフトが加速しています。

研究・開発や営業・マーケティング以外の機能も含め、他産業からは一足遅れながらもデジタル技術の活用はバリューチェーン横断的に進展しています。

海外では、デジタル技術やAIを用いた医薬品の有効性・安全性を示すためのdBM開発や、Around-the-pill・Beyond-the-Pill等の患者向けの新たなデジタルヘルスサービスの開発が日本に先行して行われています。

国内企業も新事業の組織立上げやDTx等さまざまな取組みを進める一方、保険制度や規制環境の違い等も影響し、現状で成果が出ている事例は限られており、各社が取り組みを模索している状態です。

また、より適切かつ個別化されたペイシェントジャーニーの実現に向けて、疾患の早期検知・スクリーニングや、個別化医療・精密医療を実現するための診断技術・個別化技術の研究開発や、リアルワールドデータの活用による科学的な打ち手の立案や効果検証が求められています。

Point Of View

エクサウィザーズの視点

エクサウィザーズでは、皆それぞれにとって価値のあるヘルスケアの実現を通じて、自分らしく生きられる世界を目指しています。
データとAIを活用したプロセスと仕組みを構築することで、より良い意思決定と行動を支援しており、
以下の社会実装に向けた7つの視点を持ち、製薬・医療業界の社会的課題解決にアプローチしています。

1番目は、データ駆動型の創薬研究・開発プロセスの構築です。AIやデジタル技術のプロダクト化による業務効率化や新たなインサイトの創出を通じて、従業員が付加価値の高い仮説検証や業務に集中できるようなプロセスを構築し、新たな価値の創造を実現します。

2番目は、デジタル上での情報流通やデジタルツールを用いた情報提供活動が進む中で、AI・デジタル技術を活用した従業員のエンパワーメントによる次世代型の営業マーケティングモデルの構築を推進することです。

3番目は、コアカスタマー(注力領域の患者)向けデジタルヘルスサービスの共同開発やdBM開発、既存事業へのデータ価値還元型プラットフォームの構築を推進することです。ペイシェントジャーニーにおいて、センサデータ解析や画像解析、音声認識・自然言語処理等のAI・デジタル技術の活用機会の最大化により、患者や医療介護従事者への価値を創出します。また、事業ドメインの再定義・新たなキュア・ケア手段の提供により、中長期的な視点で持続可能なビジネスモデルを創造します。

4番目は、がんや認知症等の早期検知や予後・将来予測です。研究機関との協業を通じて、人生100年時代の健康リスクの低減や適時的かつ適切な対処を実現するための新たな仕組みの構築を推進します。

5番目は、人々のWell-being実現に向けたデジタル技術・AIと人のブレンド型伴走サービスの構築です。疾病構造の変化や働き方・価値観の多様化を踏まえた生活者の健康と、自分らしい人生を送るための主観的幸福の実現を支援します。

6番目は、医療介護RWDの活用を推進することです。AI・デジタル技術の活用を前提とした「患者・生活者中心」の医療介護のあり方を形成していきます。

7番目は、自治体や国家機関との協業を通じ、次世代の社会保障を支えるデータ活用や地域社会の持続可能性、また、共生社会の実現に向けたデジタルプロダクトの社会実装を推進することです。

Use Cases

事例紹介

  • データ駆動型創薬

    ・創薬の難易度が上昇している中、今後の創薬研究の生産性を高めるために、データを用いた仮説検証の高度化・効率化の仕組み構築が重要な課題。
    ・化合物情報を基にした活性・薬物動態・毒性の予測技術や寄与した部分構造の可視化技術を基に、探索的な解析を通じて得られたノウハウを用いて、現場でAIを適用・活用するためのPython APIを開発し、創薬研究のデータサイエンス業務を大幅に短縮。
    ・また、データ駆動型創薬の実現に向けた業務プロセスの改善余地とアクションを特定する等のビジネス側の業務改革コンサルティングサービスも伴走して行っていることに対して、高い満足度を実現。
    ・開発したプログラムは、高いユーザビリティとユーザ教育の結果、クライアントの創薬研究におけるデータサイエンスチームの多くが活用し、多様なプロジェクトで適用されている。

  • デジタルヘルス×運動器

    ・高齢化で進展する加齢性疾患の多くは歩行能力の低下に起因している。クライアントの製薬企業は、潜在顧客発掘のための高齢者の歩行能力の定量化・可視化を簡易に行う手段を保有していない。運動器領域の製品価値最大化・パイプライン研究開発の加速化・自治体向け介護予防事業開発を実現したい。
    ・高齢者の歩行動画から歩行機能を評価する機能をコアとした高齢者の運動器ケアを支援するスマートフォンアプリの開発を通じて、運動器領域の製品価値最大化およびパイプライン研究開発の加速化を図る。
    ・複数の回復期病院でプロダクトを使ったパイロット実証を行い、ニーズ検証やプロダクト改善を行う。また、アカデミアとの共同開発による取り組みの適切な評価やエビデンス構築にも取り組む。

  • DX推進の伴走支援

    課題
    ・部門横断的なDX推進を加速的に進めなければならない中、事業特性を理解しつつ、デジタル/AIの目利きや企画・実行ができるケイパビリティが社内に十分にない。
    ・DXを推進するための短期・中長期的な施策の全体感や計画が体系的に整理できていない。

    解決策
    ・製薬企業向けのDX支援の経験を持つメンバーがチームごと伴走して実行推進を支援。
    ・①人材のリテラシ・スキル向上や採用・配置等を支援するタレントマネジメント、②新たな企画のアイディエーション・案件化とプロマネ・実行支援を体系的に支援するデジタルプロジェクトマネジメント、③DXに関する社内情報共有やマーケティングによるナレッジマネジメントの観点からDX活動を総合的に伴走支援。